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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 2019年6月28日(金)
〇箏体験 ①10:40-11:25
     ②11:30-12:15
〇ミニコンサート 13:25-14:10
出演 日本音楽集団 
米澤浩(尺八) 熊沢栄利子(箏)
概要 実施会場:江東区立有明小学校 ランチルーム
対象者:小学4年生2クラス
人数:合計42名
助成等:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会

レポート

【プログラム】

■お箏体験(45分間)

■ミニコンサート(45分間)

♪「HAYAOパラフレーズ」(編曲:米澤浩・熊沢栄利子)
♪六段の調(八橋検校)
♪鹿の遠音(古典本曲)
♪春の海(宮城道雄)
♪双魚譜 4章(吉松隆)


【レポート】

日本音楽集団の米澤さん(尺八)と熊澤さん(筝)と一緒に有明小学校に伺いました。

午前中は、クラスごとにお琴の体験ワークショップです。

お琴の前に、ふたり一組になった子どもたちが座ります。事前に選んでおいた爪を右手の親指、人差し指、中指につけて準備完了。

★IMG_0698.JPGのサムネイル画像早速、熊澤さんから、お琴の弾き方やポイントを教えてもらうと、米澤さんからは、「今日はふたり一組で協力して、クラスみんなでリレーのように演奏します。」と説明がありました。「リレー?」と疑問に思った子どもが多かった様子、その答えは徐々に分かります。

ふたり一組は、Aさん、Bさんに分かれ、交互に演奏します。お琴の楽譜は、ほとんどが漢数字でかかれていて、その番号の弦をはじいて演奏します。子どもたちは、初めて見る楽譜と弦を交互に見る事に四苦八苦。そんな時、米澤さんが、「このペアは、弾いていないお友達が、次は何番だよって教えてあげているよ。協力して演奏する事はとっても良い事だね。」と伝えると、みんなも番号を読み上げてあげたり、楽譜を指差してあげたりと協力して、どんどん上達していきます。

曲は、Aさんの後に続けて、Bさんが、そして、またAさんに交代と、リレーのように、次の友達に演奏のバトンを渡していくのです。Bさんの最後のパートまで進みました。すると、カッコの中に漢数字の1と3が書かれています。今までにはなかった書き方です。

★IMG_0712.JPGのサムネイル画像のサムネイル画像この音はどのように弾くか、みんなに考えてもらいました。「1と3を同時に弾く」または、それに近い答えがほとんどで、正解はでませんでした。

そこは“爪で弾かない”という指示ですと説明がありましたが、右手には爪があります。すると米澤さんから、左手があるよねと。左手で1と3、2つの弦をつまみ、はじく事を教えてもらいました。これは、交互に全員が体験してみましたが、意外と難しかったようです。

次は、最後までリレーのように弾いてみることになりました。

ふたりが交代しながら演奏を続け、最後の左手ではじく音が、ビュンときまると、子どもたちの真剣だった顔が自然と自信にみちた笑顔になりました。

午後は、ふたクラス一緒に、ミニコンサートを聴きました。

楽器や作品の歴史的背景を、西洋音楽も交えた説明とあわせて、先程教えてもらった筝を演奏家が弾くと、どのように違うのかを聴いてみました。米澤さんの尺八が、鹿の鳴き声を表していたり、熊澤さんの筝は、寄せては返す波の音だったり、情景を思い浮かべながらの鑑賞になりました。

日常生活では、見る事も聴く事も少なくなった邦楽器に触れ、日本文化の一端を感じてもらえたアウトリーチでした。

( トリトンアーツスタッフ 観察レポートより )

プロフィール

日本音楽集団(邦楽アンサンブル)  Pro Musica Nipponia
1964年創立。伝統的な日本の楽器である、箏・尺八・三味線・琵琶・胡弓・笛、小鼓・太鼓などの打楽器、笙・篳篥などの雅楽器による和楽器オーケストラです。和楽器数十名と指揮者による大合奏は迫力満点です。
現在では、定期演奏会を中心に、全国各地での公演、教育機関での音楽鑑賞会、録音・放送・映画・演劇などさまざまな分野で演奏活動を行っています。
海外では、ヨーロッパ、アメリカ、ロシア、中国、東南アジア、オーストラリア等、31ヵ国151都市で公演を実施。アイザック・スターン、ヨー・ヨー・マや、ゲヴァントハウス・オーケストラ、ニューヨークフィルとの共演を実現、海外でも高い評価を得ています。
文化庁芸術祭大賞、第2回音楽之友社賞、レミー・マタン音楽賞、モービル音楽賞など、受賞履歴多数。
http://www.promusica.or.jp
米澤浩(尺八)  Yonezawa Hiroshi
宮田耕八朗氏に師事。78年日本音楽集団入団。 内外のオーケストラとの共演経験も多く、現在に至るまで200公演以上の海外実績を持つ。コンサート活動の他、演劇・放送音楽、市民文化講座やワークショップ、専門的な講習会の講師も務めるなど活動の幅は広い。2001年より箏の熊沢栄利子と開始した海外ツアーは、欧州・中米等14カ国で70公演を越える。
現在、尺八トリオ《575》メンバー、日本音楽集団団員、 (財)地域創造邦楽地域活性化事業コーディネーター、《島根邦楽集団》顧問。
HP http://yonezawa.art.coocan.jp
FB https://www.facebook.com/Yonezawa.Kumazawa.Inst
熊沢栄利子(箏)  Kumazawa Eriko
砂崎知子氏に師事。NHK邦楽技能者育成会卒。1978年日本音楽集団入団。81年NHKオーディション合格。2001年から尺八の米澤浩と開始した海外ツアーは、欧州・中米等14カ国で70公演を越える他、韓国のソウル国立国楽管絃楽団・大邱市立国楽管絃楽団とコンチェルトで共演するなど、東西を問わず活動の場は広い。 又、2006年に箏体験ワークショップ《YKプログラム》を考案し、邦楽器の体験普及にも尽力している。
現在、日本音楽集団団員、《島根邦楽集団》顧問、生田流宮城社教師。
HP http://zipangu.com/kumazawa
FB https://www.facebook.com/Yonezawa.Kumazawa.Inst