子どものためのクリスマスコンサート
報告:的場康子/会社員/2階C1列5番
投稿日:2009.12.25
1. モーツァルト:ディヴェルティメント変ロ長調k.137(125b)
コンサート開始の合図とともに、照明が暗くなったと思ったら、ステージには、次々とカラフルで華やかな衣装を着た演奏者が続々と登場してきました。演奏だけでなく、視覚的にも華やかなステージは、クリスマスのイメージにピッタリでした。3楽章までの全曲演奏でしたが、楽章の途中で拍手が全く聞こえてきませんでした。「子どものため」のコンサートとしては、びっくりです。
楽器の紹介
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの順で楽器の紹介を兼ねて、子どもたちがよく知っている曲を少しずつ演奏してくださいました。特に、ヴィオラで「崖の上のポニョ」が演奏されたときには、客席から子どもたちの歌声も聞こえ、ホール全体がほのぼのとした雰囲気に包まれました。
2. パッヘルベル:カノン ニ長調
3. J.S.バッハ:エア~管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068より
4. J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ
この3曲の時には、特別に、子どもたちが20人くらいステージに上がって、演奏者の後ろで聴けるという企画が用意されていました。4. の演奏後、松原勝也氏が「座席とステージ上で聴くのと、どう違う?」と子どもたち一人ひとりにたずねたら、「(ステージ上の方が)音が大きい、振動が聞こえた」「座席よりもきれいに響いていた」「楽器の音が揃っていてすごかった」「よく音色が聞こえてよかった」「いろいろな音が出てよかった」「コントラバスの音の振動で足が震えた」等、みんなうれしそうに元気よく答えていました。
5. チャイコフスキー:「フィレンツェの思い出」ニ短調 op.70(弦楽合奏版)より第4楽章
最後のこの曲は、アドヴェント弦楽合奏団とともに、松原勝也氏、鈴木理恵子氏、川崎和憲氏、市坪俊彦氏、山崎伸子氏も一緒に演奏しました。1時間とはいえ、コンサートも終盤で、子どもたちの集中力が少々落ちる頃にもかかわらず、圧倒されるエネルギッシュな演奏に、一緒に聞いていた娘も、音の強弱、速さの違い、そして「やさしさ」に感動したようで、「素敵な曲だったね」と喜んでいました。
アンコールの「きよしこの夜」のときには、ステージ上のスクリーンにクリスマスツリーが映し出され、クリスマスの雰囲気をしみじみと感じさせてくれました。終演後、エレベータで降りているとき、「癒されたね」というお母さん同士の喜びの会話が聞こえてきたのも、この演奏と演出の効果からかもしれません。
子どもの心にストレートに響く本物の演奏。演奏者の近くで聴ける貴重な体験。親子で一緒に過ごす素敵な時間。きっと、多くの子どもたちにとってこのコンサートは、「クリスマスプレゼント」として心に残るコンサートだったと思います。
公演に関する情報
子どものためのクリスマスコンサート
日時: 2009年12月23日(水・祝)10:30開演
出演者:松原勝也/鈴木理恵子(ヴァイオリン)、川崎和憲/市坪俊彦(ヴィオラ)、
山崎伸子(チェロ)、 アドヴェント弦楽合奏団
演奏曲:
モーツァルト:ディヴェルティメント変ロ長調K.137(125b)
パッヘルベル:カノン ニ長調
J.S.バッハ:エア~管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068より
J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ
チャイコフスキー:「フィレンツェの思い出」 ニ短調 op.70 (弦楽合奏版) より第4楽章