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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

アウトリーチ

4年生はじめてのクラシック
10/8中央区立月島第二小学校・
10/12中央区立月島第三小学校

基本情報

日時 2020年10月8日(木)月島第二小学校 ①9:35-10:20 ②10:40-11:25 ③11:30-12:15
2020年10月12日(月)月島第三小学校 ①9:40-10:25 ②10:45-11:30
出演 浜まゆみ(マリンバ)、小林拡史(打楽器)
概要 ①中央区立月島第二小学校
実施会場:体育館
対象者:小学4年生3クラス
人数:94名

②中央区立月島第三小学校
実施会場:体育館
対象者:小学4年生4クラス
人数:117名


助成等:文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業) 独立行政法人日本芸術文化振興会

レポート

【プログラム】

♪M.シュミット:ガーナイア
♪リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行
♪A.ゴメス&M.ライフ:レインダンス
♪S.ライヒ:クラッピング ミュージック
♪Z.アブレウ:ティコ ティコ
♪A.ハチャトゥリアン:剣の舞


【レポート】

●ガーナイア(M. シュミット作曲)
浜さんはトーキングドラム、小林さんはジャンベを手にし、太鼓でリズムを掛け合いながら登場、浜さんは楽器を持ち替え、マリンバの演奏に入っていきます。小林さんは子どもたちの後ろをぐるっとまわりながら演奏します。広い体育館ですが、空間全体が二人の音楽に包まれているようでした。
曲の途中、小林さんがジャンベでリズムをコールすると、子どもたちが同じリズムを手拍子でレスポンス。自然に子どもたちを巻き込んでいきます。そのリズムがだんだんと難しくなっていって、真似できなくなるくらい難しくなっても、子どもたちは楽しんでついていこうとしていました。

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●自己紹介・楽器紹介
小林さんの「ジャンベ」、浜さんの「マリンバ」の楽器紹介の後、子どもたちがマリンバの鍵盤に指を置いて振動を指先で感じてみます。子どもたち全員が体験をした月島第二小学校では、飛び上がったり、びくっとしたり、首をかしげたり、様々な反応で振動を楽しんでいました。

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●熊蜂の飛行(リムスキー=コルサコフ作曲)
続いて「熊蜂の飛行」は、浜さんがマリンバと、反対向きに置いた学校の木琴の周りを回りながら、目まぐるしく飛び回る蜂さながらに演奏。すさまじい速さのバチさばきに、ぶるぶる体を震わせながら聴いている子もいました。曲の最後には、小林さんがホイッスルや「ばちん」という音で、蜂が飛んでいる方向や動きまで表現していました。

●レインダンス(A.ゴメス & M.ライフ作曲)
次の曲は「レインダンス」。「雨の音ってどんな音をイメージする?」と浜さんが問いかけると、「ザー」「ぽちゃぽちゃ」「ぴちゃん」「しとしと」などなど色々な声があがります。「音楽を聴きながら、今、どんな風に雨が降っているかな?この音は何を表現しているのかな、どんな場所なのかな?想像しながら聴いてみてね」と問いかけて演奏します。
この曲では、小林さんの「レインスティック」や、「バードコール」「ツリーチャイム」なども大活躍。子どもたちは色々な楽器の音を観察しながら聴き、演奏後には「シャラシャラ」、「ゴロゴロ」、「鳥の声」などが出てきたと声があがりました。「虹が出てきた」「晴れてきた」といった情景も浮かんできたようです。

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●アイネ クライネ ティッシュムジーク(M. マンフレッド作曲)
急に浜さん、小林さんがナフキンを胸にかけ、フォークとスプーンを持った、と思ったら「おなかすいた!」の声を合図に机(の上に置いたプラスチックケース)をリズミカルに叩き始めました。演奏した曲は「アイネ クライネ ティッシュムジーク」という曲で、実は楽譜もあるそうです。

●ティコ ティコ(Z.アブレウ作曲)
先ほどの曲では、フォークやスプーンなど身近なものが打楽器になりましたが、今度は子どもたちも持っている楽器「手」「足」などを使い、「ティコ ティコ」の音楽にボディ・パーカッションや、コール&レスポンスで参加してもらいます。子どもたちは、ちょっと難しいリズムにも楽しくついていきながら、音楽を体で感じているようでした。

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●剣の舞(A.ハチャトゥリアン作曲)
最後の曲は「剣の舞」。マレット4本を使ったすさまじい速さのマリンバの演奏に、後列の子は立ち上がって手元をのぞき込んだり、ドラムスの激しく、かっこいいリズムと一緒に、足でリズムを取りながら演奏を聴いている子もいました。

コロナ対策でお互いに距離を取って体育館で実施となったアウトリーチですが、浜さん、小林さんのアプローチであっという間にその距離も忘れ、子どもたちも45分間の演奏に引き込まれている様子でした。

学校にある楽器を使ったり、身近なものも音楽になることを紹介していただいたアウトリーチで、これからの学校生活や日常生活の中でも、お二人の演奏を思い出しながら音楽を楽しんでくれるのではないかと思います。

トリトンアーツスタッフ 観察レポートより)

プロフィール

浜まゆみ(マリンバ)  Hama Mayumi , marimba
桐朋学園大学音楽学部演奏学科打楽器科マリンバ専攻を首席で卒業。同大学研究科修了後、アメリカミシガン大学打楽器科大学院留学。1999年、第2回世界マリンバコンクール第2位。これまでに東京交響楽団との共演、Percussive Arts Society コンベンション(テキサス、米国)“Time for Marimba”にて招聘演奏・パネリストとして出席。The University of California Davis(米国)、チアパス州立芸術科学大学(メキシコ)、The University of Michigan(米国)、California State University, Fresno(米国)、Denison University(米国)にて演奏・マスタークラスを行う。第1回ラテンアメリカマリンバコンクールにて審査委員を務める。国内外で演奏活動を行なう傍らでトークを交えながら幅広い層に親しめるサロンコンサートも行なっている。
小林拡史(打楽器)  Kobayshi Kouji , percussion
桐朋学園大学音楽学部 演奏学科打楽器専攻卒業。大学卒業後、オランダ・ロッテルダム音楽院のジャズ科を経て、ヨーロッパにて録音やライブの演奏活動を開始。現在は主に国内を中心にドラムセットの演奏をメインとした、タレントのバックバンドや音楽番組への出演、ライブサポート、また自身のバンドでのライブ活動なども行っている。その他、クラシック、打楽器アンサンブルやカホン、ジャンベなど民族打楽器も演奏する。ドラムセットを田中康弘(RCC ドラムスクール)、山背弘、Peter Ypma の各氏に、打楽器を山田徹、佐野恭一の各氏に師事。
2008年、ピアニスト大賀美子とのデュオ「Feelinʼ(フィーリン)」2013年にはピアニスト須藤信一郎、ベーシスト木田浩卓とのトリオ「Trattrio(トラットリオ)」を結成。以後自主公演や各種イベントへのゲスト出演は各地で好評を得ている。
(C)photo by yuka yamaji