トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
Menu

レポート

基本情報

日時 2018年7月19日(木)
9:40-10:25/10:45-11:30/11:35-12:25
出演 浜まゆみ(マリンバ)、クリス・フロー(マリンバ、パーカッション)
概要 実施会場:中央区立月島第二小学校 第二音楽室
対象者:小学4年生2クラス
人数:86名(1組27名+ひだまり教室4名/2組28名/3組27名)
助成等:文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
    独立行政法人日本芸術文化振興会

プロフィール

浜まゆみ(マリンバ)  Mayumi Hama, marimba
桐朋学園大学音楽学部演奏学科打楽器科マリンバ専攻を首席で卒業。同大学研究科修了後、アメリカミシガン大学打楽器科大学院留学。1999年、第2回世界マリンバコンクール第2位。これまでに東京交響楽団との共演、Percussive Arts Society コンベンション(テキサス、米国)“Time for Marimba”にて招聘演奏・パネリストとして出席。The University of California Davis(米国)、チアパス州立芸術科学大学(メキシコ)、The University of Michigan(米国)、California State University, Fresno(米国)、Denison University(米国)にて演奏・マスタークラスを行う。第1回ラテンアメリカマリンバコンクールにて審査委員を務める。国内外で演奏活動を行なう傍らでトークを交えながら幅広い層に親しめるサロンコンサートも行なっている。
クリス・フロー(パーカッション)  Christopher Froh, percussion
サンフランシスコ・コンテンポラリー・ミュージック・プレイヤーズ、 エンピリアン・アンサンブル、 ルートストック・パーカッション、サンフランシスコ・チェンバー・オーケストラのメンバーとして、これまでに15ケ国の作曲家による100以上もの室内楽とソロ曲を初演している。また、カーネギーホールにてサンフランシスコ交響楽団との共演、ステム・グローブ・フェスティバルにてバリ島の芸能グループ「Gamelan Sekar Jaya」との共演、アメリカ映画制作会社「スカイウォーカーランチ」でのビデオゲームのレコーディング等、幅広い活動を行っている。CDも多数リリース。これまでに、北京現代音楽祭、Nuovi Spazi Musicali、 Music@Menloにソリストとして招聘されるなど、日本、中国、トルコ、ヨーロッパ、アメリカ等でフェスティバルやリサイタルに多数出演。ミシガン大学、イーストマン音楽学校、桐朋学園大学で学び、桐朋学園大学では、マリンバのパイオニアである安倍圭子氏に師事。現在はカリフォルニア大学デイビス校とカリフォルニア州立大学サクラメント校にて打楽器と室内楽を指導している。

レポート

【プログラム】

♪アフリカン・ブルース/W.ロッゲンカンプ作曲
♪熊蜂の飛行/リムスキー=コルサコフ作曲(M. レス編曲)
♪リズム・ダンス/B.ウィッティバー作曲
♪クラッピング・ミュージック/S.ライヒ作曲
♪レッツ・プレイ・サンバ!
♪剣の舞/A. ハチャトゥリアン


【レポート】

180719_tsukishimadainisyo_2.jpg

■演奏者が、打楽器でコール アンド レスポンス(呼びかけと応え)をしながら登場

演奏者が児童の周りを歩きながら一周している時、児童は音に敏感に反応し、2人の演奏者を目で追いながら演奏会の始まりを感じ取ったように見受けられ、奏者のリズムによる呼びかけに積極的に反応していました。
演奏者が児童一人一人に近付き、間近で楽器の音を聴くことができたため、全員が演奏会に参加にする心の準備ができたのではないかと思います。

■1曲目の最後の和音の余韻(響き)に対する児童の反応

1曲目の最後の和音の余韻(響き)に対して児童から「わあ」や「すげー響いている」の声があがりました。楽曲のよさや、マリンバの響きのよさを熟知した奏者が、その場の空間に合った音の余韻を残していたためではないかと思います。

■学校にある木琴と、マリンバの音の違いを聴いてもらった時

音や響きの違いを聴き取った児童から「超響いている!」等の声があがり、マリンバの響きや音の特徴を感受してくれた様子でした。
さらに、ピンポン玉を用いて振動の強さを見る実演や(ピンポン玉が置いてある鍵盤を鳴らすと、音の振動でピンポン玉が跳ね上がる)、指で鍵盤に触れて振動を体験する機会を設けることにより、マリンバの鍵盤の響きや振動について、児童たちに理解してもらいました。

■クリスさんの自己紹介など

クリスさんの自己紹介では、英語と日本語を用いていました。児童は、しっかり英語を聞き取ろうとし、さらに日本語で話す際にも注意深く耳をかたむけていました。
普段の授業等で学ぶ英語が使われたことで、児童たちの知的好奇心がくすぐられたようです。

集中して真剣に聴く場面と、笑いやリラックスできる場面がどちらもあるプログラム進行で、児童の楽しみながら参加できたように感じました。

■アウトリーチを通して何度かあった楽器紹介の時

180719_tsukishimadainisyo_3.jpg

一つの楽器から色々な音が出せる実演を見聴きした事で、多くの児童がより打楽器に興味をもち、叩いてみたいという気持ちをもっていたようです。

■様々な楽器が出てきた後に、手拍子のみで演奏する楽曲(クラッピングミュージック)を演奏していた時

180719_tsukishimadainisyo_4.jpg

一見なにもないような手拍子も音楽になることを感じられる演奏でした。また、浜さんとクリスさんの二人で演奏した後、クラス全員でクラッピング・ミュージックの演奏に挑戦しました。児童たちはリズムのおもしろさに触れることができたのではないでしょうか。

■最後の楽曲を演奏者の周りで見ることができた時

演奏者の声掛けにより、それまで椅子に座って見ていた児童が演奏者の近くに集まり、それぞれ好きな場所で見たり聴いたりしました。
間近で演奏を見る(聴く)ことを通して、児童たちは音の迫力により魅了されていた様子でした。
聴き馴染みがあり迫力もある楽曲であったため、盛り上がりました。


【全体を通して】

浜さんとクリスさんの児童へのまなざしは「なにかを教えよう」というようなものではなく、お二方とも「音楽を通して児童たちと仲良くなりたい」という気持ちで楽しみながら演奏をされていました。そのことが自然と児童にも伝わり、興味関心や笑顔を引き出すきっかけになっていたように思います。
アウトリーチ後に児童から「めっちゃ楽しかった」や「あっという間だった」等の声が聞こえました。時間を気にせず楽しめる空間であったように思った一方、45分という短い時間にしては盛りだくさんなプログラム構成で、時間が足りなかったのではないかとも感じました。

(サポーター南野秀人 観察レポートより)