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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

アウトリーチ

4年生はじめてのクラシック
 鵜木絵里(ソプラノ)
 萩原潤 (バリトン)
 松本康子(ピアノ)

中央区立晴海西小学校

基本情報

日時 2025年7月11日(金) 45分間(2クラス、3クラスに分けて)
出演 鵜木絵里(ソプラノ)       
萩原潤 (バリトン)
松本康子(ピアノ)
概要 対象者:4年生 
人数:148名

助成:文化庁文化芸術振興費補助金(地域の中核劇場・音楽堂等活性化事業)│独立行政法人日本芸術文化振興会



レポート

【プログラム】
♪中田喜直:夏の思い出
♪海沼実:みかんの花咲く丘
♪山田耕筰:待ちぼうけ
♪モーツァルト:モテット『踊れ、喜べ、幸いなる魂よ』より「アレルヤ」
♪シューベルト:魔王
♪A. メンケン:『リトル・マーメイド』より「パート・オブ・ユア・ワールド」
♪モーツァルト:歌劇『魔笛』より  
 ・パパゲーノのアリア「おいらは鳥刺し」  
 ・パパゲーノとパパゲーナの二重唱「パ・パ・パ」
♪ 晴海西小学校校歌  


【レポート】

 昨春、東京オリンピック・パラリンピックの選手村跡地に開校した晴海西小学校で、4年生5クラスの児童を対象に、歌のアウトリーチコンサートをお届けしました。
 まず演奏されたのは、「夏の思い出」の二重唱。自然の情景を映し出す松本康子さんのピアノに、鵜木絵里さんの透明感あふれるソプラノ、そしてバリトン・萩原潤さんの深くあたたかい声が重なります。子どもたちは驚きとともに耳を傾け、あっという間に歌の世界に惹きこまれている様子でした。IMG_8926.JPG 鵜木さんのソロ曲「みかんの花咲く丘」では、歌詞の背景を語りながら、「皆さんの頭の中に画用紙を用意して、イメージを膨らませて絵を描きながら聴いてみてね」と語りかけます。演奏が進むにつれ、お母さんとの思い出、そして丘の上から眺める青い海の景色が教室に広がっていくようでした。
 次の、モーツァルト作曲「アレルヤ」は、歌詞が“アレルヤ”のみ。神様へ「万歳!」と伝える喜びの言葉「アレルヤ」が、多彩な音型によって表現され、次々と変化していきます。声がコロコロと転がるフレーズ、高く輝く声の響き、何度も繰り返し歌われる「アレルヤ」の表現が変化していく様、子どもたちはそれぞれの聴き方で演奏を楽しんでいる様子でした。IMG_8930.JPG 萩原さんは、山田耕筰作曲「待ちぼうけ」や、シューベルトの「魔王」などの歌曲を披露。「魔王」はドイツ語による歌唱でしたが、物語の内容が丁寧に説明され、演奏スタート。松本さんの鬼気迫るピアノ、そして萩原さんは圧倒的な歌唱で時には空気をびりびりと響かせながら、なだめる父、恐怖におびえる子ども、誘惑する魔王を演じ分け、演奏が進むにつれ、教室中が歌曲の世界に惹きこまれていました。演奏が終わると、子どもたちは、ほっと緊張が解けたのか隣り同士顔を見合わせ「怖かった!」「すごかった!」と興奮気味に感想を語り合う場面もありました。IMG_8968.JPG 終盤には、モーツァルトの才能が結晶した歌劇『魔笛』の中から一場面を。4年生の教科書にも出てくる二重唱「パ・パ・パ」を、授業で映像を観ていた子どもたちは、生演奏で聴けることを楽しみにしてくれていたそうです。パパゲーノとパパゲーナが出会った喜び、愛が詰まった、幸せで、とてつもなく美しい曲に、子どもたちは、口元をほころばせ目を輝かせながら聴き入っていました。IMG_9005.JPG 最後は、晴海西小学校の校歌を子どもたちが歌い、出演者の3人からアドバイス。今日のアウトリーチコンサートで、声楽家のお二人がさまざまな表現を使い分け、豊かな心情や風景、物語も伝える演奏に触れた子どもたち。歌詞を味わいながら自分たちの声で表現すること、声を美しく響かせて伝えようとすること、何よりも喜びにあふれ歌う姿が印象的でした。

