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2016年10月21日 箏の演奏体験 10:40~11:25/11:30~12:15 ミニコンサート 13:30~14:15 |
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出演 |
日本音楽集団 米澤浩(尺八)、熊沢栄利子(箏) |
概要 |
実施会場:江東区立第五大島小学校多目的室 対象者:小学5年生2クラス 人数:合計57名(1組28名/2組28名/都立東高校・外国語指導教員(留学生)1名) |
最寄りの駅から小学校までは、ご近所の会話も聞こえてきそうな下町の風情が色濃く残る雰囲気。今回初めてアウトリーチでお伺いした江東区立第五大島小学校は、そんな人情味あふれる地域で育っている生徒さんたちが通っています。さぁ、どんなアウトリーチになるのか、楽しみ!
今回は、5年生の2クラスがお箏の演奏体験。先生は、日本音楽集団の尺八奏者・米澤浩さんと箏奏者の熊沢栄利子さんです。
自分の指にあった爪をはめて、二人ペアでお箏の前に座ると、
「45分間で『さくらさくら』を弾けるようにします」と先生に言われ、みんな「えーっ、絶対ムリーッ!」。
でも、米澤先生と熊沢先生が、お箏を演奏するときの姿勢、楽譜の読み方、そして、きれいな音を出すためのコツなど、基本から丁寧に教えてくださり、みんなもがんばってついていきました。
お箏の楽譜は国語の教科書のように縦書きで右から読んでいきます。一から十までは絃の番号ですが、十一番目は「斗(と)」、十二番目は「為(い)」、十三番目は「巾(きん)」。十一番目以降は番号ではなく、それぞれ名前がついているんですね。
爪で絃をはじいてみると、
「あっ、鳴った!」とニッコリ。
さぁ、さっそく課題曲『さくらさくら』を演奏します。
ゆっくり演奏していても、楽譜を見ながら演奏するのって、とっても難しい。そこで、ペアになっている相手の子が次に弾く絃を教えてあげたりして、協力しながら演奏していきます。
一つのフレーズを弾いたら、次のフレーズを別の子が演奏して、まるでリレーのバトンを次の人にわたすように『さくらさくら』を全員で演奏します。ちゃんと一曲演奏するためには、自分の役割を果たしてみんなで協力し合わないとできないのです。油断していると、自分の演奏パートが始まっちゃう!
最初のうちは音が鳴るだけで楽しかったけど、だんだん、自分の音と先生の音では、何かが違うのに気付いてきました。どうやったら先生みたいにきれいな音がでるのかな?先生の演奏をじっと見たり、何度も絃をはじいて練習してみたり。すると、だんだんきれいな音が鳴るようになってきました。子どもたちの観察力や探究心は素晴らしいですね!
あっという間にお箏体験の時間が過ぎ、うまくできた子、できなかった子も様々でしたが、みんなで協力して曲を通しで演奏することができるようになりました!みんなよくがんばったね!
そして、給食を食べた後は、米澤先生、熊沢先生によるミニコンサートです。
部屋に入ってきた子どもたちは、すぐに、二十絃のお箏を見つけて、「あれっ、絃の数が違う!」と気づきました。ついさっき自分たちが演奏した楽器との違いを即座に見つけて、楽器への関心が高まっていることがわかります。二十絃のお箏は、西洋の音階にあわせて改良されたものなんですって。そういった、お箏や尺八の歴史から、自然の波の音を表現した「春の海」、魚座の伝説をモチーフにした「双魚譜」など、説明を交えた素晴らしい演奏に、前のめりになりながら、みんな真剣に聴き入っていました。
初めての楽器に、最初は「絶対ムリ!」と言っていたけど、実際に演奏体験をしていくうちに段々できるようになり、挑戦することの楽しさを感じてくれた子もいたと思います。そして、その後のミニコンサートでは、まるで子どもたちが全ての音を吸い込んでしまうように真剣な眼差しで聴いていて、びっくりしました。
このお箏体験が、今後いろんな事に挑戦していくきっかけになればいいなぁと思います。
(トリトンアーツ・スタッフ)