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①月島第三小学校 2024年10月15日(火)9:40~10:25/10:45~11:30 ②晴海西小学校 2024年11月8日(金)10:35~11:20/11:30~12:15 ③佃島小学校 2025年12月23日(月)9:20~10:05/10:25~11:10/11:15~12:00 |
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出演 | 浜まゆみ(マリンバ)、小林拡史(打楽器) |
概要 |
対象者:4年生 人数:①125名/②120名/③125名 助成:文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業) 独立行政法人日本芸術文化振興会 |
【プログラム】
♪M.シュミット:ガーナイア
♪リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行
♪A. ゴメス & M.ライフ:レインダンス
♪M.マンフレッド:アイネ クライネ ティッシュムジーク
~みんなの知っている打楽器が出てくるかな?~
♪L.イエッセル / おもちゃの兵隊の行進~
♪Z.アブレウ / ティコティコ
♪A. ハチャトゥリアン:剣の舞
【レポート】
2024年11月8日(金)/ 中央区晴海西小学校
二人が、打楽器を演奏しながら、子供達の間を通り登場。「何、何~」という様子で奏者を見渡したり、奏者からの説明がなくてもスムーズにリズムでコール&レスポンスをする様子から、子供達がこれからはじまる浜さん小林さんの世界に興味を持ち夢中になっているようでした。
「レインダンス」は演奏を始める前に、曲に対して、どのような印象をもったか、情景をイメージしながら聴いてもらうようくようお話があり、より想像力を働かせて、聞いていたようで、演奏後はそれぞれが感じた音のイメージを発表し、みんなで共有しました。
「アイネ クライネ テッシュムジーク」は、演奏後に曲の説明がありました。楽譜は、子どもたちがよく知っている楽譜と違い記号で書かれていました。アウトリーチ終了後に実際の楽譜をとても興味深く見ていました。
次は2曲を続けて演奏。「ティコティコ」は、小林さんがお手本になり、全員でボディーパーカッションを実施。ボディーパーカッションでの共演は、お二人の音楽に合わせ、耳でよく聞きながら、楽しそうに体を動かしている印象でした。
最後の曲では、子供達が、とても集中して聞いていて、お二人の技術もあいまって、最後に音楽を身近に感じているようでした。
クラスごとに反応の違いもありますが、素晴らしい演奏と楽器を身近に感じる説明が盛り込まれたプログラムは、生徒さん1人1人が持っている、参加したい意欲や、音楽に対する興味を引き出すようなプログラムだったように感じました。
(トリトンアーツサポーター 観察レポートより)
2024年12月23日(月)/佃島小学校
1曲目の演奏後に楽器の紹介がされました。マリンバと学校の木琴の大きさの違い、マリンバが木琴のなかで最大の楽器であることを挙げていました。演奏のなかで学校の木琴が用いられ、マリンバとの音色の違いを体感する機会となりました。また、マレット(バチ)を使って演奏することが挙げられていました。マリンバ(木琴)はマレットで鍵盤を叩き、鍵盤の下にある共鳴管が鳴ることで、音が響くという旨が紹介されていました。
小林さんが演奏に用いられる楽器としては、ドラムセット、ジャンベ、ボンゴ、太鼓、タンバリンなど複数のものが紹介されていました。ジャンベは、楽器の内側が空洞であり、外側がヤギの皮でつくられているとのことでした。ジャンベのように動物の皮を用いてつくられた身近な楽器の例として、子どもたちは学校にあるタンバリンや太鼓を挙げていました。楽器紹介のうえで素材の説明を受けたことで、子どもたちは今後触れる機会のある楽器がどのような材料によって作られているのか関心をもつ契機となっていました。
「熊蜂の飛行」では、サイレンホイッスルやスラップスティックによる音によって、ぶんぶんぶん、と大きな音を出す熊蜂が会場内を飛んでいる姿や、熊蜂が窓の外から出て行く姿が表現されていました。浜さんが演奏後に強調して仰っていたように、音楽の魅力的な所は、楽器が奏でる音のみで、部屋のなかにいたはずの熊蜂がどこかへと飛び去っていく情景を想像させることができる点にあるとのことで、子どもたち自身も共感しているようでした。
