50年前に新たな日本音楽の響きとそれまでなかったアンサンブル形態を希求して結成された日本音楽集団は、これまで多くの新たな音楽を世に送る活動を続けてきましたが、その中での1973年「郢曲鬢多々良(えいきょくびんたたら)」初演と、これによる作曲家伊福部昭との出会いは屈指の出来事でした。
「郢曲鬢多々良」は、その編成と楽器の扱い方により新たな邦楽器アンサンブルの一つの方向性を示し、かつ「ソリストの集合体」という日本音楽集団の特性をもさらに引き出す作品でした。
時を経て、日本音楽集団が目指す新たなアンサンブル形態に共感した若手奏者たちが後継者として加わって60名が在籍するに至った現在、2005年「日本音楽集団版《交響譚詩》」の初演を契機に、「ソリスト集合体」であることを維持しつつ、「邦楽器による大規模編成アンサンブル」をも追求しています。
創立50周年と伊福部昭生誕100年とを同時に迎え、この秋第一生命ホールに響く日本音楽集団が総力をあげた20パートを超える邦楽器大編成サウンドは、比類無き未体験なものとなるでしょう。
