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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 2015年9月14日(月)
通所者:13:15-13:55
入居者:14:15-14:45
出演 早稲田桜子(ヴァイオリン) 早稲田眞理(ピアノ)
概要 実施会場:中央区特別養護老人ホーム マイホーム新川
(通居者:2階食堂/入居者:3階食堂)
対象者(人数):通居者(60名程度)、入居者(30名程度)
助成等:文化庁 平成27年度「劇場・音楽堂活性化事業」

レポート

今日は、中央区特別養護老人ホーム マイホーム新川にて早稲田桜子さんのヴァイオリンと早稲田眞理さんのピアノによるアウトリーチ活動を行いました。40分と30分に分け、食堂を利用して、通所者と入居者の方々に聴いて頂きました。

職員の方から演奏者の紹介があった後、ヴァイオリンとピアノによる「もみじ」(岡野貞一)が演奏され、演奏者の自己紹介に移りました。早稲田姉妹には兄弟がたくさんいるという話になると、「へぇ、そうなの。」と親近感を持たれた方もいらっしゃいました。

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2曲目の「ユーモレスク」(ドヴォルザーク)については、ヴァイオリンの早稲田さんが幼い頃、明治生まれの祖父に弾いていた思い出深いものだというエピソードと共に演奏がありました。「幸せなら手をたたこう」(スペイン民謡)では、手だけでなく肩や頬をたたいたり、ウィンクをしたりという場面があり、皆さん一生懸命筋肉を動かされていました。特に反響が大きかったのは「荒城の月」(瀧廉太郎)で、歌う方、うなずかれる方、真剣に何かを思い出すような顔をされる方などいらっしゃいました。大きな拍手が起こり、その後の「ツィゴイネルワイゼン」(サラサーテ)では、「大好きなんです。」という声もありました。

曲中、早稲田さんがヴァイオリンを演奏しながら、通居者、入居者1人1人の間を歩くと、それぞれ恥ずかしそう、嬉しそうな表情をしておられました。曲後、ヴァイオリンの振動を感じた、いい音だったと感想を述べられる方もいらっしゃり、熱気のような雰囲気がこちらにも感じられました。

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プログラムの最後に皆さんで、「赤とんぼ」(山田耕筰)「ふるさと」(岡野貞一)「七つの子」(本居長世)を続けて歌いました。多くの方が和らいだ表情で歌っており、早稲田さんが手を止めて歌に参加すると、一層声が大きくなっていました。アンコールの声が2回あがり、アンコール前にヴァイオリンの紹介です。弦は170~180本の馬の毛で出来ているという話があると、「へえ。」「あら!」などと驚きの声が上がりました。アンコールの「チャルダッシュ」(ヴィットーリオ・モンティ)や「G線上のアリア」(バッハ)が演奏される間には、手拍子をされている方も見られ、活動終了後に「すごく嬉しかったです。」などと感想を述べられていました。

職員の方も、目の前で聴くことができたのは印象的だったとおっしゃっており、演奏を聴かれた方々の紅潮した頬を思い出すと、音楽の生演奏が人の活力に影響するものなのだとしみじみ感じました。

[インターン/佃優希]

プロフィール

早稲田桜子  Waseda Sakurako (ヴァイオリン)
東京芸術大学音楽学部卒業。4歳よりヴァイオリンを始め、12歳より国内外で様々な演奏活動を行う。大学在学中、度々渡仏しフランス音楽を学び、卒業後はジャンルを超えた音楽を求め米国バークリー音楽院に留学。2002年から2年半パリに暮らしイヴリー・ギトリス氏に師事。音楽活動を続けるなか自らの体験を通して、身体、心理面へも興味を持ち、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得。2006年より(財)地域創造・公共ホール音楽活性化登録アーティストとして全国各地でレクチャー、コンサートを行うほか、病院、老人ホーム、矯正施設などでの演奏、震災後は復興支援チャリティーコンサートを積極的に行っている。ダンスとの共演や、和楽器、映像とのコラボレーション、他ジャンルのアーティストのコンサート、アルバム参加も多数。渾身のバッハ無伴奏が特筆されるべき演奏で、数々の演奏会を通して理解力・表現力を高めている。昭和音楽大学講師。
早稲田眞理  Waseda Mari (ピアノ)
東京音楽大学在学中に渡仏、シュトゥットガルト、ウィーンでドイツ音楽を学ぶ。パリ・エコールノルマル音楽院ピアノ科及び室内楽科の演奏家コース最高課程卒業。第4回シューマン国際コンクール入選、第7回ヴィオッティ・ヴァルセシア国際ピアノ・コンクールなどに入選。ロンドン王立音楽院にてARCM王立音楽家資格取得。昭和音楽大学講師。