活動動画 公開中!

トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
Menu

レポート

基本情報

日時 2019年11月19日(火)
①10:00~10:25(0~3歳)
②10:45~11:15(4・5歳)
出演 ヴィルタス・クヮルテット(弦楽四重奏団)
[三上亮、對馬佳祐(ヴァイオリン)、馬渕昌子(ヴィオラ)、丸山泰雄(チェロ/リーダー)]
概要 実施会場:文化教養学園 すみれ組の部屋
対象者:0~5歳の園児
人数:118名

レポート

【プログラム】

【0~3歳】
♪モーツァルト:弦楽四重奏曲 変ロ長調K.458「狩」より 第1楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ
♪久石譲(松原幸宏編曲):となりのトトロ 弦楽四重奏版
♪久石譲(松原幸宏編曲):君をのせて 弦楽四重奏版
♪ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第1番 ハ長調Op.49 より第4楽章アレグロ

【4・5歳】
♪モーツァルト:弦楽四重奏曲 変ロ長調K.458「狩」より
第1楽章アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ
♪久石譲(松原幸宏編曲):となりのトトロ 弦楽四重奏版
♪ベートーヴェン:セレナード ニ長調Op.8より
第5楽章アレグレット・アラ・ポラッカ(弦楽三重奏)
♪久石譲(松原幸宏編曲):君をのせて 弦楽四重奏版
♪ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第1番 ハ長調Op.49 より第4楽章アレグロ

【レポート】

【0~3歳】
1曲目「狩」の最初の音が鳴ると、大きな音にびっくりして泣き出す子もいましたが、演奏者が子どもたちに向かってアイコンタクトをとり、微笑みながら演奏することで、場の空気が和やかになりました。 演奏者が、音を出す仕組みについて紹介し「ヴァイオリンの弓は何でできていると思う?」と問いかけると「馬のしっぽの毛!」と答えてくれた子がいました。ほかにも、演奏者が積極的に子どもたちに質問を投げかけ、子どもたちがしっかり答えていました。 ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第1番は、曲調が激しくなると首を縦に振ったり、うなずいたり、チェロの力強い大きな音に思わず耳をふさぐ仕草を見せる子もいました。 終わって、演奏者が退場した後、子どもたちは口々に「トトロだったね!」「大きな音だったー」と感想を言っていました。知っている曲、知らない曲を混ぜて演奏することによって、いろんな感情を想起したのだと思います。

s-〇DSC_0029.jpg

【4・5歳】
(4歳、5歳は園で全員がヴァイオリンを練習しています。) 子どもたちは、いつも弾いているヴァイオリンより大きなチェロに興味津々でした。演奏者が「こんなに大きいんだよ」と、立ってチェロを持ち上げてみると皆驚いた表情を見せました。「ヴァイオリンのようには構えられないね」と真似してみるなど普段見られないようなことをすることで、子どもたちもより心が動いたのだと思います。 2曲目「となりのトトロ」では、弾き始めると「トトロだ!」の声があちこちで上がりました。演奏に合わせてサビの部分を歌う子も多くいました。 3曲目のポラッカでは、3拍子に合わせてリズムにのる子どももいました。事前に「3拍子って、こんな踊りだよ」と演奏者が演奏しながら説明したことで、はっきりリズムとして聞こえてきたからだと思います。 また、ヴァイオリン奏者が子どもたちの方に楽器を向けて、アイコンタクトを取りながら演奏することで、少しざわざわしていた空気が一変するシーンもありました。

【全体を通して】

0~3歳、4・5歳とも前を見てしっかり演奏を聞いている様子がうかがえました。また、音がリズミカルになると体や頭を動かしてみるなど、全身で生演奏を感じているようでした。 演奏者も積極的に質問をしたり、アイコンタクトをとったりしていました。子どもたちから出た答えにも否定せずに答えていたこともあり、心の距離が近かったように思います。言葉と音で子どもたちとコミュニケーションをとっており、非常に和やかなアウトリーチになっていました。

(サポーター畑田七奈子 観察レポート)

プロフィール

ヴィルタス・クヮルテット[三上亮、對馬佳祐(ヴァイオリン)、馬渕昌子(ヴィオラ)、丸山泰雄(チェロ/リーダー)]  
2008年、チェロ奏者の丸山泰雄と福島県いわき市に新しく開館した「いわき芸術文化交流館アリオス」との共同プロデュースにより、同館を拠点に活動を開始。音楽を通じた地域交流を重視し、定期演奏会に公開リハーサルやワークショップ、学校や病院・高齢者福祉施設などへのアウトリーチを行うなど、地域密着の活動を展開している。
 東日本大震災の後、2011年11月に東京・小金井市および仙台市で演奏会を開催、2012年3月11日には震災1年の特別な意味を持つ定期演奏会をいわきにて開催。2013年4月より市民有志とともに「いわき室内楽協会」を設立。2014年2月にFirst CD「Descending Dragon」をALM Recordsよりリリース。第2回ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞受賞。
いわき市および東京都小金井市の定期演奏会のほか、ラ・フォル・ジュルネ、東京・春・音楽祭など各地の音楽祭に出演。神奈川県の相模湖交流センターでは、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲演奏会の後を受けて始まったモーツァルトとメンデルスゾーンのシリーズが絶賛を博している。
 結成11年目を迎えた2019年には第2ヴァイオリンに對馬佳祐が加入。今後も、あらゆる世代に本物の音楽の魅力を届けるための挑戦が続く。