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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 2021年7月13日(火)
①14:00~14:30
②15:10~15:40
出演 出演:鈴木由美/山本有莉(ヴァイオリン)、市川友佳子(ヴィオラ)、和泉景子(チェロ)
概要 実施会場:中央区立子ども発達支援センターゆりのき内
対象者:0~6歳の親子
人数:12組
助成等:文化庁 文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業) 独立行政法人日本芸術文化振興会

レポート

【プログラム】
♪ドレミの歌
♪楽器紹介
♪ラヴェル:弦楽四重奏曲 第2楽章(抜粋)
♪エビカニクス
♪ボロディン:弦楽四重奏曲 第2番より 第1楽章


【レポート】

トリトンアーツは毎年、中央区発達支援センター「ゆりのき」で、幼児室に通う未就学のお子さんと保護者の方のためにコンサートを行ってきましたが、2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大にともない実際に伺うことができず、動画を制作してDVDをお届けしました。今年度もコロナ禍は続いていますが、なんとか子どもたちに生の音楽をお届けできたら、とセンター所長、職員の皆さまのご尽力で、会場として同じ建物内の広いホールをご用意していただき、窓を開放し、席も指定席でお互いの距離を取れるようにするなど、感染症対策をしっかりしてコンサートを実施することができました。

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演奏は、トリトンアーツの「アウトリーチセミナー」で学んだ修了生、鈴木由美さん、山本有莉さん、市川友佳子さん、和泉景子さんの4人による弦楽四重奏です。コロナ禍になってからのアウトリーチでは、密を避けるために着替えなどもなくして演奏することが多かったのですが、今回は広い控室のあるホールをご用意いただいたことからドレスで登場しました。

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プログラムは、本格的な弦楽四重奏曲に加え、事前にセンターからいただいたリクエストを入れて組みました。最初の曲は「ドレミの歌」。客席が少し遠いので、ヴァイオリン2人とヴィオラは立って、マスクをつけたままではありますが、ごあいさつするかのように客席を向いて演奏しました。演奏が始まると、親子で顔を見合わせたり、身体をゆらしたりする様子が見られます。

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「ドレミの歌」が終わると、楽器紹介です。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと大きさの違いを見てもらった後、チェロから順番に「ドレミファソラシド」と低い音から高い音へ音階をリレーしていきます。ここまでは弦を弓でこすって演奏していましたが、今度は弦を指ではじいて音を出してみました。これも、チェロからヴァイオリンまで同じメロディーを低い音から高い音で聞いてもらいます。このメロディーがたくさん出てくるラヴェルの弦楽四重奏曲の抜粋を聞いてもらった後は、リクエストいただいた「エビカニクス」。途中でヴァイオリンの山本さん、ヴィオラの市川さんが「エビ!」「カニ!」と振付に合わせて踊る場面も。皆さん、手をたたいたりして楽しそうに聴いてくれました。

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最後は、少し長めの曲ですが、保護者の方にもじっくり美しい旋律を楽しんでもらいたいと、ボロディンの弦楽四重奏曲第2番から第1楽章をおおくりしました。アンコールの「さんぽ」では、センターの鈴を配ってもらって、みんなで思い思いに鈴を鳴らして弦楽四重奏と共演しました。

センターの職員の皆さまが、感染症対策をとって開催できるように取り計らってくださったこと、当日も参加してくれた皆さんに寄り添ってきめ細やかなサポートをしてくださったおかげで、演奏家からも「子どもたちの純粋な反応を感じながら演奏することができ、私にとっても貴重な時間でした」「距離がありながらも子どもたちの反応を感じ、本当に楽しいコンサートでした」などの感想がありました。コロナ禍の中でも、センターの皆さまのご協力でこうして音楽をお届けできたことに感謝し、感染対策に気をつけて今後も活動を続けていきたいと、改めて思いました。

(トリトンアーツスタッフ 観察レポートより)


【アンケートより】

●初めてヴァイオリン・ヴィオラ・チェロの演奏を聴けて、楽しんでいた。 
●楽器に触れる機会がないので興味津々であった。 
●子どもが音が大きい場所が苦手なイメージだが、克服できた気がする。 
●子どもが座って聴けるか不安であったが、最後まで聴くことができた。
●子どもが音楽が大好きだが、衝動性があり静かに座っていられないため、コンサートに行くことができなかった。音楽に触れるとても貴重な経験をさせてあげられた。

プロフィール

鈴木由美 (すずき ゆみ) ヴァイオリン   
3歳からヴァイオリンを始める。洗足学園音楽大学を卒業。卒業時に優秀賞受賞。第4回日本クラシック音楽コンクール全国大会入選。2008-09年兵庫芸術文化センター管弦楽団アソシエイトプレイヤー。洗足ニューフィルハーモニック管弦楽団首席ヴァイオリン奏者、桐朋学園芸術短期大学演奏助手などを務める。現在、洗足学園中学・高等学校非常勤講師助手。
山本有莉 (やまもと ゆうり) ヴァイオリン   
4歳よりヴァイオリンを始める。武蔵野音楽大学器楽科ヴァイオリン専攻卒業。在学中、福井直秋記念奨学金を受給。第62回東京国際芸術協会新人演奏会に出演。現在はソロ・室内楽をはじめ、アーティストツアー同行など幅広い活動を行うと共に後進の指導にあたっている。ミラベル室内アンサンブルメンバー。ヴァイオリン教室 Nous-ぬう-主宰。
市川友佳子 (いちかわ ゆかこ) ヴィオラ   
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て同大学器楽科ヴァイオリン専攻卒業。公益信託松尾金藏記念奨学基金を得て、同大学大学院音楽研究科音楽教育ヴィオラ専攻修了。蓼科音楽コンクール(現・セシリア国際音楽コンクール)第1位、ザルツブルクモーツァルト国際室内楽コンクール第 3 位。現在、東京藝術大学大学院音楽研究科博士後期課程在籍。
和泉景子 (いずみ けいこ) チェロ   
11歳からチェロを始める。東京芸術大学附属音楽高校を経て、東京芸術大学を卒業。泉の森ジュニアチェロコンクール銅賞。現在はオーケストラ、室内楽の演奏会に出演するほか、後進の指導にもあたっている。
(C)Ayane Shindo