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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 2017年9月14日(木)13:15-13:55/14:30-15:00
出演 クァルテット・セレシア(ヴァイオリン前田奈緒/福崎雄也、ヴィオラ高橋梓、チェロ福崎茉莉子)
概要 実施会場:マイホーム新川 2階食堂/3階食堂
対象者・人数:通所者40名程度/入居者30名程度

レポート

【プログラム】

モーツァルト:「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」より第1楽章

ハイドン:弦楽四重奏曲第77番ハ長調Op.76-3「皇帝」より第2楽章

作曲者不明:秋の歌メドレー

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番ハ長調Op.59-3「ラズモフスキー第3番」より第4楽章

岡野貞一:ふるさと

【レポート】 

[敬老会コンサート、秋のくつろぎ音楽会]と題して、1回目は2階食堂で約40名強の通所者の方々を対象に、2回目は3階食堂でベッドのままいらっしゃった方など約30名の入所者の方々を対象に実施した。

◇最初に、第一ヴァイオリンの前田奈緒さんから「王道の曲から日本の曲まで弦楽四重奏の響きを楽しんで下さい」と説明があり<モーツアルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク 第1楽章>の演奏。演奏が始まると多くの方が手をゆらしたり、頭で調子をとっていた。2回目は2,3名の方がメロディーを口ずさみ、歌われていた。テンポがよくきれいな音色と響きの演奏でコンサートの始まりにはとてもふさわしい曲目だった。

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ここで各自の名前と楽器の紹介。

◇次に、チェロの福崎茉莉子さんから「ドイツの国歌で、メロディーを引き継いで変化していくことを感じて下さい」と説明があり<ハイドン:弦楽四重奏曲第77番 皇帝から 第2楽章>の演奏。全体→第1、第2ヴァイオリン→チェロ→ヴィオラ→全体の順に各楽器が同一メロディーを引継でいく曲で、各楽器の音色と音域がよく分かり、厳かで心安らぐ感じが滲みでる演奏であった。クァルテット・セレシアの演奏は一音一音をはっきり聴くことができて、2回目の時はお一人の方が音階でメロディーを一緒に最後まで歌われていて驚いた。昔、中高校生の音楽の教科書に掲載されていたはず?

◇次に、高橋梓さんが「外はまだまだ夏の様子ですが、暦の上では秋ですので、日本で知られている秋にちなんだ曲のメドレーです」と話され<秋のメドレー(ちいさい秋~夕焼け小焼け~紅葉~まっかな秋~里の秋~ふるさと~虫の音~祭り~ちいさい秋)>の演奏。みなさま次々に出て来る秋の唱歌を思い出して、声に出して歌ったたり、身体をゆすって大いに懐かしみ、思い出して楽しんでおられる様子が本当に良く分かった。演奏後に福崎雄也さんより「声を出して歌って頂き、演奏していてとても良かったです。また、自分も故郷を思い出しました。」とコメントがあり、弦楽は歌声と同じ様に音を引き延ばす演奏ができるのでよいと思った。

◇続いて福崎さんから「ベートーヴェンの明るくて聴いていて元気の出る曲です。各楽器が1つのメロディーを追いかけます」と説明があり、<ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番 ラズモフスキー第3番から第4楽章>の演奏。ヴィオラ→第2ヴァイオリン→第1ヴァイオリン→チェロ→全体の順で1つのメロディーを追いかけて最後は全体で大合唱するような素晴らしい大曲。弦楽四重奏の醍醐味と息の合った演奏には、みなさんも真剣に聴かれていた様子。素晴らしいスピード感あふれる元気の出る絶妙で纏まって行く息の合ったクァルッテト・セルシアならではの見事な演奏。みなさんには弦楽四重奏の素晴らしさが十分に伝わったと思われる。

◇最後に、前田さんが「<ふるさと>を3番まで演奏しますから、皆で一緒に歌いましょう」と話し、そして演奏が始まると前田さんが立ち上がり舞台を降り、演奏しながら各席に近づき客席の周りを廻りました。みなさん前田さんが近づいてくると、ヴァイオリンの音色を身近に感じることができて本当に嬉しそうで楽しそうだった。

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(まとめ)

慣れ親しんだヨーロッパの曲で始まり、日本の曲で心を和ませ、最後に王道の曲を演奏する今回のプログラムは、元気を与え、生の音楽に触れることができて、このような場所や環境で過ごされておられる方々の心に届くアウトリーチの目的に合っていると思った。そのことは終演後のみなさんの拍手と笑顔でよくわかった。

終演後は「もっと聴きたかった」「時間が短かった」との声が出ていた。

サポーター柴崎康久 観察レポートより

プロフィール

クァルテット・セレシア   
2011年結成。サントリーホール室内楽アカデミーで研鑚を積む。サントリーホールチェンバーミュージック・ガーデンに室内楽アカデミー選抜アンサンブルとして出演。第26回リゾナーレ室内楽セミナーにて奨励賞を受賞。野口英世記念ばんだい国際音楽祭、和敬塾ニューイヤーコンサート等に出演のほか、各地でアウトリーチ演奏など積極的に活動している。高橋多佳子、ノエ・乾、碓井俊樹、モナ飛鳥・オット等と共演。これまでに堤剛、若林顕、クァル テット・エクセルシオ、花田和加子の各氏に師事。
公式Webサイト http://quartetceresia.wixsite.com/home