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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

アウトリーチ

アウトリーチセミナー修了生による
保育園・幼稚園アウトリーチ

豊洲保育園
晴海こども園
中央区立晴海保育園

基本情報

日時 ①豊洲保育園
 2022年11月24日(木)9:45~10:05/10:15~10:45/11:00~11:30
②晴海こども園
2022年11月29日(火)10:00~10:20/10:30~10:50/11:00~11:30
③中央区立晴海保育園
2023年2月10日(金)10:10~10:40/10:50~11:20
出演 弦楽四重奏
保手浜朋子/森麻祐子(ヴァイオリン)、小松あかね(ヴィオラ)、丹野陽介(チェロ)
概要 対象者:① 3~5歳児 ② 0~5歳児 ③ 4歳~5歳児
人数:① 95名 ② 150名 ③ 40名

助成等:文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会

レポート

【プログラム】
テーマ:音楽を聴いていろいろな気持ちを感じてみよう
♪ドビュッシー:弦楽四重奏曲より第1楽章
♪自己紹介と楽器紹介~
 ハイドン:弦楽四重奏曲第77番「皇帝」より第2楽章を演奏しながら~
♪各園のリクエスト曲を演奏
♪日本の民謡を聴いてみよう~
 幸松肇編曲:ソーラン節
♪シューマン:弦楽四重奏曲第2番より第1楽章

*上記のプログラムを基本として各園の実施時間等に合わせて調整しました。


■トリトン・アーツ・ネットワークが毎年開催している<若い弦楽器奏者のための 子どもと音楽との出会いをつくる「アウトリーチセミナー」>の修了生4名が弦楽四重奏の編成で保育園や幼稚園でアウトリーチを実施しました。


【レポート】

アウトリーチのテーマは「音楽を聴きながらいろいろな気持ちを感じてみよう」
 はじめに、なんとも不思議な音色のドビュッシー作曲、弦楽四重奏曲より第1楽章の途中までを演奏。子どもたちは目の前で演奏する演奏者や楽器をじっと見ながら、これから何が始まるのだろう?と耳を澄まして聴いていました。
 自己紹介と楽器紹介では、ハイドン作曲の弦楽四重奏曲第77番「皇帝」より第2楽章の美しいメロディを各楽器が演奏。それぞれの音の特徴を聴いてもらった後に、さらに4人で演奏をするとどんな響きになるのか聴き比べてもらいました。
★IMG_8342.jpg 「この4人でみんながよく知っている曲も演奏してみたいと思います」とお話してから、各クラスのリクエスト曲を演奏すると、子どもたちの顔が「あっ!知ってる!」と嬉しそうになりました。元気いっぱいにいっしょに歌ってくれたりと共演を楽しみました。
  続いて、日本の民謡「ソーラン節」のリズムやメロディを体感してもらいました。演奏が終わった後、子どもたちにどんな気持ちになったか聞くと、「楽しかった」「身体が動いちゃう」という声が聞こえてきました。演奏者もそれぞれどんなことを思いながら演奏していたかお話し、一人一人違うことを感じながら演奏していたこと、音楽は自分の好きなように感じてよいことをお話しました。
  4歳・5歳の子どもたちには、もう一度、ドビュッシーの弦楽四重奏曲より第1楽章を聴いてもらい、演奏し終わった後に「どんなことを感じたかな?」と聞くと、「かっこよかった!」「こわい感じがした」「きれいだった」「ドキドキした」などの感想が聞こえてきました。
  最後に、シューマン作曲の弦楽四重奏曲第2番より第1楽章の穏やかで美しい旋律を聴いて、子どもたちはどんなことを思ったかな?

