トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 2018年7月3日(火)
年中クラス49名  9:15~9:45  年中(30分間)
年少クラス42名 10:00~10:20 年少(20分間)
年長クラス33名 10:40~11:10 年長(30分間)
出演 弦楽四重奏
[今高 友香/北見 春菜(ヴァイオリン) 岩下 恵美(ヴィオラ) 福原 明音(チェロ)]
概要 実施会場:日本橋幼稚園
対象者:年少~年長
人数:124名

プロフィール

今高友香  Imataka Yuka(ヴァイオリン)
桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学音楽学部卒業。現在同大学院音楽研究科修士課程1年在籍。第64回全日本学生音楽コンクール東京大会第2位。第16回大阪国際音楽コンクールリサイタルコース第2位。第20回日本モーツァルトコンクール奨励賞。第17回平和堂財団芸術奨励賞受賞。第36回草津国際音楽アカデミー音楽監督賞受賞。サントリーホール室内楽アカデミー第4期生。
北見春菜  Kitami Haruna(ヴァイオリン)
桐朋学園大学音楽学部卒業、同大学研究生及び桐朋オーケストラ・アカデミー研修課程生修了。小澤征爾音楽塾、サイトウ・キネン・フェスティバル 松本「子どものための音楽会」「青少年のためのオペラ」出演。認定NPO法人 トリトン・アーツ・ネットワーク「2012年度 室内楽アウトリーチセミナー」受講。第一生命ホール「オープンハウス」「ロビーでよちよちコンサート」出演。サントリーホール室内楽アカデミー第1期生、第2期生修了。「オープンハウス~サントリーホールで遊ぼう!」「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」出演。横浜市栄区民文化センターリリス・レジデンス・アーティスト。
岩下恵美  Iwashita Emi(ヴィオラ)
桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学を卒業。第59回東京国際芸術協会新人演奏会オーディションにて合格し新人演奏会に出演。ジュニアフィルハーモニックオーケストラを卒団。別府アルゲリッチ音楽祭、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンにオーケストラメンバーで出演。これまでにヴァイオリンを久保良治、玉井菜採、小林すぎ野、ヴィオラを江戸純子、佐々木亮、各氏に師事。現在桐朋オーケストラアカデミーに在籍し、室内楽やオーケストラを中心に活動中。
福原明音  Fukuhara Akane(チェロ)
桐朋学園大学音楽学部チェロ専攻卒業。同大学研究科修了。
2001-02年ドイツ、ハノーファーに滞在中deutscher musikrat jugend musizirt室内楽部門第1位受賞。第32回鹿児島県高等音楽コンクール金賞、並びに最優秀賞を受賞。第59回南日本音楽コンクール弦楽部門優秀賞及び、準グランプリ受賞。 2012-13年いしかわミュージックにてジャン・ワン氏のマスタークラス受講。洗足学園音楽大学演奏補助要員。

レポート

【プログラム】

♪チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」より「花のワルツ」
~楽器の紹介~
♪ドビュッシー:弦楽四重奏曲より第2楽章
♪ヴィヴァルディ:「四季」より「春」 より第1楽章
♪モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番「狩」より第1楽章
~みんなで歌いましょう~
「たなばたさま」「日本橋幼稚園園歌」


【レポート】

■演奏家が児童の後方より登場。児童達は期待に眼を輝かしていました

初めの曲目は<チャイコフスキー:花のワルツ>
綺麗で軽快な旋律が弦楽四重奏で奏でられ園児達は一生懸命に聴いていました。旋律について尋ねられると、各クラスとも多数の園児達が「知っている」と挙手していました。

■演奏家の名前の紹介に続き、各楽器の紹介

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各クラスともヴァイオリンは一番良く知っていましたが、ヴィオラはギターだと思う児童が多く、全く知られていませんでした。最後にチェロについては半々ぐらいがチェロもしくはギターと答えたのが意外でした。そこでヴィヴァルディの「春」の中から同一の旋律を各楽器で演奏しながら、楽器の大きさと奏でる音の違いを教えました。

