活動動画 公開中!

トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
Menu

レポート

基本情報

日時 2022年11月18日(金)9:20~9:50/10:10~10:30/10:50~11:20
出演 とことんトン【齋藤綾乃/新野将之(打楽器)】
概要 対象者:年少・年中・年長
人数:102名

文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会

レポート

【プログラム】
♪ジミー・ドッド:ミッキーマウスマーチ
~ 打楽器の紹介 ~
♪ボビー・ロペス:会話~2つのタンバリンのための~
♪リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行
♪マティアス・シュミット:ガーナイア
♪大きな栗の木の下で *年中・年長のみ
♪幸せなら手をたたこう
♪明石幼稚園 園歌
♪上柴はじめ:だれにだってお誕生日
~ リクエスト曲コーナー ~
♪さんぽ(年少)にんげんっていいな(年中)ともだち讃歌(年長)


【レポート】

 今日は、明石幼稚園の91歳のお誕生日を祝うコンサートです。 年中さん、年少さん、年長さんの順に、3回のプログラムで行われました。
子どもたちの「とことん・トーン!」の呼びかけに応えるように、《ミッキーマウスマーチ》を演奏しながら出演者が登場。みんな、入ってきた扉からステージまで、興味津々で目を輝かせ、視線を注いでいました。
演奏が終わり、出演者2人の自己紹介の後は、3つの打楽器が紹介されました。★★IMG_8056.JPGトライアングル、カスタネット、タンブリン。
よく知っている楽器ですが、みんなが幼稚園で使っている楽器ではなく、演奏者が使っている楽器に、「音が違う!」と子どもたちから驚く声が上がりました。普段使っている楽器から、演奏者の手によって多彩なリズムや音色が生み出され、興味がわいたようでした。

そして始まったのは、2つのタンプリンの曲《カンバセーション(会話)》。
叩いて、振って、こすって…2人が交互に演奏し合います。どんな会話が聴こえたかな?
叩く真似をしたり、体を動かしたりしながら聴く子もいました。楽器への興味がわいて「自分もあんなふうに叩いてみたい」と憧れの気持ちもわいたのだと思います。

続いて、アフリカ生まれの楽器「マリンバ」と「ジャンベ」の紹介。

そして、「蜂さんの追いかけっこを想像しながら、聴いてくださいね」の言葉に続き始まったのは、マリンバ1台を2人で演奏する《熊蜂の飛行》。途中、出演者がくるっと身をひるがえして、低音から高音、また低音へ…と移動するパフォーマンスもありました。子どもたちは、速いバチさばきに見入ったり、動きを真似してみたり、さまざまな反応を見せていました。★★IMG_8161.JPGそして、マリンバとジャンベの共演による《ガーナイア》。
冒頭で鳴る、シャラシャラ…という音に「マラカス?」の声。
(紹介はありませんでしたが、これは「カシシ」という、やはりアフリカ生まれで、マラカスのように振って鳴らす楽器でした)
途中、齋藤さんがマリンバからジャンベに持ち替え、ジャンベ2台で演奏する場面もあり、年長さんからは「おまつりみたい!」「お話している!」「会話している!」の声が上がりました。
会話…2曲目を思い出したのでしょう。よく見ていますね!

子どもたちは、初めて見る楽器と、その音の大きさに驚いていました。
《ガーナイア》は他の曲と比べて少し長めでしたが、子どもたちは演奏に引き込まれ、思い思いに楽しんでいるようでした。(当初は年中・年長さんのみの予定でしたが、年中さんたちがとても関心を持って聴いている様子が見られたことから、急遽、年少さんの回にも演奏することになりました。)

そしていよいよ、子どもたちも参加のプログラム。
《大きな栗の木の下で》《幸せなら手をたたこう》《明石幼稚園園歌》と続きます。全身を使って手あそびをしたり、元気な声で歌ったりしながら参加していました。
《大きな栗の木の下で》は途中、テンポが速くなるところでは、みんな一生懸命ついていっていました。「はやすぎた~!」と言いながら、笑顔があふれて楽しそうでした。

★IMG_8119.JPG

プログラム最後は、2日後(11月20日)にひかえた、明石幼稚園のお誕生日にちなんで「誰もが1年に1回、素敵な日を持っているんだよ!」というメッセージが込められた《だれにだって おたんじょうび》。 曲中の「1月生まれ~♪ 2月生まれ~♪」のフレーズには、みんなそれぞれ誕生月に合わせて「はーい!」と元気に手を挙げて応えていました。

そして、アンコール。
年長さんからは、手拍子とともに「アンコール!」の声が上がります。
《にんげんっていいな(年中)》《さんぽ(年少)》《ともだち讃歌(年長)》を元気な声で歌い、最後は「明石幼稚園、おめでとう~!」の声で、終演しました。

全体を通して、子どもたちは曲に合わせて、叩く真似をしたり、体を動かしたりしながら、思い思いに楽しんで参加していました。出演者と子どもたちとの距離感がとても良かったです。
一緒に演奏している気分になったり、楽器や音楽へ憧れたり…子どもたちのさまざまな思いが存分に引き出されたと思います。すてきなコンサートでした。

(トリトンアーツサポーター南理絵 観察レポートより)

プロフィール

齋藤綾乃(Saito Ayano)パーカッション  
桐朋学園大学音楽学部打楽器専攻卒業。2012年日本打楽器協会主催マリンバ・スピリチュアル演奏コンテストにてアンサンブル Y・T・Eとして三木稔音楽賞。2019年美浜文化ホールにてプロコフィエフ作曲『ピーターと狼』打楽器とナレーションを担当。2020年4月~2022年3月、打楽器トリオ「とことんトン!」として公益財団法人川越市施設管理公社主催 学校公演登録アーティスト。2014年~、千葉交響楽団打楽器奏者。2022年~、ソニー音楽財団「こどものためのクラシック」登録アーティスト。
新野将之(Niino Masayuki)パーカッション  
国立音楽大学打楽器科を主席で卒業し矢田部賞を受賞。第81回読売新人演奏会に出演。PAS国際打楽器コンクール(イタリア)、Jeju金管打楽器国際コンクール(韓国)、日本国際打楽器コンクールにおいていずれも優勝を飾る。デビューアルバム「スネアは唸り、そして飛翔する」。ソロを始め、オーケストラ、吹奏楽、室内楽、ミュージカルなど幅広いフィールドで活動しており、これまでに数多くのコンサート、レコーディングに参加している。地域創造公共ホール活性化事業登録アーティスト。東京音楽学院講師。