仕事帰りに音楽でリフレッシュしていただくための「630コンサート~充電の60分」に、ジャズ・ピアニストの松永貴志さんが登場! 17歳でメジャー・デビューしジャズ・シーンに一大センセーションを巻き起こしたかつての神童の“今”を、迫力満点のピアノ・トリオでお楽しみください。
2003年に17歳でメジャー・デビューして、今年で10年ですね。
怒濤のような10年間でした(笑)。最初はストレートなジャズ・ピアニストとしてスタートしたのですが、オーケストラとの共演、ダンサーやボーカリストとのコラボレーション、クラシックのピアニストとのデュオ・プロジェクト、テレビ番組やアニメーションへの楽曲提供等々、次第にいろいろな分野に手を広げるようになって...。昔から「これ、おもしろそう!」と思ったらすぐ行動に移してしまう質なんですが、それは10年経った今でもちっとも変わっていないようです(笑)。
そんな中、今回はピアノ・トリオで登場してくださいます。
僕にとってピアノ・トリオというのは、一番の基本というか原点と言ってもいい編成なのですが、さっき申し上げたようにいろいろなことに手を広げていたせいで、ここ最近はあまりトリオでの活動はしていなかったんです。しかし今年はデビュー10周年ということで、1つ原点に戻ってピアノ・トリオの年にしようと。今回のメンバーである水谷浩章さん(ベース)と広瀬潤次さん(ドラム)は、過去ずっといっしょに演ってきた方。安定感抜群の広瀬さんのドラムの上で、遊び心を持った水谷さんのベースと、さらに輪をかけて遊び心だらけの(笑)僕のピアノが暴れまわる、という形になると思います。
どんな曲を演奏される予定ですか。
フジテレビ「スーパーニュース」のために書いたテーマ曲をトリオ・バージョンでお届けします。それから、僕が演奏を担当したアニメ「坂道のアポロン」の劇中曲をメドレーで。ほかには〈キャラバン〉などよく知られたスタンダード・ナンバーや僕のオリジナル曲も演奏する予定です。また、第一生命ホールで演奏させていただくのは2005年以来8年ぶりなのですが、音響の素晴らしさが強く印象に残っています。あの時に演奏した曲を取り上げてみるのもおもしろいかもしれませんね。
お客様の中には、ふだんあまりジャズを聴かない方もいらっしゃると思うのですが、なにかコンサートを楽しむコツはありますか。
特になにも考えずにフラッと来て聴いていただければ。みなさんが、きっとどこかで耳にしたことがある有名な曲もガンガン演奏しますので、あまり構えずに自然体で楽しんでいただきたいですね。
最後に。もし10年前の自分にアドバイスするなら。
今、ワインがマイ・ブームなのですが、お酒を飲める年齢になったらできるだけたくさんのワインを飲んで知識を広げなさいと...あ、音楽的なことでですか(笑)。最近は作曲や演奏にコンピュータを使うことも多いので、それを勉強しなさいということかな。それ以外では特に「こうすればよかった」というのはないですね。その時その時で、常に自分のベストを尽くしてきたという気持ちはありますから。
[取材/文 藤本史昭]