トリトンアーツ スタッフ


 晴海保育園では演奏者が演奏している中、園児たちがホールへやってきました(入場の音楽:4歳クラス となりのトトロ 5歳クラス おもちゃのチャチャチャ)。知っている音楽に嬉しそうにしながらも、これからどのようなことが始まるのかと緊張している様子でした。コンサートのはじめに、ドビュッシー作曲の弦楽四重奏曲より第1楽章を少しだけ演奏しました。聴いたことのないクラシック音楽を聴いて、何か感じても らうための雰囲気作りのように感じました。
 ★IMG_1218.JPGのサムネイル画像 楽器紹介では、ハイドン作曲の弦楽四重奏曲「皇帝」の第2楽章の演奏を通して、各楽器の形状、音色、音域、響きを、「見て・聴いて」理解してもらいました。
 次に、リクエスト曲や園歌を演奏に合わせて歌い、少しリラックスしたような雰囲気になりました。
 日本民謡「ソーラン節」の演奏では、4歳クラスは途中から手拍子が自然に始まりました。演奏後、演奏者が演奏しながら感じていたことや、どのような気持ちで演奏していたかを話しました。
 そして、最初に少し演奏したドビュッシーの弦楽四重奏曲より第1楽章をすべて演奏しました。これまでの流れで、音楽を聴いてどんな気持ちになるか?人それぞれ自由に聴いていいんだよということを子どもたちなりに理解して聴いている様子でした。
  アウトリーチが終わり帰り際、4人の園児が廊下でコンサートのまねごっこをしていて、今回の体験がとても印象に残ったことが分かりました。

  (サポーター柴崎康久 観察レポートより)


【子どもたちのアンケートより】 
(4歳クラス)
・ブロックでギターをつくりたくなった
・みんなで園庭でおにごっこしているような感じがした
(5歳クラス)
・ヴァイオリンってこんなにきれいなんだと思った
・すてきなきもち、たのしいきもち、こわいきもち
・きれいな音だった
・どこかに旅行しているきもちになった

プロフィール

保手浜朋子 (ヴァイオリン/セミナー修了生)  
広島県出身。桐朋女子高等学校音楽科を経て桐朋学園大学音楽学部卒業。同大学研究科、桐朋オーケストラ・アカデミー修了。第22回日本クラシック音楽コンクール第5位。2018年鳥取大学室内管弦楽団と共演。これまでにヴァイオリンを故正守佳代子、田中晶子、豊田弓乃、久保良治、双紙正哉の各氏に、室内楽を岩崎洸、惠藤久美子、漆原啓子、白尾彰、田中雅弘の各氏に師事。現在はオーケストラ、室内楽を中心に演奏活動を行う。
森麻祐子(ヴァイオリン/セミナー修了生)  
愛知県名古屋市出身。4歳より、アメリカにてヴァイオリンを始める。第66回全日本学生音楽コンクール名古屋大会中学校の部 第3位。第21回姫路パルナソス音楽コンクール入賞。2018年ウィーン国立音楽大学ムジークセミナーディヒラーコンクール第3位。第11回岐阜国際音楽祭コンクール弦楽器部門一般Ⅰ部門第1位、併せて優秀賞、文化人特別賞を受賞。現在ヴァイオリンを植村太郎、山﨑貴子各氏に師事。名古屋市立菊里高等学校音楽科を経て、東京藝術大学を卒業。現在、同大学院修士課程1年在学中。
小松あかね(ヴィオラ/セミナー修了生)  
4歳より桐朋学園大学附属子供のための音楽教室へ入室し、研究科修了。桐朋学園大学卒業。
第21回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール審査員特別賞受賞。第25回、第27回日本クラシック音楽コンクール全国大会入選。第72回TIAA日本クラシック音楽コンサート奨励賞受賞。ウィーン国立音楽大学夏季セミナーにて、ディプロマを取得。これまでにヴァイオリンを中島郁子、石井志都子、ヴィオラを岡田伸夫、篠崎友美、室内楽を名倉淑子、久保田巧、加藤真一郎、長谷川陽子、山崎伸子、伊藤亮太郎の各氏に師事。現在、ソロ、室内楽等の演奏活動の他、島村楽器にてレッスン開講中。
丹野陽介(チェロ/セミナー修了生)  
都立芸術高校、東京音楽大学卒業。霧島国際音楽祭にて堤剛氏のマスタークラスを受講。リスト音楽院セミナーにてミクローシュ・ペレーニ氏のマスタークラスを受講。元東京クヮルテットの池田菊衛氏のマスタークラスをクァルテットにて受講。これまでにチェロを羽川真介、山本祐ノ介、松波恵子の各氏に、室内楽を山口裕之、大野かおる、松波恵子の各氏に師事。現在、フリーのチェロ奏者としてソロ、アンサンブル、オーケストラなど幅広く活動中。洗足学園音楽大学演奏補助要員。