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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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アーティスト・インタビュー

©ノザワヒロミチ(CAPSULEOFFICE)

ブルーオーロラ サクソフォン・カルテット

昼の音楽さんぽ 第13回
ブルーオーロラ サクソフォン・カルテット

平日お昼の60分で気軽に楽しんでいただく「昼の音楽さんぽ」に、2010年に誕生した本格的なサックス四重奏団「ブルーオーロラ サクソフォン・カルテット」が登場します。メンバーは平野公崇さんをはじめとする気鋭の4人のサクソフォン奏者。サックスのみで繰り広げられる豊かなサウンドの世界をたっぷりお楽しみいただきます。

高音から低音まで同じ種類の楽器で出した時の
音の魅力にまさるものはない

本格的なサックス四重奏団をやろう! と

サクソフォンだけの四重奏団を結成しようと思われたきっかけは何ですか?

クラシック音楽の場合、サクソフォンはピアノといっしょに演奏されることが多いんですね。ピアノは1人で何人分もの音を出してくれますし、なおかつ、たった2人で息を合わせればいいので、とてもやりやすい。ところが、サウンドの面からすれば、必ずしもサックスとピアノとの相性が抜群というわけではありません。やっぱり、高音から低音まで同じ種類の楽器で出した時の音の魅力にまさるものはないんです。ですから、サックス四重奏団として本格的な活動をこれから展開していこう! ということに。

この4人のメンバーはどのようにして集まったのでしょうか。

グループを組むとなれば、学生時代の仲間や歳の近い先輩後輩といった同世代で集まることが多いと思います。でも僕らは年齢もキャリアもバラバラです。いろんな世代から集まったほうが、新しい展開が起こっておもしろいのではないかと思いました。それに同世代だと、歳をとったら全員いっぺんに引退しなくてはならないけれど(笑)、世代が違えば1人が抜けても、また1人若い世代が入って、グループそのものは継続していかれると思うのです。

世代交代を繰り返しながら、伝統あるカルテットに成長していくわけですね!

そうなればいいな、と思います。経験の差は、練習で補うことができますしね。だから、練習はすごくていねいにやります。4人いますが、2人ずつの総当たり戦、というのをやるんです。4人で吹くより、2人ずつで吹くほうがごまかしができませんから、問題がクリアになるんです。あ、僕らの秘密のトレーニングを打ち明けてしまいました(笑)。

「本当に4人で演奏してるの! ?」と驚いていただけると...

今回のプログラムでは、サックス四重奏のために作られたグラズノフの作品のほか、バッハやチャイコフスキーのピアノ曲を、平野さんがサックス四重奏にアレンジされたものが並びますね。

はい。ピアノ曲のように本来1人で演奏するはずの作品を、4人でアンサンブルするのって一番むずかしいんです。4人の頭が1つになっていないといけないので。でも逆にうまくいけば、「本当に4人で演奏してるの!?」と驚いていただけると思います。バッハの鍵盤曲については、もともと3つ4つのパートをピアニストが1人で弾いています。それを僕らは4人でできるので、こちらは有利です。グラズノフの「サクソフォン四重奏曲」は、よくフランス風の解釈で演奏されるのですが、彼はロシアの作曲家です。日本人である僕らは、そのあたりも意識して新たな目線でアプローチしたいと思います。

「江戸の子守唄」のアレンジも登場ですね。

「ねんねんころりよ おころりよ」でお馴染みのあの子守唄です。「江戸の」とつくこの唄は、すこし明るい音使いなんですよね。それを僕らはジャズのララバイ風に演奏します。サックス四重奏というジャンルのために、これからもたくさんの曲をアレンジしていきたいと思っています。

[聞き手/文 飯田有抄]