日時 |
2020年7月31日(金) 10:00~10:20 |
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出演 | 斎藤光晴(フルート) 大成雅志(クラリネット) |
概要 |
実施会場:晴海保育園 中庭 対象者:4歳・5歳 人数:37名 文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業) 独立行政法人日本芸術文化振興会 |
【プログラム】
♪ モーツァルト:歌劇「魔笛」より序曲
♪ J.S.バッハ:管弦楽組曲第3番よりアリア
♪ モーツァルト:モテット「踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ」より第3楽章「アレルヤ」
♪ プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」よりムゼッタのワルツ
♪ J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲よりアリア
♪ モーツァルト:きらきら星変奏曲より
♪(アンコール)J.S.バッハ:インヴェンションより第8番
【レポート】
晴海保育園は、特別養護老人ホームと中学校と合築された建物の中にあります。その中庭で、保育園の子どもたちのために、トリトン晴れた海のオーケストラ フルート奏者の斎藤光晴さんと、クラリネット奏者の大成雅志さんによるアウトリーチを行いました。
子どもたちが中庭に面したお部屋に集まってすわって、開いた窓から外を見ていると……お兄さんが二人中庭に登場、すてきな音楽が始まりました。
冒頭モーツァルトの「魔笛」序曲の和音が鳴ると、不思議な音にびっくりしたのか、笑い出してしまう子供たち。和音の部分が終わり、速いメロディーが始まると、今度は楽しくなってくすくす……。それが、曲が進むにつれて、だんだん静かになって、いつの間にか、身を乗り出している子、音楽に合わせて足を動かす子もいました。
ふだんのアウトリーチでは、演奏家がお話をしながら進めますが、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を色々考えて、今回は、お話なしで進めることにしました。そういう訳で、拍手の後、フルートの斎藤さん、クラリネットの大成さんのお二人は、にっこり笑っておじぎをするとそのまま2曲目、3曲目と続けていきます。
子どもたちは、思い思いに、クラリネットの真似をして口の前で両手を動かしたり、頭や足をリズムに合わせて動かしながら聴いたりしていました。「アレルヤ」が始まると「わあー」と声を出し「何の曲?」。曲が終わると「じょうず~」「すてきな音楽~」と先生に話しかける子も。
曲間に、クラリネットに布を通すのに子どもたちが注目していることに気づいた大成さんが、スワブを目の前で見せてくれると、「なあに?」「きれいにしてるんだ」「ほこりとったの?」「音変えてるのかな」など興味津々でした。
最後の曲、モーツァルトの「きらきら星変奏曲」がはじまると「ABCだ」「これ知ってる!」と曲にあわせてABCD…と歌いだす子どもたち。変奏ごとに拍手、ゆっくりの変奏では曲にあわせて揺れている子も。最後の変奏が華やかに終わると「わあ」という声がもれました。拍手の音に振り向くと、中庭の向こう側から、老人ホームの通所者の方や、中学校の職員の方も聴いてくださっていました。
スタッフが「いかがでしたか?」とたずねると、大きな声で「すてきだった!」「OK~!」「また来て!」と子どもたち。たくさん拍手をしてくれたので、アンコールにバッハのインヴェンション第8番をお届けしました。最後に園長先生の「こっちがフルート、こっちがクラリネットでしたね」という説明で、楽器をよく見てもらいました。
トリトンアーツにとって、新型コロナウイルス感染症の問題が起こってから初めてのアウトリーチであり、これまでと違って、演奏家のトークなしで進めることには不安もなかったわけではありませんが、お話をしなくても、子どもたちにとって目の前で起こることには色々と気づきがあったようで、こちらも逆にはっとさせられました。思い思いに聴いて楽しんでくれたようでよかったです。
(トリトンアーツスタッフ)
東京藝術大学卒業。宮崎国際音楽祭、北九州国際音楽祭に参加。2012-16年新日本フィルハーモニー交響楽団契約団員。2000年より東京シンフォニエッタメンバー。 |
京都市立堀川高校音楽科を経て東京藝術大学音楽学部入学後、ベルリンを中心にドイツ各地で研鑽を積む。第68回日本音楽コンクール入選。アンサンブル東風、エロイカ木管五重奏団メンバー、日本クラリネット協会会員。 |