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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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公演情報

トリトンアーツ共催公演 東京混声合唱団特別演奏会

武満徹の全合唱曲 山田和樹指揮による東京混声合唱団特別演奏会

今や世界で活躍するマエストロ、山田和樹が武満徹の全合唱曲に挑みます。

※A席・B席は完売いたしました。

基本情報

日時 2012年11月17日(土) 15:00 開演
会場 第一生命ホール
[座席図:第一生命ホール ウェブサイト
出演 山田和樹(指揮) 東京混声合唱団
曲目 武満徹:
MI・YO・TA(2002/沼尻竜典 編曲)
 (谷川俊太郎 詞)

男声合唱のための「芝生」(1982)
 (谷川俊太郎 詞/W.S.マーヴィン 訳)
男声六重唱のための「手づくり諺」-四つのポップ・ソング(1987)
 (瀧口修造 詞/ケニス・ライオンズ 英訳)

混声合唱のための「風の馬」(1961/1966東京混声合唱団委嘱作品)      
  (秋山邦晴 詞)
  第1ヴォカリーズ Vocalise I
  指の呪文 Spell of Fingers
  第2ヴォカリーズ Vocalise II
  食卓の伝説 Legend of the Dining Table
  第3ヴォカリーズ Vocalise III

-休憩-

武満徹:
混声合唱のための「うた」(1979-1992)
  小さな空(武満徹 詞)
  うたうだけ(谷川俊太郎 詞)
  小さな部屋で(川路明 詞)
  恋のかくれんぼ(谷川俊太郎 詞)
  見えないこども(谷川俊太郎 詞)
  明日ハ晴レカナ、曇リカナ(武満徹 詞)
  翼(武満徹 詞)
  島へ(井沢満 詞)
  ○と△の歌(武満徹 詞)
  さようなら(秋山邦晴 詞)
  死んだ男の残したものは(谷川俊太郎 詞)
  さくら(日本古謡)

<アンコール>
武満徹作曲・林光編曲(山田和樹によるピアノ伴奏):死んだ男の残したものは 
武満徹:小さな空
チケット

S席¥5,000 A席¥4,000 B席¥2,000 (A席・B席は完売いたしました。)

2012年6月1日(金)発売

【チケット発売窓口】
東京混声合唱団事務局 HPは こちら
TEL:03(3226)9755 FAX:03(3226)9882

トリトン・アーツ・ネットワーク・チケットデスク 
TEL:03(3532)5702(平日11:00~18:00)
ホームページ から座席を選択してご予約いただけます。

チケットぴあ TEL:0570-02-9999〔Pコード:168-289〕
東京文化会館チケットサービス TEL:03(5685)0650
東京コンサーツ HPは こちら

※全席指定/税込み
※未就学児の入場はご遠慮ください。

公演の聴きどころ

 2009年9月、第51回ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝して以来、スイス・ロマンド管弦楽団首席客演指揮者、NHK交響楽団副指揮者、日本フィルハーモニー交響楽団正指揮者、オーケストラ・アンサンブル金沢ミュージック・パートナーなどに就任するなど、今や世界で活躍をするマエストロ、山田和樹(東京混声合唱団レジデンシャル・コンダクター)が武満徹の全合唱曲に挑みます。武満の音楽を愛した岩城宏之の意志を継ごうとしている山田の指揮による新しい武満サウンドを是非お楽しみください。


■混声合唱のための うた/武満 徹

 むかし作曲した歌を、合唱のために編んでみたいと思ったのは、田中信昭氏の示唆による。数年前、日本音楽家代表団に加わって中国を訪れた際、われわれを歓迎してうたわれる「さくら」や「ソーラン節」の合唱が、大陸の空の下でうたわれたからということばかりではなく懐かしく聴こえ、素朴だが、そこに豊かなうたが溢れていることに、皆一様に感激したのだった。その折り、田中氏が、そういえばうち(東京混声合唱団)には「さくら」が無かったな、と言われるのを耳にし、上気した気分も手伝って、帰国したら早速編曲しましょう、と口にしてしまった。

 それから一年経った三月に、電話の向うから、「そろそろ桜の季節ですね」、とアンダンテ・マ・ノン・トロッポで促す田中氏の声が聴こえ、中国での約束を憶い出し、自分の軽卒さが悔まれたが、それでも、かろうじて約束を果した。東京混声合唱団がうたう「さくら」を聴いて、合唱は面白いものだと思い、またもや田中氏の誘いにのせられて、それに合唱法の勉強にもなればと考え、(田中氏が指揮する)定期演奏会にアンコール用の小品を書くことにした。それが、このアルバムに収められたうたである。

 どのうたも随分前に作曲したものばかりで、なかには鼻白らむようなものもなくはないが、それぞれにエチュードのような趣向をこらして編曲してみた。

 このアルバムのなかでは秋山邦晴作詩の「さようなら」が最も古く、民間放送が開局して間もない新日本放送(現在の毎日放送)の「朝の歌」のために作曲したのだから、三十年も昔のことになる。次が「小さな部屋で」だが、川路明の作詩は、物があり余っている今日では実感が湧かないが、当時は、かなり切実な内容であった。1960 年の反安保集会のために作曲した「死んだ男の残したものは」は、私のうたとしては、珍しく、多くの歌手によってうたわれ、またこのうたの林光氏の名編曲は多くの合唱団によってうたいつがれている。もっとも新しいうたは井沢満作詩の「島へ」で、昨年のNHKテレヴィ・ドラマの挿入歌として作曲された。「○と△の歌」は、1960 年に製作された羽仁進監督の映画『不良少年』のなかでうたわれている。

 どのうたにも忘れがたい思い出がある。甘く、いくらか感傷的なうたばかりだが、未熟なりに、率直な表現ではある。編曲をおえて、アマチュア合唱団が楽しげにうたうのを聴いていると、うたは既に私の手から離れて、小さな翼でけなげに飛び去ってゆく。私の意図とは別の風景の中で、うたごえが谺する。作、編曲者としてはこれに勝る歓びはない。

(ビクターCD 「日本合唱曲全集・武満徹作品集」解説書より転載)
主催:企業組合 東京混声合唱団
共催:NPO法人トリトン・アーツ・ネットワーク/ 第一生命ホール
助成:公益財団法人 ローム ミュージック ファンデーション
協賛:ショット・ミュージック株式会社
協力:株式会社オクタヴィア・レコード