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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 2012年7月17日(火)13:15~13:55  14:15~14:45
出演 小野明子(ヴァイオリン) 益田正洋(ギター)
概要 実施会場:中央区特別養護老人ホーム マイホーム新川
対象者:入居者・通所者
人数:通所者30名 入居者50名

レポート

中央区特別養護老人ホームのマイホーム新川には入居されている方が約80名、ショートステイなどを目的に通所されている方が約50名いらっしゃいます。7月17日は、ヴァイオリンの小野明子さん、ギターの益田正洋さんをお迎えし、入居者の方、通所者の方それぞれを対象とした2回のコンサートをお届けしました。
会場となる食堂には大きな窓があり、そこからは隅田川と中央大橋を見渡すことができます。明るい太陽の光が差し込む会場でした。

1回目(通所者対象 40分)
1回目は2階の食堂で通所者約30名をお招きして40分のプログラム構成で行いました。
ヴァイオリンとギターによる、エルガー作曲「愛の挨拶」から始まり、ひき続いて小野さんと益田さんそれぞれがご自分の楽器についてトークをしてくださいました。
小野さんのヴァイオリンがイタリアで230年前に製作されたものだということに皆さんは驚かれていました。益田さんがご自分のギターについて「東京にお住まいの方が6年前に作ったものです」と説明されたのに対し、小野さんが「まだまだ子どもですね」とおっしゃったときには会場に笑いが起こりました。
40分構成のプログラムには、ヴァイオリン、ギターそれぞれのソロ曲を取り入れました。特にギターのソロは、それまでのデュエットよりも情熱的で激しく、前方の席の方々は益田さんの手の動きを食い入るようにご覧になっていました。
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2回目(入居者対象 30分)
2回目は3階の食堂で入居者とそのご家族をお招きして行いました。コンサート開始前にマイホーム新川のスタッフの方々が、車イスや移動ベッドをご利用の入居者の方々をご案内くださっていたため、それぞれのお身体の状態に合わせた聴きやすい場所で聴いていただくことができました。
プログラムは、お身体への負担を考えて、ソロ2曲を除いた30分の構成としました。
手で静かに拍子をとりながら聴く方、曲が終わるごとに「すばらしい」とお声をかけられる方もいらっしゃいました。それに応えるように、演奏者のおふたりがときおり、聴いていらっしゃる方々と目を合わせるようにして演奏なさっている姿が印象的でした。
当初は20名程度を予定していましたが、音楽に誘われるかたちで、周囲に人が集まり、アンコールで演奏した「ふるさと」はフロア全体での大合唱となりました。
コンサート終了後に、マイホーム新川の方から、小野さんに合わせてヴァイオリンを弾く動きをしながら聴いていらっしゃる方や、普段はお声を出されないのにお声を出されていた方がいらっしゃった、とのお話を伺いました。そのお話に、演奏者のおふたりも手応えを感じていらっしゃったようでした。
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プロフィール

小野明子  (ヴァイオリン) Ono Akiko
12歳で英国メニューイン音楽院に単身留学、巨匠メニューインに7年間師事する。その後、ウィーン国立音大、同大学院で研鑽を積み、2000年「メニューイン国際ヴァイオリンコンクール」、02年「ヴィオッティ・バルセシア」、03年「フォーバルスカラシップ・ストラディヴァリウス」各国際コンクールで優勝、「エリザベート王妃」「パガニーニ」「シゲティ」に入賞し注目を集めた。1996年以降、メニューインやロストロポーヴィチ、アンネ・ゾフィー・ムターと共演する他、ワイマール交響楽団、ベルギー国立管弦楽団、仏・リール国立交響楽団、リトアニア室内管弦楽団、コスタリカ交響楽団、ロンドン室内管弦楽団などと共演し、これまで世界28カ国で演奏する。国内ではNHK交響楽団、読売日響、東京響、新日本フィル、東京シティ・フィル、大阪フィル、名フィル、札響、広響、セントラル愛知響、兵庫芸術文化センター管弦楽団等と協演。野平一郎氏と奏でる珠玉の小品集CD「チゴイネル ワイゼン」(ナミ・レコードWWCC-7595)は各誌で評価されている。現在、メニューイン音楽院にて教鞭をとる傍ら、室内楽奏者として幅広く活躍。佐渡裕音楽監督率いる「スーパーキッズ・オーケストラ」特別指導者。英国在住。

オフィシャル・サイト
http://aspen.jp/artist/violin/akiko-ono/index.shtml
益田正洋  (ギター) Masuda Masahiro
長崎県長崎市出身。幼少時に両親の手ほどきによりギターを始める。
90年、クラシカルギターコンクールにて史上最年少で第一位を受賞。東京国際ギターコンクール、バーネットファミリー財団国際ギターコンクールにても入賞を重ねる。91年のデビューリサイタルを皮切りに国内外にてソロ・リサイタル。JGA音楽祭やガラコンサートや音楽祭などにも招聘される。
2000年にジュリアード音楽院入学。ロドリーゴ生誕100周年記念コンサートのコンチェルト・ソリストとして海外デビュー。J.デプリースト指揮、ジュリアード・シンフォニーと共演する。
これまでに発表したCDの多くがレコード芸術誌特選盤として紹介。読売新聞、東京新聞、婦人公論、レコード芸術誌、現代ギター誌など各メディアからも支持を集め、リリースしたアルバムは15枚にも及ぶ(2012年7月現在)。8月には新CD「カタルーニャ」をリリース予定。またクラシック音楽普及活動の一環でもあるアウトリーチコンサートにも積極的で、公共ホール音楽活性化事業支援アーティストとして活動を続けている。
現在、日本を代表する実力派ギタリストとして注目度も高く、東京オペラシティ主催のリサイタルシリーズ、B→C(ビートゥーシー)にも招聘され成功させるなど、意欲的な演奏活動が注目されている。

オフィシャル・サイト
http://www.masahiromasuda.com/