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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 2017年1月16日(月)10:45~11:30/11:35~12:20/13:35~14:20
出演 浜まゆみ/金丸寛(マリンバ)
概要 実施会場:中央区立月島第二小学校第二音楽室
対象者:小学4年生3クラス
人数:合計83名(1組27名、2組27名、3組28名、支援級1名)
助成等:文化庁「平成28年度劇場・音楽堂等活性化事業」

レポート

第一生命ホールから徒歩15分程、勝鬨橋の袂にある月島第二小学校にて、マリンバ奏者の浜まゆみさん、金丸寛さんによるアウトリーチ・コンサートを実施しました。
tsukishima2_1.JPG児童達がワクワクながら音楽室で待っていると、浜さんと金丸さんが登場。スピード感あふれる勇ましい「剣の舞(A. ハチャトゥリアン作曲)」でコンサートが始まりました。至近距離で演奏される音楽の迫力に、児童たちは興味津々。一気に演奏に引き込まれてゆきます。
続いて演奏された「アフリカン・ブルース(W. ロッゲンカンプ作曲)」では、手拍子によるコール&レスポンスで、浜さん・金丸さんと共演。児童達は、金丸さんが手拍子するリズム(=コール)をよく聴き、同じリズムを手拍子で返します(=レスポンス)。誰かのお話をきいて返事をする会話のようでした。

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マリンバは木琴の仲間ですが、もっと大きく、より豊かな音色がします。浜さんが小学校にある木琴も演奏してくださったのですが、まるで親子のような見た目と音がします。マリンバは音量も大きく、よく響くので、音の振動が聴き手の体にもよく伝わってきます。
そして、この「振動」こそ、音が鳴るための重要なポイント。鍵盤をマレット(マリンバを叩くバチ)で叩くと、鍵盤が揺れて、その振動を鍵盤の下についているパイプ(共鳴管)で響かせて音を出しているのだそうです。振動体験(鍵盤に触ってもらい、振動を感じてもらう)や、パイプの実験(パイプの穴を塞ぐと音が小さくなる)など、とても分かりやすい楽器説明で、児童達の表情は「成る程!」という満足感であふれていました。

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音が出る仕組みへの理解が深まった後、演奏と児童達の反応は更に盛り上がってゆきます。1台のマリンバの周りを2人でグルグル回りながら演奏される「熊蜂の飛行(リムスキー=コルサコフ作曲)」での浜さん・金丸さんの超絶技巧と阿吽の呼吸、金丸さんのコミカルな動きも楽しい「アンダーソン・メドレー(L.アンダーソン作曲)」にと、盛りだくさんの内容です。

隣のお友達に「すごい!」と話しかける児童、びっくりしすぎで目を大きく見開いたまま固まってしまった児童、自分もマリンバを演奏しているかのように両手を動かす児童、凄すぎて思わず笑ってしまう児童等、皆それぞれの感じ方で楽しんでいました。

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最後はマリンバ2台で聴く「ボレロ(M.ラヴェル作曲)」。オーケストラ版では同じメロディーを、楽器を変えて演奏するこの曲を、今回は色々な種類のマレットを駆使して演奏。マレットの固さや大きさ等によって音色が変わってゆく様はとても美しく、児童達は真剣に聴き入っていました。

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浜さん・金丸さんとすっかり打ち解けた児童達は、曲と曲の間のお話コーナーで我先にと挙手をし、浜さん・金丸さんの問いかけに答えたり、思った事を話してくれたりと大盛り上がり。そして、演奏が始まると一気に音楽に聴き入る児童達の集中力の高さには驚かされました。児童達の様子から、よく集中して音楽を聴いていたからこそ、沢山お話したかったのだなと感じました。

tsukishima2_4.JPG素直に、言葉や、表情、仕草などで自分が感じたことを表現できる児童達の素直さが清々しく、気持ちの良い時間でした。
今回のアウトリーチ・コンサートがきっかけで音楽が好きになった児童、更に音楽が大好きになった児童が増えてくれれば嬉しいです。

(トリトンアーツ・スタッフ)

プロフィール

浜まゆみ(マリンバ)  Hama Mayumi
桐朋学園大学音楽学部演奏学科打楽器科マリンバ専攻を首席で卒業。同大学研究科修了後、アメリカミシガン大学打楽器科大学院留学。1999年、第2回世界マリンバコンクール第2位。これまでに東京交響楽団との共演、Percussive Arts Society コンベンション(テキサス、米国)“Time for Marimba”にて招聘演奏・パネリストとして出席。The University of California Davis(米国)、チアパス州立芸術科学大学(メキシコ)、The University of Michigan(米国)、California State University, Fresno(米国)、Denison University(米国)にて演奏・マスタークラスを行う。第1回ラテンアメリカマリンバコンクールにて審査委員を務める。国内外で演奏活動を行なう傍らでトークを交えながら幅広い層に親しめるサロンコンサートも行なっている。
金丸寛(マリンバ)  Kanemaru Hiroshi
桐朋学園大学音楽学部演奏学科打楽器科マリンバ専攻卒業。
マリンバ・打楽器奏者としてソロ、室内楽、オーケストラなど国内外にて幅広く活動している。
これまでマリンバアンサンブル「CADENDIA」、また「Marimba Ensemble Japan」のメンバーとして、マリンバの先駆者である安倍圭子氏と世界各地のコンサート、音楽祭等にて共演。
また大学在学中より国内外の様々な音楽家と共演するなど信頼も厚く、これまでに助演多数。
2009年に大熊理津子氏とマリンバデュオ「Gold'n Bear」を結成。2011年にはCD「Gold'n Bear」をリリースし、各方面より好評を得ている。