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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 2013年12月2日(月)10:45~12:25
出演 浜まゆみ(マリンバ) 羽田めぐみ(ピアノ)
概要 実施会場:月島第三小学校 第一音楽室
対象者:4年生2クラス
人数:68名
助成/後援:中央区文化・国際交流振興協会
平成25年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業

レポート

マリンバとピアノの音楽会が月島第三小学校で開かれました。
小学校にないマリンバは、分解された状態で音楽室に運ばれ、組み立てられました。演奏前の休み時間には音楽室に現れた不思議な楽器・マリンバを一目見るため、子ども達が集まりました。リハーサルではマリンバ奏者の浜まゆみさんがマレッド(撥)を真剣に選んでいました。木の温度や、音楽室での響きなどで変わる音色を、子ども達が聴きやすいように考えて調節されました。

2組に分かれて行われた音楽会はどちらも、一曲目の「剣の舞」が終わると「すごい」という声が上がりました。演奏中子ども達は、隣の子と目を見合わせたり、ジッとマリンバを見つめたりしていました。マレッド4本を使っての演奏は、子どもたちにとって驚異的な技に見えたのかもしれません。皆がマリンバに興味を持ったところで楽器の紹介です。分解してマリンバを運んだこと、音板がローズウッドでできていること、高音と低音でマレッドを使い分けていることなど、自身が4年生だった頃の話を交えながら教えていました。さらに、マリンバを叩くと音板がどうなるのか知ってもらうため、全員にその振動を体験してもらうことに。まず子ども達をマリンバの周りに集め、人差し指で優しく音板に触っていてもらいます。その音板を叩いていくと、振動が音板を通して指に伝わります。叩くと震える音板に、子どもたちは「気持ちいい」や「おもしろい」など楽しそうに感想を伝えてくれました。

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2曲目は「アフリカンブルース」です。手でマリンバを演奏し、足で鈴を鳴らしました。マリンバの演奏を引き立て、子ども達の視線を集めたのは鈴です。3曲目の「そりすべり」でもクリスマスのトナカイを連想させる鈴や鞭、空を飛ぶような音を出すサイレンホイッスルが使われ、打楽器とマリンバを組み合わせた演奏を楽しみました。また、4曲目の「チキンリール」では、ボディパーカッションで出演者が子ども達と掛け合いを行いました。最後の「ウィリアムテル序曲」では体でリズムを取る子が居て、子ども達はマリンバの事を身近に感じているようでした。

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演奏終了後、子ども達からお礼の言葉と、ソーラン節の合奏をいただきました。マリンバの演奏に刺激を受けたのか、合奏後にもっと弾きたいという声も聞くことができました。アンコール曲ではマリンバを囲い、コンサートでは体験できないような距離で演奏やその技術を楽しんでいました。音楽会が終わっても、出演者に質問しに行ったり、マリンバに触ってみたり、たくさんの子ども達が楽器に興味を持ってくれました。マリンバを中心にいろいろな音との出会いができ、音楽がよりおもしろくなったのではないかと思います。

(インターン/酒井綾香)

プロフィール

浜まゆみ  (マリンバ)
桐朋学園大学音楽学部演奏学科打楽器科マリンバ専攻卒業。同大学研究科修了後、アメリカミシガン大学打楽器科大学院留学。1999年、第2回世界マリンバコンクール第2位。これまでに東京交響楽団との共演、NHK、NHK教育テレビ、Percussive Arts Society (国際打楽器芸術協会)コンベンション(フロリダ、テキサス)にて招聘演奏。The University of California Davis パーカッションフェスティバル(米国)、チアパス州立芸術科学大学(メキシコ)、The University of Yonsei にて行われたKeiko Abe International Marimba Academy (韓国)にて招聘演奏・マスタークラスを行う。第1回ラテンアメリカマリンバコンクール(メキシコ)にて審査委員を務める。また、The Universal Marimba Festival(ベルギー)、The Taipei International Percussion Convention(台湾)に Marimba Ensemble Japan のメンバーとして出演するなど 国内はもとよりアメリカ、アジア、欧州の各地でも演奏活動を行なっている。