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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 2018年11月27日(火)
0~3歳(25分間)/4・5歳(30分間)
出演 鈴木絵由子(ヴァイオリン) 加藤美菜子(ヴァイオリン、ヴィオラ) 韮澤有(チェロ) 佐々木大輔(コントラバス)
概要 実施会場:文化教養学園 すみれ組の部屋
対象者:0~5歳の園児
人数:124名

レポート

【プログラム】

■0~3歳(25分間)
・シューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」より 第4楽章
・楽器紹介
・ロッシーニ:弦楽のためのソナタ第6番より 第1楽章
・アンダーソン:プリンク・プランク・プルンク
・アンダーソン:そりすべり
・ロペス : レット・イット・ゴー
・ロッシーニ:弦楽のためのソナタ第6番より 第3楽章

■4・5歳(30分間)
・シューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」より 第4楽章
・楽器紹介
・バルトーク:44の二重奏曲より 第14番 クッション・ダンス
・ロッシーニ:チェロとコントラバスのための二重奏曲より 第1楽章
・ロッシーニ:弦楽のためのソナタ第6番より 第1楽章
・アンダーソン:プリンク・プランク・プルンク
・ドビュッシー:月の光
・アンダーソン:そりすべり
・ロペス : レット・イット・ゴー
・ロッシーニ:弦楽のためのソナタ第6番より 第3楽章


【レポート】

■シューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」より 第4楽章
ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスの編成よる演奏が始まると一瞬にして静かになり、美しいメロディを静かに聴き入っていました。

この園では4歳から園児が全員ヴァイオリンを演奏しているためか、常日頃から音楽空間に包まれて音楽に慣れ親しんでいるようでした。

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■バルトーク:44の二重奏曲より 第14番 クッション・ダンス
ヴァイオリン2挺での演奏。子どもたちはヴァイオリンの掛け合いとリズム感、そして高低・強弱音の違いを一生懸命に聴いていました。

■ロッシーニ:チェロとコントラバスのための二重奏曲より 第1楽章
佐々木さんが「叔父さんとお爺さんとの会話のような演奏です」と紹介し、演奏されました。本当に中低音と重低音の掛け合いのような響き合う重奏でした。

■ロッシーニ:弦楽のためのソナタ第6番より 第1楽章
とてもリズム感と音域の広がりあり、また同じメロディと順繰りで会話をしているような本当に軽快な演奏でした。

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■アンダーソン:プリンク・プランク・プルンク
弓を置いて指で弾くピチカート奏法の演奏ですが、3歳児もこの奏法を知っているようでした。
演奏はその音色と統一された音、そしてリズムと軽快感にはとても楽しんで聴いていました。
特に途中でコントラバスをくるりと回転させたり、いきなり曇ったラッパの擬音が出たりして皆はとても面白がっていました。
弱音も含めピチカート奏法を本当に楽しんでいました。

■ロペス : レット・イット・ゴー
皆が良く知っている「アナと雪女王」の曲です。
特に4・5歳児では最初は静かに聴いていましたが、メインのメロディが出てくると自然に皆で大合唱が起こり、演奏の方も園児達も一層盛り上がっていきました。

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■ロッシーニ:弦楽のためのソナタ第6番より 第3楽章
「嵐の様子が表現されている」と紹介がありました。
特に雨の降り始めのヴァイオリン2挺での演奏は素晴らしい音色の重奏で、そしてチェロが加わり段々雨風強くなり、さらにコントラバスの重低音が追随で嵐の様子をリズム感と強弱音とメロディで充分に表現し伝えていました。
そしてまた徐々に最初のメロデイーに戻り嵐が去っていく様子を充分感じることのできる演奏でした。

演奏者のヴァイオリン演奏に合わせて、エアーで弦を押さえ指先と弓の動きを真似したりしている女の子もいました。
弦楽重奏による素晴らしい表現力が児童に充分に伝わっているようでした。

■コンサートの最後には、4歳児、5歳児によるヴァイオリンの演奏を披露してくれました。

【全体を通して】

・4歳児から全員にヴァイオリン演奏教育を実施しているので、音楽に対する意識が高いことが年齢に関係なく園児達の聴く態度や知識から見てよく分かりました。

・今回のプログラムは児童達が弦楽器の音色と響きに触れること出来るだけでなく、みんなで歌ってコンサートに参加し、さらに日頃学んで練習しているヴァイオリンを立奏で発表できとても良いアウトリーチコンサートであったと思います。

・今回の演奏を聴いて弦楽器はただ弓と弦を擦ってだけでなく、色々な奏法や器具を使っての多様な演奏と他の弦楽器との重奏から繰り出される素晴らしい表現力を持つことを、園児達も知ることが出来たと思います。

(サポーター 柴崎 康久 観察レポートより)

プロフィール

鈴木 絵由子  Suzuki Eyuko(ヴァイオリン)
3歳よりヴァイオリンを始める。 桐朋女子高等学校音楽科を経て桐朋学園大学音楽学部卒業。第13回アジアクラシック音楽コンサート金賞受賞。第6回日本アンサンブルコンクール室内楽部門優秀演奏者賞(最高位)受賞。第6回大阪国際音楽コンクール デュオ・アンサンブル部門第1位とグランドファイナルにてラヴェル賞受賞。
加藤美菜子  Katou Minako(ヴァイオリン、ヴィオラ)
東京音楽大学卒業、同大学院修了。2013年、2014年と勉強のため夏は渡仏、Fugato academy festival 2013にて第3位入賞。弦楽アンサンブル「まちかど室内楽団」コンサートマスターとして埼玉県で、ピアノトリオ「浅間山重奏」として長野県で活動中。東京室内管弦楽団ヴァイオリン奏者。
韮澤有  Nirasawa Yu(チェロ)
桐朋学園大学音楽学部卒業。同大学院大学修士過程修了。 桐朋オーケストラ・アカデミー研修過程を修了。第11回札幌ジュニアチェロコンクール奨励賞受賞。これまでに4回のソロリサイタルを開催するなど自身の活動を続ける傍ら、室内楽やオーケストラ等様々な編成で演奏活動を行う。チェロをこれまでにヴァーツラフ・アダミーラ、倉田澄子、岩崎洸の各氏に師事。室内楽を岩崎淑、藤井一興、藤原濱雄、等各氏に師事。
佐々木大輔  Sasaki Daisuke(コントラバス)
16歳よりコントラバスを始める。東京藝術大学器楽科卒業後に渡米、アメリカフロリダ州リン大学にてディプロマコース修了。PMF、サイトウキネンフェスティバル松本、別府アルゲリッチ音楽祭などに参加。これまでに信田尚三、永島義男、山本修、西田直文、石川滋の各氏に師事。現在フリー奏者としてオーケストラ、室内楽、ソロ、スタジオレコーディングなど様々な活動をしている。バッハのゴルドベルク変奏曲を清水靖晃&サキソフォネッツと共演したCD「ゴルドベルク ヴァリエーションズ」が発売中。