2011.11.5
音楽のある週末 第8回
白井光子&ハルトムート・ヘル リートデュオ
相手を思う気持ちがあると、愛情のある豊かな音楽になりますね。
最近サポーター登録をさせてもらってから、勝どきに足を運ぶことが多くなりました。晴れているときは有楽町からお散歩がてら歩きます。海が近くてオープンな空が気持ちいいです。素敵な街で美しい音楽、大好きなホールの一つになりました。
今日は初めて歌のリサイタルを聴きに来ました。最近合唱団に入ったので、歌には興味があります。勉強も兼ねて聴いてみようか、と思いました。
普段はオーケストラの演奏会に行くことが多いので会場内の雰囲気がぜんぜん違うことに、ちょっとビックリ。だんぜん女性が多かったんですよね。白井さんとヘルさんのデュオ楽しみ!っていうお客様のウキウキした気分がこちらまで伝わってくるようです。
ステージに現れた白井さんはとても小柄な方で、おかっぱのヘアスタイルにアジア風な衣装が可愛らしい。ヘルさんの弾かれるピアノに右腕をちょいとひっかけてまるで自分ちの居間かキッチンででも歌っているかのようにとってもリラックスして次から次へと歌を歌っていらっしゃいます。少女のようにコロコロと美しい声で、風のように歌い続ける光子さん。笑顔が素敵です。それを見守るヘルさんも『そんな君を見てるのが好き』っていう感じに見えました。
デュエット。自分の音を相手の音に重ね合わせる。それはただ楽譜通りに演奏しても、音楽になりますがそこに相手を思う気持ちがあると、愛情のある豊かな音楽になりますね。今までオーケストラや合唱のように大人数の音楽しか経験のない私ですが最近、小さな単位でのアンサンブルの大切さがわかってきました。なので白井さんとヘルさんのデュオは歌とピアノですが勉強になりました。
白井さんの歌はまるで『女性はいつでも輝いていたいの!幾つになったって華やぎたいわ!だって女ですもの。ね、みんなそうでしょ?』と言ってくれているようでした。聴きに来ているお客様、女性の方はきっと家に帰れば妻であり母であり、仕事や家事に追われているかもしれませんね。でも、白井さんの歌を聴いているひと時はそんなこと忘れてみんな気分はお嬢さん、美しいもの・可愛いものが大好き♪私たちだって華やいだっていいのね!と午後のコンサートを楽しんだことでしょう。
プログラムの中ではミヨーの『花のカタログ』という歌がちょっとしたアクセントになっていて良かったと思います。それと白井さんはとても発音が美しい方と聞いていましたがいま歌の勉強をしている私は、ドイツ語など外国の言葉は子音が大切なんだな、と思いました。子音がメロディの奥行きを深くしていて、リズミックにも聴かせることができるんだな、と。
アンコールもお客さんの拍手にこたえてくださって何曲も歌ってくださいました。本当に歌が大好きで『みんな私の歌聞いてちょうだいな!一緒に楽しみましょう!』って風でした。難病を克服してまた音楽の世界に戻ってこられた喜びっていうのが、誰よりもあるんでしょうね。音楽がなくても生きていけますが、音楽があったほうが何倍も人生楽しいですものね!
公演に関する情報
〈ウィークエンドコンサート2011-2012〉第一生命ホール10周年の10days第3日
音楽のある週末 第8回
白井光子&ハルトムート・ヘル リートデュオ
日時:2011年11月5日(土)14:00開演
出演:白井光子(メゾ・ソプラノ) ハルトムート・ヘル(ピアノ)