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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 2015年2月10日(火)10:05~10:30/11:20~11:50
出演 吉野駿/北見春菜(ヴァイオリン) 福田道子(ヴィオラ) 伊藤七生(チェロ)
概要 実施会場:中央区立晴海幼稚園ゆうぎ室
対象者:年少~年長
人数:年少42名 年中40名 年長38名
助成等:平成26年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業

レポート

前半は年少さん年中さんとその保護者の方向けのコンサートです。園長先生の「素敵な楽器で素敵な音を出してくださる音楽家が4人来てくださいました。4つの音がまとまってステキな曲を聞かせてくださいます。昨日までは素敵な遊戯室だったお部屋が今日は素敵なコンサート会場です。静かに気持ちよく音楽を聴きましょう。心を込めた拍手でお迎えしましょう。」というごあいさつの後、ドレスアップした4人が後ろから登場しました。年少さんもきちんと座って音楽を聴こうと集中しています。

一曲目のグラズノフ作曲の弦楽四重奏曲が始まりました。ざわついていた保護者席の小さな子たちも音楽にひかれ会場全体がシーンとなり一気に音楽会の雰囲気全開です。

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一曲目終了後、自己紹介と楽器紹介がテンポよくすすめられます。四つの楽器で演奏することをカルテットと呼ぶこと。弦楽器とは木でできていて弦が4本あり弓で弾く楽器であること。グリーグの曲を弾きながらヴァイオリン、ビオラ、チェロと次々と紹介されていきます。ヴァイオリンとビオラを並べてみせてみると、「色が違う!」という子供らしい発見も。そして同じ曲をカルテットで演奏して、音が重なることの面白さ、美しさを聞いてもらっていきました。

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3曲目のモーツァルトの曲でカルテットをさらに味わってもらいます。
きれいな曲に聞きほれているともう最終曲。晴海幼稚園園歌をみんなで立って歌いました。カルテットによる豪華な伴奏でみんな気持ちよさそうに歌っていました。
アンコールは今大人気の曲です。みんないつの間にか歌いだしていました。

年少さん年中さんたちが部屋に戻った後の短い時間にも打ち合わせです。声量はどうであったか、話す内容に工夫するところはあるかなど、子供たちにもっと楽しんでもらうための準備を怠りません。

後半は年長さんとその保護者の方向けです。再び園長先生のお話でコンサートが始まります。「皆さんはカルテットを去年も聴きましたね。きょうも音楽もすてきだし、お洋服も素敵な皆さんです。お耳と心で音と演奏者への感謝を持って聞きましょう。どうぞ!」という言葉とともに拍手の中4人が登場です。

1曲目のグラズノフの曲をみんなお行儀よく背中をぴんと伸ばして聞いています。

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終了後、自己紹介と楽器紹介。各々の「おはようございます」という挨拶にみんなが大きな声でちゃんと答えてくれるのにちょっと照れているお兄さんお姉さんたち。楽器紹介も子供たちとの言葉のキャッチボールを楽しみながら進みます。ビオラを見せると「ギター?」、音には「落ち着いた感じがする」。チェロには「でかい!!」、音には「怖い!」。そしてグリーグの曲をカルテットで演奏すると、「ちょっと短い」「みんなで弾くと音が大きい」「きれいな音」など次々と声が上がりました。

3曲目はモーツァルト。子供たちから「うまい!!」。

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次は子供たちとの合唱です。“ビリーブ”を姿勢よく大きな声で歌ってくれました。ステキな演奏と子供たちの上手な歌声に涙ぐんでいるお母さんたちもいました。(余談ですが、私もビリーブを聞くと我が子のいろいろな記憶がよみがえりついつい涙ぐんでしまうのですが、このお母さんたちにとってもビリーブの曲が子供との幸福な記憶と結びついているのだなと思うと思わず嬉しくなってしまいました。)

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最後は晴海幼稚園園歌。とても元気に歌えました。
代表の子供たちから花束をいただきました。どうもありがとう。
アンコールは今大人気の曲。みんなニコニコ、初めは声が聞こえないように合わせていましたが、最後は遠慮がちに歌って、演奏が終わるとみんなで「ウフフ」と嬉しそうに笑って終わりました。
大きな拍手に送られて無事終了しました。(サポーター 長澤)