(トリトンアーツ スタッフ)

【子どもたちのアンケートより抜粋】

●声がすごく響いて体の中まで響いて聞き心地もすごくよかった。
●歌を聞いているうちに、歌の中に入った気がしました。例えば「魔王」は、私も馬車に乗って魔王に話かけられている気がしました。
●歌っている時の声がきれいで、歌の中の感じに合わせて、表情や声の高さを変えていたので、曲の感じを想像しながら音楽を楽しめた。楽しい感じの曲の時は、声が明るいと思った。
●歌っている情景が思い浮かべられて、まるで歌っている場所や時に、その場にいるかのようで、とても楽しかった。
●自分もこんな高い声を出せる人になってみたいなと思った。
●音楽はどんな聞き方でもいいんだよと言われて、もっといろんな聞き方で音楽を楽しみたいです。
●音楽が苦手だったけれど、今回のコンサートを聞いて、少し好きになりました。
●笑いながら歌うと元気が出て、みんなが晴れわたる心になったことを発見しました。

プロフィール

鵜木 絵里 うのき えり / ソプラノ  
東京藝術大学卒業。同大学院オペラ科及び二期会オペラスタジオ修了。イタリア政府給費生としてミラノ市立音楽学校に留学。イタリア・オルヴィエート国際コンクール第2位。マンチネッリ劇場『ファルスタッフ』ナンネッタ、パルコ劇場『キャンディード』クネゴンデ、二期会『コジ・ファン・トゥッテ』(06 年度文化庁芸術祭大賞受賞) デスピーナ、新国立劇場『魔笛』パパゲーナ、神奈川県民ホール及び日生劇場『ヘンゼルとグレーテル』グレーテル、第一生命ホール「室内楽ホールdeオペラ」シリーズ、音楽と絵本コンサート『おまえうまそうだな』等の他、テレビ朝日「題名のない音楽会21」、NHK-Eテレ「シャキーン」等メディアにも多数出演。親子向けコンサートでも定評があり、全国各地でアウトリーチやコンサートを展開、幅広く活躍している。“MOZART SINGERS JAPAN”CD《コジ・ファン・トゥッテ》《フィガロの結婚》《バスティアンとバスティエンヌ》リリース。ソニー音楽財団こどものためのクラシック登録アーティスト。桐朋学園大学、洗足学園音楽大学非常勤講師。二期会会員。
©深谷義宣aura.Y2
萩原 潤 はぎわら じゅん / バリトン  
東京藝術大学声楽科卒業、同大学院オペラ研究科修了。文化庁在外派遣研修員としてベルリンへ留学。ベルリン・ハンス・アイスラー音楽大学大学院に入学し、最優秀の成績で同大学院を修了。ラインスベルク音楽祭『セヴィリアの理髪師』フィガロで絶賛された他、同年のブランデンブルク劇場『クセルクセス』アリオダーテ、前年に引き続き出演したラインスベルク音楽祭及びバーデンバーデンでの、マスネ『ウェルテル』アルベール等、ドイツを中心にヨーロッパ各地で活躍。国内では、二期会公演『フィガロの結婚』、『こうもり』、新国立歌劇場公演『トゥーランドット』、『魔笛』、『ラ・ボエーム』などに出演。2003年五島記念文化財団オペラ新人賞受賞。『マタイ受難曲』、『カルミナ・ブラーナ』、『ドイツレクイエム』などの数多くのコンサートでソリストを努める。二期会会員。
松本 康子 まつもと やすこ / ピアノ  
桐朋学園大学卒業後、同校アンサンブル・ディプロマコース修了。各地でのコンサート活動に加え、音楽スタッフ、本番オーケストラでのピアニストとして多数のオペラ公演に携わっている。録音CDとして 「Voices」Ⅰ~Ⅳ(メゾソプラノ・郡愛子)、ビクター「近代歌曲選集」の他、オカリナ・麻生圭子との「一日の終わりに」は東日本大震災復興支援「いい音楽とどけようプロジェクト」に選ばれる。編曲に携わった教本「誰でもすぐ弾けるピアノ伴奏⒈2.」(kmp出版)、同タイトルCD/DVD(キングレコード)も好評発売中。桐朋学園大学嘱託演奏員。日本オペラ協会正会員。日本オペラ振興会育成部ピアニスト、二期会オペラ研修所ピアニスト。