昨年はおかげさまで早々に完売となってしまった「子どものためのクリスマス・オーケストラ・コンサート」、今年はクリスマス・イヴに2回開催します。出演するオーケストラARCUS(アルクス)の松田拓之さん(NHK交響楽団ヴァイオリン奏者)にお話をうかがいました。
まずは弦楽器を紹介しましょう!
私たちARCUSは、指揮者を置かず、それだけにお互いの音を聴き合ってのアンサンブルを大事にしています。昨年のアンケートでも「指揮者がいないので、コンサートマスターをはじめ演奏者の息づかいが伝わってよかった」とのお声をいただきました。生の演奏でぜひその迫力を感じていただけたらと思います。
お客さまから「おもしろくて勉強になった」とご好評いただいている楽器紹介を交えてプログラムをすすめていきたいと思います。まず弦楽器が演奏するのは、早川正昭作曲のバロック風「日本の四季」から「冬」です。出だしは、有名なヴィヴァルディの「四季」を思わせますが、聴こえてくるのは、どなたでもご存知の日本の歌。バロック風の美しい響きの中、どんな日本の歌が登場するか、楽しみにしていてくださいね。
管楽器の花形って??
管楽器は、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンによる木管五重奏でご紹介しましょう。木管五重奏といえばこれ、というくらい有名なハイドンの「ディヴェルティメント」から抜粋でおおくりします。管楽器の中でも花形のトランペットは、アンダーソンの「トランペット吹きの休日」でたっぷりとお聴きください。お父さんお母さん世代にとっては、小さい頃、運動会でよく聴いたなつかしい音楽ではないでしょうか。
オーケストラには、まだまだ楽器が必要です。太鼓や鈴、タンバリンなど叩いたり振ったりして、リズムをきざんだり様々な音で音楽を盛り上げる、打楽器の紹介コーナーもお楽しみに。
すべての楽器がそろったところで・・・
オーケストラの楽器がすべてそろったところで演奏するのは、「クリスマス・フェスティバル」。「もろびとこぞりて」「ひいらぎかざろう」「あめにはさかえ」「ジングルベル」「きよしこの夜」などクリスマスの名曲の数々を、迫力あるオーケストラの響きでお楽しみいただけます。この曲は、小学生のお子さま限定で、オーケストラと同じ舞台の上で聴いていただくことができます。昨年舞台で聴いてくれた子どもたちも、ちょっと緊張気味でしたが、間近で見て聴く迫力を楽しんでくれたようです。「もっと多くのお子さまに、なるべく近くで聴いてもらいたい」との思いから、どこで聴いてもらうか、ただ今検討中です。
最後は、ぜひ本格的な交響曲を聴いてみましょう。私たちは、お子さまにこそ、小さい頃から本格的な音楽を聴いてほしいと思っていますし、それを聴く力があると思っています。
[聞き手/文 田中玲子]