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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

アウトリーチ

基本情報

日時 2025年7月4日(金) 45分間(2クラス、3クラスに分けて)
出演 バズ・ファイブ(金管五重奏団 )
[上田じん/福井穂奈美(トランペット) 脇山純名(ホルン) 加藤直明(トロンボーン) 石丸薫恵(テューバ)]
概要 対象者:4年生 
人数:158名

助成:文化庁文化芸術振興費補助金(地域の中核劇場・音楽堂等活性化事業)│独立行政法人日本芸術文化振興会

レポート

【プログラム】
♪H.カーマイケル:スターダスト
♪久石譲:ジブリメドレー
♪L.アンダーソン:ラッパ吹きの休日
♪W.A.モーツァルト:ホルン協奏曲第1番より第1楽章
♪L.デンツァ:フニクリ・フニクラ
♪H.フィルモア:ラッサストロンボーン
♪横瀬五郎 作詞・田村虎蔵 作曲:久松小学校校歌
♪金五の仕組み~J.P.スーザ:星条旗よ永遠なれ を使って~
♪M.アーノルド:金管五重奏曲第1番より第3楽
アンコール
♪M.ウィルシュ:おおシャンゼリゼ


【レポート】

 演奏会の冒頭、音楽の先生が「目と耳と心で味わって聴いてほしいです」と子どもたちに語りかけました。「いいなと思ったら拍手しても良いし、楽しいなと思ったら笑ってもいい」と続ける言葉に、子どもたちは少しそわそわしながらも、静かに座って演奏を待っていました。その様子からは、これから始まる音楽への期待感が静かに高まっていることが感じられました。
やがて、奏者たちが演奏をしながらダイナミックに登場すると、空気が一気に変わりました。トランペット奏者の上田さんと福井さんが後方まで回り込むと、子どもたちは自然にそちらに視線を向け、音の動きに導かれるように反応していました。テューバの低音に合わせて手拍子も広がっていき、子どもたちはワクワクした表情で身体を揺らしながら演奏に聴き入っていました。★IMG_8780.JPG  続く楽器紹介のコーナーでは、金管楽器の音の出し方についての実演が行われました。ただ息を吹き込むだけでは音が出ないこと、唇を震わせてマウスピースに吹き込むことで振動音が生まれるという仕組みが紹介されました。この「唇の振動音→マウスピースの音→楽器をつけた音」といった段階的な実演に、子どもたちは興味津々で耳を傾け、「すごい!」というつぶやきが自然とこぼれていました。
 「この楽器わかる人?」という問いかけにも多くの手が挙がり、「トランペット!」と元気に答える声が響きました。「ラッパ吹きの休日」では、自然発生的に手拍子が生まれ、身体でリズムをとる子どもたちも見られました。脇山さんによるホルンの紹介では、右手をベルに入れることで音が変わる様子が実演され、その音の違いに驚いたような反応がありました。「フニクリ・フニクラ」では石丸さんが演奏するテューバが主役となり、演奏前の「テューバは15キロあるんだよ」という説明には「えー!」という驚きの声が上がりました。子どもたちは音だけでなく、楽器そのものの見た目にも関心を寄せており、楽器をよく見ようと身体を動かす姿も印象的でした。「ラッサストロンボーン」では、加藤さんがトロンボーンのスライドの可動域を活かし、遠くの子どもたちにも音を届けるように動きながら演奏をしていました。子どもたちはびっくりした表情や笑顔を見せながら演奏に引き込まれていました。

 後半には、校歌を金管五重奏の伴奏で歌うという体験が用意されていました。「え! 歌うの?」と少し驚きながらも嬉しそうに反応した子どもたちは、演奏に合わせて生き生きと歌い、その表情からは演奏家との共演の喜びがにじみ出ていました。
 「星条旗よ永遠なれ」を使用し、それぞれの楽器の役割を分解して紹介する場面もあり、それぞれの楽器の個性が視覚的・聴覚的に効果的に伝わっていたように思います。★IMG_8758_ぼかし有.JPG  そして「金管五重奏曲 第3楽章」では、事前に演奏の聴きどころが伝えられていたこともあり、トランペットのミュートを使った演奏への関心も高く、子どもたちは一層集中して聴いているようでした。音楽に合わせて自然に体を動かす子もいれば、姿勢を正してじっと演奏を見つめる子もおり、それぞれが自分なりの方法で音楽を楽しんでいるようでした。 演奏会が進むにつれて、子どもたちの表情はどんどん柔らかくなり、笑顔や好奇心に満ちた反応が随所に見られるようになっていきました。最後には、曲を口ずさみながら体育館を後にする子どもたちの姿もあり、演奏会が楽しい余韻を残していたことがうかがえました。

(トリトンアーツサポーター 観察レポートより)


【子どもたちのアンケートより】(抜粋)
●歌うように楽器をふいていて、すごく上手だなと思った。
●スタッカートみたいな音もあるのに、なめらかで、はく力があった。
●それぞれ違う楽器、違うメロディーで1つの曲になっている素晴らしさを感じた。
●バズ・ファイブといっしょに歌うと校歌がとてもいい曲になった。
●8曲目(アーノルドの金管五重奏曲)の演奏が、馬が走っているようでした。
●とてもたのしそうにふいていた。私もそんな風になりたいと思った。

プロフィール

Buzz Five (バズ・ファイブ) 金管五重奏  
1997年東京芸術大学の同級生によって結成。数々のイベントに招かれFIFA ワールドカップ、日展という展覧会のオープニングセレモニーにて演奏を行った。『ジャパン・ブラス・コンペティション 2001』金管五重奏部門第1位、あわせて大賞、川崎市長賞、洗足学園賞を受賞。
CDは「Disc Buzz」、「バズーカ」、「Buzz Plays Bach」、「Buzz goes buzz!!」をリリース。2014 年には国内ファーストツアーを行い、大成功をおさめました。
日本を代表する金管アンサンブルとして全国各地にて演奏活動を行っています。

公式facebook https://ja-jp.facebook.com/brassquintet.buzzfive