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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 中央区立泰明小学校
2022年1月27日(木) 
 ①13:20-14:10
 ②14:20-15:10
出演 田村 緑(ピアノ)
概要 中央区立泰明小学校 
対象者:小学4年生 人数:36名

助成等:文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業) 
    独立行政法人日本芸術文化振興会

レポート

【プログラム】

♪サン=サーンス:組曲「動物の謝肉祭」より
     「序曲とライオンの行進」/「めんどりとおんどり」
     「野生のロバ」/「森のおくのかっこう」/「白鳥」
♪ピアノの ひ・み・つ
♪ホルスト:「木星」(組曲「惑星」第4曲)
♪エルガー体操  使用曲/エルガー:威風堂々第1番   振付・構成:田村緑 
♪「音楽と絵本」のプレゼント   
  使用曲/ドビュッシー:「ベルガマスク組曲」よりプレリュード  構成:田村緑
♪サン=サーンス:組曲「動物の謝肉祭」より「終曲」


【レポート】

 泰明小学校は、すてきな講堂でのアウトリーチです。ピアニストの田村緑さんは、視覚的にも分かりやすいようスライドを使用して、子どもたちに様々な気づきを促しながらプログラムを進めていきます。
  まずは前半のメインとなる、サン=サーンス作曲の「動物の謝肉祭」から、「序曲とライオンの行進曲」を演奏。「動物の謝肉祭」には全部で17種類の動物が登場するそうで、「例えばこんな動物」とスライドで紹介。「これなんでしょう?」「これは?」とテンポよく聞いていく田村さんの問いかけに、子どもたちも「かめ」「ぞう!」「はくちょう!」「にわとり!」とどんどん発言する空気になっていきます。「それでは、動物クイズ!」という声に俄然やる気の子どもたち。2度傾_カット_23EF44C8-732F-4EE2-918E-86A8C729C505.jpg 田村さんは、例えば「めんどりとおんどり」ではフランス語の「コケコッコ」(=コッコリッコッコー)という鳴き声がここに入っていた、などの解説もしますが、基本的には、「音楽は、目に見えない音で表現するものなので自分は白鳥だな、と思ったらそれもありですよ。」など話しながら、正解を当てることが目的でなく、それぞれが思い思いに聴いて感じてみることを主眼にしています。「森の奥のかっこう」では、田村さんの奏でるピアノと、子どもたちの声で共演、最後の「白鳥」では、自分の白鳥を自由に想像しながら聴きました。
s-IMG_4324.jpg 「ピアノのひみつ」コーナーでは、アクションモデルを見せながら、これもクイズ形式で、ピアノ音の出る仕組みを楽しく解き明かしていきます。みんな「ピアノ博士」になれたようです。
 次に演奏するホルストの「惑星」より「木星」では、興味深い作曲方法について紹介してから演奏することで、子どもたちもさらに集中して聴き入っていたように見えました。田村さん考案の「エルガー体操」では、皆で身体を動かしてすっきり、最後にとる好きなポーズでは、いすに座ってのポーズなどそれぞれ自分なりのポーズを考えていました。言われた通りに身体を動かすだけでなく、自分で考えられるところもいいですね。
●カット_s-IMG_4328.jpg 最後に、先生の朗読とピアノの演奏で、音楽絵本をプレゼント。講堂も暗くなって、ゆったりと絵本と音楽の世界に身をゆだねる時間が流れます。
 子どもたちが教室に帰る際は、「動物の謝肉祭」の「終曲」を聴きながら、1人ずつアクションモデルを触り、ピアノの響板の響きを感じながら退場しました。講堂を出た子どもたちは演奏が終わると廊下から大きな拍手をおくってくれました。
 音楽にとって大事なことを共有しながらも子ども達の自由な感性を引き出し、クイズや体操での参加があるなど、様々な要素が盛り込まれたアウトリーチでした。

(トリトンアーツスタッフ 観察レポートより)


【子どもたちのアンケートより】(抜粋)

●音で動物をイメージしたり動物の様子を表していてともて面白かったし、楽しかった。
●鍵盤の1つ1つがどうなっているのかもわかり、ピアノや音楽に興味を持ちました。
●ピアノの構造を知って「ピアノ博士」になれたので、家族にもピアノのクイズを出題しようと思いました。
●響板を触ったときすごく振動が伝わってきてびっくりしました。
●「動物の謝肉祭」はゆかいな音程や、国によって動物の鳴き声が違っていて旅をしたような気分になれました。
●人それぞれがいろんな考え方があって面白いと感じました。
●速く弾いているとわくわく、ゆっくりとなるとやさしくふんわりとして忘れられませんでした

プロフィール

田村緑(たむら みどり)ピアノ  
 田村緑さんは、3歳(さい)のころ、家族が趣味(しゅみ)で弾(ひ)くピアノに興味(きょうみ)を持ち、兄がピアノを習い始めると、自分も習いたいと両親に頼み、5歳からピアノを始めました。小学生の時は、音楽、スポーツ、国語が大好きで、夢はニュースキャスターかピアニストになることでした。中学3年生の時、進路を決めることになり、ピアニストになろう!と、音楽高校に進みました。大学ではイギリスに留学(りゅうがく)。ギルドホール音楽院、シティ大学院の修士(しゅうし)課程(かてい)を卒業。10年間ロンドンに滞在(たいざい)しました。その間に、ICベートーヴェン・ピアノコンクールで第1位を受賞(じゅしょう)。たびたびヨーロッパへ演奏旅行にも出かけました。今は、日本全国を旅しながら、コンサートホールや様々な場所でピアノを演奏しています。音楽を聴(き)く人と弾く人が一緒に楽しむ、そんな空間を作ることが好きです。また、そのために、コンサートの内容を考え、デザインすることも大好きです。みなさんの住んでいる中央区では、トリトンスクエアにある第一生命(だいいちせいめい)ホールで、トリトン・アーツ・ネットワーク主催(しゅさい)の「オープンハウス」「子(こ)育(そだ)て支(し)援(えん)コンサート」などに出演。中央区内小学校アウトリーチにも多数出演しています。
©Shigeto Imura