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晴海幼稚園にて、トリトン・アーツ・ネットワークの「室内楽アウトリーチセミナー」を受講したメンバーによる「弦楽四重奏のコンサート」が開かれました。晴海幼稚園では園児だけではなく保護者の方達も一緒に演奏会を楽しみます。今日も開場の時間まで待ちきれず様子を見に来る子どもたちや、開場時間より前に来て既に待っているお母さん達も見受けられました。

1曲目はグラズノフの「弦楽四重奏曲第3番ト長調Op.26「スラヴ」より」を演奏しました。普段こんなに近くで演奏を聴く機会がない子供たちは演奏に釘づけでした。

続いて自己紹介と楽器紹介のコーナー。「この楽器、なんて名前だ~?」と演奏者のお姉さんが聞くと「ヴァイオリン!」という答えもチラホラ聞こえました。また、この次に演奏するグリーグの「弦楽四重奏曲第1番ト短調より」の冒頭をヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと個別で聴いてもらいました。子供たちは「ヴィオラは落ち着いた音がするね」「チェロの音は怖いけどカッコイイ」と普段馴染みのない楽器の音色に興味を示していました。個々の音色を聴いた後に同曲をアンサンブルで演奏することにより、各楽器の音色の違いを楽しむと同時に、同じメロディでもアンサンブルとして演奏することで生まれる音の重厚さや、楽器の掛け合いの楽しさを子どもたちに伝えることが出来ました。

カルテットや楽器について皆が少し詳しくなった後、モーツァルトの「弦楽四重奏曲ト長調K387」を聴きました。解説が入る前に聴いたときとはまた一味違った楽しみ方ができたと思います。

最後はみんなで歌おうのコーナー。年少・年中さん向けのコンサートでは皆がよく知っている「園歌」を、年長さん向けの方では「ビリーブ」も歌いました。いつもならピアノに合わせて歌っている園歌ですが、弦楽四重奏の伴奏に合わせると雰囲気がガラリと変わりました。

プログラムはここで終わりましたが、もっと聴きたいという子供たちの声にお応えしてアンコールには大人気の皆の好きな歌を演奏してくれました。大好きな曲に子供たちは大興奮!途中、一緒に歌っていた子もいました。

かっこいいクラッシック曲や皆が知っている曲を間近で聴くことができ、子どもたちに生演奏の良さやアンサンブルの楽しさを感じてもらえた時間になりました。(インターン 山上)

プロフィール

吉野駿  (しゅんおにいさん/第1ヴァイオリン)
5歳からヴァイオリンを始めました。ニューヨークのジュリアード音楽院(プレカレッジ)で勉強した後、桐朋学園大学音楽学部を卒業。日本学生音楽コンクール・東京大会入賞。2013年トリトン・アーツ・ネットワーク「室内楽アウトリーチセミナー」に参加しました。また2014年12月まで、カナダのオタワ国立芸術センター管弦楽団(NACO)にアカデミー生として在籍していました。
北見春菜  (はるなおねえさん/第2ヴァイオリン)
7歳からヴァイオリンを始めました。桐朋学園大学音楽学部を卒業、同大学研究生と桐朋オーケストラ・アカデミー研修課程を修了。サントリーホール室内楽アカデミー第1・2期生としてサントリーホールのチェンバーミュージック・ガーデンに出演しました。2012年トリトン・アーツ・ネットワーク「室内楽アウトリーチセミナー」に参加。横浜市栄区民文化センターリリス レジデンス・アーティストとして地元横浜でも演奏活動をしています。
福田道子  (みちこちゃん/ヴィオラ)
国立音楽大学附属音楽高等学校で勉強中にヴィオラを始めました。桐朋学園大学音楽学部で学び、同大学研究科、桐朋オーケストラ・アカデミーでも勉強しました。2011年トリトン・アーツ・ネットワーク「室内楽アウトリーチセミナー」に参加。サイトウキネンフェスティバル、小澤国際室内楽アカデミー奥志賀などに参加しました。いまは、関東と関西を中心に活動しています。
伊藤七生  (セブン/チェロ)
9歳からチェロを始めました。桐朋学園大学を卒業、同じ大学の大学院修士課程を修了、ドイツやスペインの音楽祭でも勉強しました。2011年トリトン・アーツ・ネットワーク「室内楽アウトリーチセミナー」に参加しました。鹿児島県や富山県、八王子市や中央区でアウトリーチ活動をしたほか、いまは洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団のチェロ奏者をしています。