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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 2015年11月20日(金)
0~2歳児 10:00~10:15/3歳児 10:40~11:00/4~5歳児 11:15~11:45
出演 北見春菜/藤田尚子(ヴァイオリン) 髙橋梓(ヴィオラ) 印田陽介(チェロ)
概要 実施会場:中央区立晴海こども園 ゆうぎ室
対象者:0~5歳児
人数:0歳12/1歳15/2歳18/3歳35/4歳35/5歳35 
   保護者、職員
助成等:文化庁 平成27年度「劇場・音楽堂活性化事業」

レポート

保育園や幼稚園のアウトリーチは、若手演奏家支援事業「室内楽アウトリーチセミナー」を修了した演奏家の実践の場となっており、今年も2つの弦楽四重奏グループをつくり、それぞれ2~3箇所の園でアウトリーチを実施しました。アウトリーチまでは、園を訪問して打合せやプログラムを決める話し合いをしたり、リハーサルを重ねて最後はトリトンアーツスタッフの前で模擬アウトリーチを行ったりと入念な準備をしています。グループそれぞれで基本のプログラムを考え、各園のリクエストや年齢・時間によって臨機応変に対応できるようにしています。

子どもに馴染みのある曲をただ演奏するのではなく、「何を伝えたいのか?それをどのように伝えるのか?」ということを考えるのは時間がかかることですが、アウトリーチに限らずすべての演奏活動に役立つ機会ではないかと思います。豊洲保育園、晴海こども園、明石幼稚園では以下のようなプログラムを実施しました。

(基本プログラム 20分間)
M1 グラズノフ:5つのノヴェレッテ Op.15より第2曲目 オリエンタル(東洋風に)
楽器紹介
M2 アンダーソン:プリンク・プランク・プランク
M3 ボロディン:弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調より第1楽章
M4 リクエストの歌⇒学年ごと
M5 ハイドン:弦楽四重奏曲 第39番(第32番) ハ長調 Op.33-3  Hob.III:39 「鳥」より第4楽章
アンコールとして園歌

―1曲目はワクワクするような曲で始まり、楽器紹介では一つ一つの楽器を丁寧に紹介。弓のお話をしたところで、弓を使わない曲(ピッチカートの紹介)を演奏。次にハーモニーがきれいな曲でアンサンブルの魅力を伝え、ここで少しリラックスして事前にリサーチをした子どもたちの好きな歌との共演。最後に、弦楽四重奏を通して音楽の楽しさを感じてもらえるような曲を演奏して終わり。―


晴海こども園は、0~2歳(15分)、3歳(20分)、4~5歳(30分)と3回に分けて実施をしましたが、どの年齢の子も「次はなんだろう?」とよく耳を澄ませて集中して聴いている様子でした。

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4~5歳児の時には、始まる前に園長先生より「今日お誕生日の子が1人いるので、ハッピーバースデーを演奏してもらえないか?」というリクエストがあり、急遽アンコールの前に即興でお祝いをし、生演奏とみんなの歌で喜んでもらいました。

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保育園・幼稚園でのアウトリーチでは保護者の方が涙しながら聴いているのも印象的です。小さな子ども達に生の音楽に触れる機会を提供すると同時に、保護者の方にとっては子育てで忙しい毎日で忘れかけていた生の音楽が心にふっと触れる機会でもあるのだなと実感します。
(トリトン・アーツ・ネットワーク スタッフ)

プロフィール

北見春菜  (第1ヴァイオリン)
桐朋学園大学音楽学部卒業、同大学研究生及び桐朋オーケストラ・アカデミー研修課程生修了。小澤征爾音楽塾、サイトウ・キネン・フェスティバル 松本「子どものための音楽会」「青少年のためのオペラ」出演。認定NPO法人 トリトン・アーツ・ネットワーク「2012年度 室内楽アウトリーチセミナー」受講。第一生命ホール「オープンハウス」「ロビーでよちよちコンサート」出演。サントリーホール室内楽アカデミー第1期生、第2期生修了。「オープンハウス~サントリーホールで遊ぼう!」「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」出演。横浜市栄区民文化センターリリス・レジデンス・アーティスト。
藤田尚子  (第2ヴァイオリン)
霧島国際音楽祭を修了しコンサート出演。2011年武生国際音楽祭出演。2012年ヴィオラスペースにてガース・ノックス氏と室内楽で共演。これまでにジュニアフィル・桐朋学園オケ・8音大オケ・小澤塾オペラプロジェクトなどでコンサートミストレスとして出演。第7回横浜国際音楽コンクール第2位。第16回ブルクハルト国際音楽コンクール最高位。これまでに勅使河原真実・藤原浜雄の各氏に師事。
髙橋梓  (ヴィオラ)
東京芸術大学附属音楽高校、同大学を経て、同大学院音楽研究科修士課程修了。サントリーホール室内楽アカデミー第1・2期で研鑽を積む。第3回独・クヮッケンブリュック国際芸術コンクール第1位、第9回日本演奏家コンクール第1位及び芸術賞、第7回仏・ボルドー国際弦楽四重奏コンクール特別賞等受賞。これまでにNHK-FM「名曲リサイタル」、新進演奏家育成プロジェクト、サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン等に出演。これまでに堤剛、若林顕、竹澤恭子、M.ブルネロ、R.バボラーク、カルミナ・クァルテット、クァルテット・エクセルシオと共演。
印田陽介  (チェロ)
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、同大学音楽学部卒業後、チェコ国立プラハ音楽院に留学、更なる研鑽を積む。蓼科音楽コンクール室内楽部門第1位、ユースプラハ国際音楽コンクール弦楽アンサンブル部門金賞を受賞。Bienen Quartet、「ハリーのしっぽ」メンバー。劇団東京イボンヌ所属。