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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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アーティスト・インタビュー

佐山裕樹チェロリサイタル

第13回ビバホールチェロコンクール第1位受賞記念

第13回ビバホールチェロコンクール第1位受賞記念~佐山裕樹チェロリサイタル
2年に1度兵庫県養父(やぶ)市で開催されている「ビバホールチェロコンクール」。
昨年行われた第13回の第1位受賞者であり12月1日(日)に第一生命ホールにて
受賞記念リサイタルを開催する佐山裕樹さんと共演の諸田由里子さんにお話を伺いました。

「チェロの1番の魅力は”心地よい音色”です。」 と静かに言葉少なにお話しされながらも、 実は心の奥に秘めている熱い気持ちとは…

ビバホールチェロコンクールを受けたきっかけは?

佐山「全日本学生音楽コンクール、日本音楽コンクールとチャレンジしてきたので、次はビバホールチェロコンクールを受けてみたいと思いました。第1位の副賞として第一生命ホールでリサイタルができるのも魅力でした。」

諸田「今回コンクールのお話が来たとき「絶対やらなきゃ!」と使命感を感じてしまいました(笑)。「必ず本選で弾きましょう!」って話をしました。大変でしたが、毎回伴奏合わせで会うたびに佐山さんが成長していて楽しかったです。」

佐山・諸田「実は、このコンクールの時が初めての本格的な共演で、それから共演を重ね今に至っています。」

ビバホールチェロコンクールはボランティアの方々が様々なサポート、例えばホストファミリーとなり、家にホームステイをする出場者もいらっしゃると伺いました。

佐山「私は今回ホテルに宿泊しましたが、ホームステイをした人たちからは、但馬牛を食べたとか花火をしたとかホストファミリーとの楽しいお話を聞きました。 会場には緑のスタッフTシャツを着たボランティアスタッフの方々がいらして、アットホームなコンクールでした。」

諸田「緑のスタッフTシャツを着て送迎をしてくださるタクシーの運転手さんもいらっしゃいました。ビバホールチェロコンクールは一週間の中で予選から本選まで全て弾くので精神的にも体力的にも大変です。その中で、見上げれば高く広い空があり、青々とした山に囲まれた景色に勇気づけられた方は多いのではないでしょうか?ビバホールチェロコンクールの魅力の一つだと思います。

佐山「練習室から舞台袖まで移動する時もボランティアスタッフの方々が「頑張って」と声をかけてくれたので緊張しすぎずに演奏できました。」

佐山・諸田「養父への移動日の前日は台風で特急が止まっていて、翌移動日は途中駅までしか行けなかったのですが、スタッフの方々が大型バスで迎えに来てくれました。出場者それぞれ到着時間が違ったと思うのですが1時間かけて迎えに来ていただいて。会場に行けるかどうか不安だったのでケアしていただき本当に感動しました。」

チェロを始めたきっかけは?IMG_1855★カット.jpg

佐山「ピアニストだった母が弦楽器を習わせたかったらしく4歳ごろ地元のチェロの宮田豊先生を紹介していただき始めました。最初の頃はティッシュの使い終わった箱に菜箸で...とチェロの真似を始めて...慣れた頃に1/10サイズから始めたそうです。私にはすでに楽器を弾いている5歳くらいからの記憶しかないのですが...。」

ではピアノは?

佐山「母から習うのに抵抗があり、やっていませんでした(笑)。今から思えば習っておけばよかったです。」

最近では、いろいろな演奏活動をされていますね?

佐山「室内楽、オーケストラ、アンサンブル、ソリスト等それぞれの音楽で求められる役割が違っていて、それぞれの楽しさがあって、これからもいろいろとチャレンジしていきたいと思います。」

今回のリサイタルでのプログラムの選曲は?

佐山「弾きたい曲を選び出し...。 まずメンデルスゾーンのチェロ・ソナタ第2番を絶対弾きたいと思っていたのですが、ピアノが大曲で(笑)。すぐに諸田さんに相談しました。 ラフマニノフのチェロ・ソナタもいつか弾いてみたいと思っていた曲ですが、自分では迷っていました。プログラムの相談をしていたチェロの倉田澄子先生からも後押していただき今回プログラムに入れました。 ただこれもピアノが...。(笑)」

諸田「ピアニストの間では「ラフマニノフ、メンデルゾーン、ショパンとピアノパートが大変なチェロ・ソナタ3曲」があり、そのうちの2曲が入っているので驚きました。 大きな曲を弾くということは自分を最大限に出していくことが求められるので、佐山さんの今の心に秘めた熱いものを表現するにはぴったりな曲だと思いました。」

佐山「ソッリマは今活躍中のチェリストであり作曲家です。どちらもチェロの魅力がよく表現されていて、しっとりとした超絶技巧の曲と、民族的な音楽でソッリマの面白さをよく表している対照的な曲2曲を選びました。 自分はこんなプログラムがあったら聴きに行きたいと思います。」

諸田「2つの大曲の間にパガニーニやソッリマというアクセントになる曲が入っていて素敵なプログラムになりました。」

音楽以外ではまっていることはありますか?

佐山「料理とカメラ(一眼レフ)での飛行機撮影です。 時間があるときは羽田空港にいます(笑)。実はビバホールチェロコンクールの後、大阪伊丹空港で撮影してから飛行機で東京に戻りました。 料理はたまにちょっと凝ったものを作ったりします。12月にはクリスマスケーキを作りました。写真もスマホに入っています。」

諸田「音楽以外で楽しいものを知っているって、違うものからも美意識や経験、楽しさを音楽に取り入れられるから良いことですよね。」

お客様へメッセージをお願いします

佐山「メンデルスゾーンの若さ溢れるエネルギッシュな曲とラフマニノフのしっとりとした温かみのある曲のコントラストを楽しんでいただけると思います。 そしてチェロの魅力をこの演奏会で知っていただけたら嬉しいです。」

諸田「音楽やチェロに真摯にまっすぐ向かい合っているのが彼の魅力。これからどんどん成長していく佐山さんを応援して頂ければと思います。」


~ありがとうございました。正確なテクニックとスケールの大きさが魅力のお二人の演奏が今から楽しみです~お聴きのがしなく!