さて、それぞれの内容は?
それでは、シェフにお料理の内容をちょっとだけ紹介していただきましょう。「昼の音楽さんぽ」は、題は知らなくても聴けば必ず「ああ、あれね」と思う名作ばかり。ちょっと見慣れぬ作曲家の名前も並ぶ「630コンサート」の方はどうなのかしら。「プログラムの3分の1は、皆さんがどこかで耳にしたことがある曲。他の3分の1は、一度聴いただけで気に入ってくれる曲。そして残りの3分の1は、ちょっと他では聴けないカラフルで面白い曲です。(エンデルレ)」
「ハイドンは、私たちがこの楽章を録音している様子がYouTubeでも視られますよ。シューベルトは、ロザムンデ四重奏の有名なゆっくりした楽章じゃないんですけど、このメヌエットもとっても心に染み入る音楽。このふたつが中央ヨーロッパ代表。(チャンプニー)」
ふたりのスイス人作曲家
「シュナイダーはスイスの外交官の息子で、今はニューヨークのハーレムに住んでいます。私たちの良く知っている作曲家です。彼は様々な音楽を聴いて育っているんです。子供の頃にアフリカの音楽を家で聴いたりしていた。この音楽も、スイスの作曲家だけどカリブ海のリズム。(チャンプニー)」
「もうひとりのスイス代表のギーガーは、繰り返しが続くミニマム音楽という技法の作曲家です。でも作曲者はとても良いヴァイオリン奏者で、弦楽器のハーモニックスを良く心得ているのです。調子っぱずれみたいな響きの上に、チェロがブリッジの近くでアルプホルンの音を作るんですよ。恐らく皆さんにもお判りだと思います。(チャンプニー)」
ヨーロッパをくまなく巡る
「ラヴェルはホントにフランス。パリの万博でガムラン音楽を聴いて書かれた楽章なので、アジアの味わいもあります。トゥリーナは題名どおりにスペインそのもの。プッチーニは有名なオペラ「マノンレスコー」の音楽と同じもの、私は大好きなんです。ボロディンはロシアのセレナーデです。(エンデルレ)」
弦楽四重奏での世界巡り、通訳付のガイドツアーですのでご安心を。
[聞き手/文 渡辺和]