
日時 |
2016年12月19日10:35~11:20/11:25~12:10/13:25~14:10 2016年12月20日10:35~11:20/11:25~12:10/13:25~14:10 |
---|---|
出演 |
日本音楽集団 米澤浩(尺八)、熊沢栄利子(箏) |
概要 |
実施会場:江東区立豊洲小学校 体育館 対象者:小学4年生5クラス 人数:合計178名(1組35名/2組35名/3組36名/4組36名/5組36名) |
今回のアウトリーチは箏の体験と箏と尺八のミニコンサートでした。レクチャーをしたのは日本音楽集団の米澤浩さんと熊沢栄利子さん。お二人の説明は大切なポイントがとてもわかりやすく、子どもたちは終始釘付けの様子でした。
箏体験では、初めて箏を触る小学4年生が、『さくら』の旋律を45分間のうちに演奏できるようになるといったもの。私もこの曲を授業で習いましたが、中学1年生の時に数回に分けて習得した曲だったので、少し難しいのではないかと思いましたが、子どもたちはみるみるうちに上達し、最後には正しい弾き方で演奏できるようになっていました。小学4年生でも教え方次第でしっかりと習得ができるのだなと驚きました。
この授業の鍵を握っているのはペアワークでした。
『さくらリレー』という曲は、さくらさくらを2つのチームに分けて演奏するようになっています。また1つの箏に二人がつき、二人は交互に演奏します。
このようにペアで演奏をするのには理由がありました。それは演奏していない人が演奏している人を見て、できていない事柄を教えたり、楽譜を声に出して読んであげたりして、演奏の手助けをするためです。また、演奏していない人もしっかりペアの人の演奏を聴くことで、自分の順番が来た時にすぐに演奏ができるようになるという長所もあります。
そのほかにもモニターを用いて手元をみんなにみえるようにしたり、楽譜の読み方をクイズを交えて考えてもらったり、たくさんの工夫が凝らしてあり、とても優れたアウトリーチプログラムだと思いました。
ミニコンサートでは「六段の調べ(八橋検校)」「鹿の遠音(古典本曲)」等の古典曲や、現代曲「双魚譜 4章(吉松隆)」だけでなくポピュラー音楽の曲も演奏されました。知っている曲があると「あっ!」と隣の人に興奮気味に伝えたり、小さな声で歌ったりと、とても素直な反応が見られました。また音の変化にも繊細に反応していて、会場の空気が動いたのを感じました。「子どもには分からない」ということは決してなく、むしろとても素直な反応を示していて、子どもの時に本物を見せるということはとても意義のあることだと思いました。
邦楽器は馴染みにくいという世論が大きい中で、子どもたちは見たことがないからこそ釘付けになっていたように思います。また子どもたちが一番最初に筝の音を鳴らした時に「あ!筝だ!すごい!」という声を上げた時に、私は、邦楽器かクラシックの楽器かを意識しているのは私たちの社会でのことだということに気がつきました。今回のアウトリーチをきっかけに子どもたちが邦楽に親しみを持ってくれたら嬉しいなと思いました。
(インターン 西江美月)