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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 2015年12月10日(木)10:25~11:10/11:15~12:00/13:00~13:45
出演 浜まゆみ(マリンバ) 新居由佳梨(ピアノ)
概要 実施会場:中央区立佃島小学校 第一音楽室
対象者:4年生
人数:94名
助成等:中央区文化・国際交流振興協会
文化庁 平成27年度「劇場・音楽堂活性化事業」

レポート

笑顔で音楽室に入ってくる子どもたち、わくわく感に溢れた表情だ。
先生のお話が終わると、
遠くの方からシャンシャンシャンと聞こえてくるのは、鈴の音・・
だんだん近づいて来てマリンバの浜さんとピアノの新居さんが登場、アンダーソンの「そりすべり」を演奏する。
クリスマスの時季には良く聴かれるこの曲、耳に馴染みはあっても題名までは知らない子も多い。『この曲聴いた事あるけど題名何だっけって事、よくあるよね』と浜さん。
次の曲では、曲を聴いて題名を当ててもらう。『道化師のギャロップ』『熊蜂の飛行』のどちらだろう。二者択一であったが、子どもたちは曲を聴いてイメージを思い浮かべ、イマジネーションを働かせて一生懸命考えている。
手を挙げてもらうと2曲は拮抗。演奏したのは『道化師のギャロップ(カバレフスキー)』の方だったが、みな周囲に流される事なく自分の受けた感じを大事に判断していた。
気持ちが盛り上がったところで楽器のお話。ローズウッドという木で出来ていて分解して運ぶこと、バチをマレットということ、マレットの堅さや素材によって色々な音が出せることなどを知って、子どもたちはマリンバ博士になったよう。


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その中で、鍵盤が振動してそれがパイプで共鳴して音になること、どんな楽器もその仕組みは同じであると、基本のお話は忘れない。子どもたちに順番にマリンバの鍵盤とピアノの弦に触ってもらい、音を出した時の振動を指先で感じてもらった。
続いての『熊蜂の飛行(リムスキー=コルサコフ)』では、「蜂になった気分で」とマリンバの周りを飛び回りながら演奏、浜さんのテクニックを余すところなく見せてくださった。
『星に願いを(ハーライン)』ではこれが打楽器かと思うような静かで柔らかな音であった。これもマレットの素材の故と、子どもたちは気がついたかな。
今度は、体を楽器にして『ティコ・ティコ(アヴレウ)』というリズミカルな曲に合わせてのボディパーカッション、どの子も楽しそうに参加。
最後の曲となった『チャルダッシュ(モンティ)』はジプシーの曲。前半の歌うような部分ではピアノの新居さんが鍵盤ハーモニカで、子どもたちの席の中に入って歩きながら哀愁を帯びたメロディーを演奏した。新居さんがジプシーの女性さながら蠱惑的に、子どもたちの目を見つめながら演奏すると中には照れる子も。
鍵盤ハーモニカが、こんなに表現力のある楽器である事に感心する。
チャルダッシュ後半は、浜さんと新居さんの息のあった演奏で幕となった。

音楽のイメージから題名を考える事、鍵盤や弦に触ってみる事、体を動かし参加する事など、聴くだけではなく能動的に参加出来るよう考えられているのが
素晴らしいと思った。
45分が短く感じられる楽しい時間だった。
(サポーター 小林美恵子)

プロフィール

浜まゆみ  (マリンバ)
桐朋学園大学音楽学部演奏学科打楽器科マリンバ専攻を首席で卒業。同大学研究科修了後、アメリカミシガン大学打楽器科大学院留学。1999年、第2回世界マリンバコンクール第2位。これまでに東京交響楽団との共演、Percussive Arts Society コンベンション(テキサス、米国)“Time for Marimba”にて招聘演奏・パネリストとして出席。The University of California Davis(米国),チアパス州立芸術科学大学(メキシコ)、The University of Michigan(米国), California State University, Fresno(米国), Denison University(米国)にて演奏・マスタークラスを行う。第1回ラテンアメリカマリンバコンクールにて審査委員を務める。国内外で演奏活動を行なう傍らでトークを交えながら幅広い層に親しめるサロンコンサートも行なっている。
新居由佳梨  (ピアノ)
東京藝術大学、同大学院を経て、スイス国立ジュネーヴ音楽院修了。国内外でのコンクールにて上位入賞多数。ヨーロッパでのピアノフェスティバルやリサイタルシリーズ、スタインウェイ・ジャパン社によるYoung Virtuoso Series、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンなど多くの演奏会に出演中。シャネル(株)「Pygmalion Days」2007年度アーティスト、(一財)地域創造公共音楽ホール活性化事業2012・13年度アーティスト。
伝説のバイオリニスト、イダ・ヘンデルとの共演をはじめ、著名な演奏家との共演や録音も多い。東京藝大伴奏助手を6年間務め、洗足学園音楽大学ピアノ科非常勤講師。スタインウェイ・アーティスト。