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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

アウトリーチ
室内楽アウトリーチセミナー
室内楽アウトリーチセミナー

基本情報

日時 2016年1月15日(金)10:35~11:20/11:25~12:10
出演 松原勝也/羽子岡智美(ヴァイオリン) 市川友佳子(ヴィオラ) 和泉景子(チェロ)
概要 実施会場:中央区立日本橋小学校 音楽室
対象者:4年生
人数:4年生50名
助成等:中央区文化・国際交流振興協会
文化庁 平成27年度「劇場・音楽堂活性化事業」

レポート

「室内楽アウトリーチセミナー」の2回目のアウトリーチは日本橋小学校の4年生2クラスが対象でした。プログラムは前回の阪本小学校と同じですが、学校のリクエストで「威風堂々」を授業で学んでいるということで、ベートーヴェンの「よろこびのうた」の代わりに演奏をしました。

<プログラム構成>

ハーモニーを聴いてみよう
♪ベートーヴェン:弦楽四重奏曲「ラズモフスキー第3番」より第1楽章の冒頭
♪自己紹介と楽器のお話

ハーモニーの移り変わりを感じてみよう
♪児童たちに「ラ」の音を歌ってもらい、弦楽四重奏でハーモニーを重ねて実験します
♪エルガー:威風堂々

音楽のおしゃべりを感じてみよう
♪モーツァルト:弦楽四重奏曲「狩」より第1楽章
演奏者がそれぞれ登場人物に成りきっておしゃべりをしているように教室内を動きながら演奏し、その後もう一度今度は座って演奏します

コンサートのように音楽を聴いてみよう
♪ベートーヴェン:弦楽四重奏曲「ラズモフスキー第3番」より第1楽章

最後に日本橋小学校校歌を共演


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12月7日の阪本小学校アウトリーチの後に振り返りを行い、子どもたちに対する話の仕方やモーツァルト「狩り」ではもっと伝わるようにオーバーリアクションにしたほうがよいなどの反省を踏まえて改善をしました。

事前の先生のお話では、男の子たちが少し落ち着かないということでしたが、当日は目の前での演奏ということもあってか興味津々で最後まで集中して聴いてくれている様子でした。


(子どもたちの感想より)
・「ハーモニー」をこんな風にうみだすとは知りませんでした。「おしゃべり」は立って動いてひいているときは楽しくしゃべっているようだったけど、座ってひいている時はちがう曲に思いワルツをおどっているみたいでとてもきれいでした。くふうをしたりすると音楽がもっと楽しくなるということがすごいと思いました。
・わたしはピアノを習っています。いままで曲としてひき聞いていましたが、でも今回、曲をおしばいとして聞くことを習いました。これから楽しんでいこうと思いました。


小学4年生で「和音の違いを感じとる」ということには個人差があるように思いました。聴いたらわかるはずという思い込みで進めていくと置いていかれてしまう子がいることを感じ、より丁寧にフォローをしていく必要があることが分かりました。

アウトリーチはわかる子だけわかればいいということでなく、また、わかりやすくするために子どもに寄ったプログラムにすればよいということでもなく、10歳という年齢の子どもたちに真摯に向き合う難しさを何十年携わっていても感じます。
(トリトンアーツスタッフ)

プロフィール

松原勝也  Matsubara Katsuya(ヴァイオリン)
東京藝術大学在学中に安宅賞受賞。ティボール・ヴァルガ国際コンクール、クライスラー国際コンクール等で上位入賞。1989年~98年新日本フィルハーモニー交響楽団コンサートマスターを務める。ソリストとして新日本フィル、東京フィル、東響などと共演。バッハから現代までを俯瞰的視野でとらえた無伴奏リサイタルシリーズ、山下洋輔、渡辺香津美などジャズミュージシャンとのコラボレーション、新曲初演、武満徹室内楽作品全曲演奏、ベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲演奏など、多彩な演奏活動は高い評価を受けている。2001年よりNPO法人トリトン・アーツ・ネットワーク/第一生命ホール主催の若い演奏家のための弦楽セミナー《アドヴェントセミナー&クリスマスコンサート》を、2011年より《室内楽アウトリーチセミナー》をプロデュース。第17回中島健蔵音楽賞、第55回文化庁芸術祭新人賞受賞。静岡AOIレジデンスクヮルテットメンバー、長崎OMURA室内合奏団アーティステックアドヴァイサー、霧島国際音楽祭講師、東京藝術大学音楽学部教授。
羽子岡智美  Haneoka Tomomi(ヴァイオリン)
5歳よりヴァイオリンを始める。日本クラシック音楽コンクール全国大会入選。全日本ジュニアクラシック音楽コンクール第3位(最高位)。これまでに、イヴリー・ギトリス、ウェルナー・ヒンク、ミハイル・ヴァイマン各氏等のマスタークラスを受講。桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学音楽学部卒業。同研究科在籍。これまでにヴァイオリンを曽根マリ、木野雅之、久保田巧の各氏に、また室内楽を徳永二男、藤原浜雄、北本秀樹、毛利伯郎の各氏に師事。
市川友佳子  Ichikawa Yukako(ヴィオラ)
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、同大学ヴァイオリン専攻卒業。第12回みえ音楽コンクール第1位、併せて岡田文化財団賞受賞。第12回JILA音楽コンクール第3位。第44回浦安シティオーケストラ定期演奏会にてソリストを務める。ヴィオラにおいて、第22回市川市新人演奏家コンクール優秀賞。ヴィオラスペースVol.23にて今井信子氏の公開レッスンを受講。室内楽において、第4回ブルクハルト国際音楽コンクール第2位、第5回蓼科音楽コンクール第1位。現在、公益信託松尾金藏記念奨学基金を得て、東京藝術大学大学院音楽研究科音楽教育ヴィオラ専攻に在籍し、ヴィオラを大野かおる、川崎和憲の両氏に師事。
和泉景子  Izumi Keiko(チェロ)
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、同大学を卒業。第6回泉の森ジュニアチェロコンクール銅賞。2009年、NPO法人トリトン・アーツ・ネットワーク/第一生命ホール主催の若い演奏家のための弦楽セミナー《アドヴェントセミナー&クリスマスコンサート》、13年、《室内楽アウトリーチセミナー》を受講。これまでにチェロを渋谷陽子、高橋純子、宮城健、山崎伸子の各氏に師事。