「レインダンス」の演奏では、レインスティックで、雨が地上へと単線上に降り注いでゆく様子が表現されていました。曲の最後には、バードコールと称される小さく長細い赤い楽器で、鳥の柔らかい鳴き声が表現されていました。その声は、演奏の冒頭から降り続いていた雨があがったことを示していました。
「アイネ クライネ ティッシュムジーク」の演奏が始まると、子どもたちははじめスプーンとフォークを用いるという突然の演奏方法に驚いている様子でした。子どもたちは次第に、目まぐるしいスプーンとフォークの動きや、演奏家の方々の手さばきに目を奪われていました。プログラム終了後には、子どもたちが、教室の後方に設置した、○・△・×という記号が記された実際の楽譜を熱心に見ている様子が伺えました。子どもたちは、日常生活で用いられる食器が楽器として様変わりし演奏に用いられ、想像しなかった音を奏でていることに新鮮な驚きを抱いているようでした。
打楽器の演奏を交えたボディーパーカッションでのコール&レスポンスのコーナーでは、子どもたちがすぐにその場でレクチャーされた身振りを習得し、教室の全員で楽しい演奏をつくりあげるという目的が達成されていたように感じました。 プログラム最後の曲にあたる「剣の舞」は、アップテンポで迫力のある曲調であり、子どもたちは演奏を熱心に聴き入っていました。プログラムの構成として、最後に子どもたちが聴き馴染みのある選曲がされたことで、心弾むような余響が教室内に生じる幕引きとなっていました。
浜さんがなされるご質問に、毎度子どもたちが迅速に手を挙げ積極的な応答をしていた姿に、学習意欲や演奏家の方々に対する敬意が表れていたと感じました。
子どもたちが終始、演奏家の方々のお話に意欲的な姿勢で臨んでいる姿が印象的でした。今回のアウトリーチを通して得た経験や、楽器に関する知識を、今後の生活に活かすことのできるような貴重な機会となっていたように感じました。
(トリトンアーツサポーター 山田栄官 観察レポートより)
【子どもたちのアンケートより抜粋】
●言葉ではなく音でこれだけ表現できてすごいと思いました。
●演奏家2人の笑顔だったので聞いている私も自然に笑顔になりました。
●マリンバが大きくてびっくりした。
●人によって感じ方が変わったりするのが面白いと思いました。
●音の高い低いでマレットの使い分けがあると知って驚きました。
●ドラムは迫力があってかっこよかった。
●タンバリンやカスタネットなど、皆が知っている楽器でも使い方が違ったりするのが面白かった。
桐朋学園大学音楽学部演奏学科打楽器科マリンバ専攻を首席で卒業。同大学研究科修了後、アメリカミシガン大学打楽器科大学院留学。1999年、第2回世界マリンバコンクール第2位。これまでに東京交響楽団との共演、Percussive Arts Society コンベンション(テキサス、米国)“Time for Marimba”にて招聘演奏・パネリストとして出席。The University of California Davis(米国)、チアパス州立芸術科学大学(メキシコ)、The University of Michigan(米国)、California State University, Fresno(米国)、Denison University(米国)にて演奏・マスタークラスを行う。第1回ラテンアメリカマリンバコンクールにて審査委員を務める。国内外で演奏活動を行なう傍らでトークを交えながら幅広い層に親しめるサロンコンサートも行なっている。 |
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桐朋学園大学音楽学部演奏学科打楽器専攻を卒業。大学を卒業した後、オランダ・ロッテルダム音楽院のジャズ科で学び、ヨーロッパで録音やライブの演奏活動を始めました。現在は主に国内を中心にドラムセットの演奏をメインとした、タレントのバックバンドやライブサポート、また自身のバンドでのライブ活動なども行っています。クラシック、打楽器アンサンブルやカホン、ジャンベなど民族打楽器も演奏します。 |
![]() (C)photo by yuka yamaji
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