■(年中クラスと年長クラスのみ)弦楽器は弓で弦を擦るだけでなく、指先で弦を弾いても演奏できることを話して、ピチカート奏法の入った<ドビュッシー:弦楽四重奏曲より第二楽章>を演奏しました

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ピチカート奏法に児童達は興味津々で、軽快なリズム感に、音の強弱や高低、奏法の違いが演奏で良く分かったと思います。非常に近い距離の演奏でのため、この演奏中最前列の一部の児童が高音に耳を塞ぐことも見られました。一方、一部の児童が「ギターみたいな弾き方と音」とも言っていました。

■次に<ヴィヴァルディ:四季より「春」>で鳥の鳴き声を表わしている部分をヴァイオリンとヴィオラで演奏し、途中から児童達の席の正面に第一ヴァイオリン、両サイドの第二ヴァイオリンとヴィオラに分かれて立体的に鳴き声が分かりやすいよう奏でられました

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その後「何の動物の鳴き声が聞こえましたか」と児童たちに尋ねた所、「ウサギ」「猫」等の答えが多かったですが、最後に「鳥」の答えが出ました。

続いて「嵐」の部分でチェロも演奏に加わりました。その大きな音と弓を激しく寸断なく擦る演奏に吃驚するとともにチェロの大きな低音に耳を塞ぐ一部の児童を見られました。

この後、これらの部分の入った第一楽章(カットヴァージョン)を演奏すると、それぞれ児童達は演奏を聴いて感じるままを自然に体で表現し始めました。 この辺から児童達も演奏にだいぶ慣れてきた様子で、静かに聴いている児童もいましたが、(年中クラスでは)女の子はリズムに合わせて両指と腕で調子に合わせて空中でピアノの鍵盤を演奏しているかのような様子を見せたり、(年長クラスでは)弓を激しく寸断なく動かすことを真似る男の子、チェロの音に合わせて両手で拳を前へ突き出す男の子もいたり様々な表現方法で音楽を楽しんでいました。

児童達が演奏を聴いて自主的にそれぞれの方法で、自由に体で表現するのは、素晴らしい光景でした。我々は演奏の感じを頭と活字でしか表現できず、体一杯での表現はしがたいものです。

■<モーツァルト:弦楽四重奏曲「狩」より第一楽章>の曲中のモチーフを取り出し、演奏者間のアイコンタクトや楽器の音色の引継ぎ等、演奏での会話の重要性を教えました

先ず、今高さんと岩下さんとの会話(おしゃべり)の寸劇を見せてから、それをヴァイオリンとヴィオラとでの掛け合いで奏でました。

その後、この楽章の最後に出てくる四人での対話の部分を演奏しました。 チェロも入るので音域が広がった演奏ですが、この一連の導入方法では演奏中の会話について園児達には分かり難かったかもしれません。この点は今後工夫が必要だと思います。

そして、第一楽章(カットヴァージョン)を通して演奏しました。途中で集中を欠く児童も多少いましたが、全体的には一生懸命聴いていました。弦楽四重奏には各演奏家の協調性が重要ですので、各演奏家間の演奏上の会話は大切な要素です。演奏家の方々は演奏によってこの本質を伝えたかったのだと思います。

■最後に、園児全員起立し弦楽四演奏で「たなばたさま」を元気に歌いました

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さらに「園歌」を三番まで大きな声で精一杯、一層懸命を歌いました。三番の歌詞の「ゴーゴー」の時にはまた男の子は歌いながら両手の拳を前へ突き出していました。園児達は弦楽四重奏の伴奏で歌うのは初めてでしょうし、いつもピアノ伴奏とは違いその豊かな音色と響きともに園児達も楽しく張りきって歌っていました。

■終演後、笑顔の園児達から「また来てね!」のコールが起こりました。

これが最も多く起こったのは年中クラスでした。


【全体を通して】

日頃コンサートへ足を運ぶ機会が少ない児童達や保護者の方々にとって、弦楽四重奏を構成する個々の楽器の特色や違いを知ることができて、それらの楽器が一つに纏まって音域の広がりのある素晴らしい演奏を聴くことができたアウトリーチだったと思います。

(サポーター柴崎康久 観察レポートより)