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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 2012年2月23日(木)
出演 田中愛(チェロ) 小川道子(クラリネット)
概要 中央区立日本橋幼稚園 年少35名 年中・年長102名
補助:文化庁 優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業

レポート

1)サティ/ピカデリー・マーチ 
チェロ奏者が演奏場所にスタンバイし、扉の後ろからクラリネット奏者が演奏しながら登場すると、歓声がわき起こり園児達はその演奏に釘付け。クラリネット演奏者が自分たちの近くを通り、至近距離でその音色を感じると、笑い声も出始め、園児に楽器を近づけると、「わぁ~」と声を出し、大喜び。

2)楽器紹介 
クラリネット紹介(楽器を3つに分解して説明)
意外とクラリネットを知っていた。「フラットさんの楽器」と言っている子どもも。「吹いてみたい」「やってみたい」とたくさんの元気の良い声が聞こえてきた。
チェロの楽器紹介
「この楽器は?」と聞かれて「バイオリンが大きくなった楽器」という答えも。チェロの音の響きが床を伝い、みんなでその床の振動を感じていた。楽器演奏の時は、弾く真似をしながら聴いたり、体を動かしながら聴いたり、それぞれの思いの中で興味深く、そして自由に楽しんでいる様子だった。

20120223_nihonbasi_report1.jpg3)日本の歌メドレー
最初に演奏された「雪」では、何の合図もないのに園児みんながしっかりとした大きな声で一緒に歌っていた。後、「虫の声」や「七つの子」も、知っているメロディや知っている歌詞をところどころ口ずさんでいた。

4)ベートーヴェン:3つのデュオ第1番より第1楽章 
集中して静かに聴いていた。アップテンポなフレーズのところでは「トーマスが走っている歌みたい」という声も。終わった後は「すごくおもしろかった!」とイキイキした表情が印象的だった。

5)いっしょにうたおう 年少:さんぽ 年中&年長:ドレミのうた
年少さんは、楽器の周りに集まって“さんぽ”を歌った。楽器に近づけてとても嬉しそうだった。人数が少なかったので、可能だった試みだが、とても良かった。
年中&年長さんは、元気よくドレミの歌を歌っていた。

20120223_nihonbasi_report2.jpgチェロとクラリネットというあまり馴染みのないデュオだったが、とても面白かった。弾く楽器と吹く楽器という、音の出し方が違うふたつの楽器が奏でるデュオの世界を園児たちは、自由に素直に楽しんでいたように思う。
1回目の年少さん、そして2回目の年中&年長さんのコンサートでの反応の違いにも驚いた。年少さんは、この日のコンサートの珍しさや、この楽器何だろうという興味を持ちつつも、反応も自分たちの言葉にはまだ置き換えられず、あっという間にコンサート時間が過ぎていったような感じ。それに比べ年中&年長さんは、聴く姿勢(態度)もしっかりし、集中力も高く、反応もとても良かった。コンサートを自分たちの中でしっかり消化しているように思えた。幼児期の1年1年の成長はとても大きいと実感した。
(レポート サポーター山白真代)

プロフィール

田中 愛(チェロ)  
桐朋学園大学卒業。同大学研究科、並びに桐朋オーケストラアカデミー研修課程修了。チェロを倉田澄子氏に師事。室内楽を岩崎洸、岡田伸夫、藤井一興氏等に師事。堤剛、池田菊衛、江口玲氏等の公開レッスンを受講。チョン・ミュンフンが芸術監督を努めるAPOA,MMCJ、アドヴェントセミナー、クルト・マズア マスターコース等、室内楽やオーケストラセミナーに参加。その他、東京春音楽祭 東京のオペラの森などに出演。(財)地域創造公共ホール音楽活性化アウトリーチ・フォーラム事業沖縄セッション、京都セッションに弦楽カルテットで参加し、各地の小中学校でのアウトリーチやコンサートを行う。現在、ソロや室内楽、オーケストラ等で活動中。
小川 道子(クラリネット)  
東京都出身。15歳よりクラリネットを始める。2003年桐朋学園大学音楽学部演奏学科クラリネット専攻を卒業。翌年、同大学研究科を修了。2005年4月よりドイツへ渡り、2006年4月よりドイツ国立フライブルグ音楽大学にて、イェルク・ヴィトマン教授の下で研鑽を積んだ後、2008年2月に満場一致の最優秀の成績で卒業。同時にディプロムを取得する。2006年5月ドイツ国立トロッシンゲン音楽大学にてチャールズ・ナイディック氏(ジュリアード音楽院教授)のマスタークラスを受講。2006年10月、ドイツ国立フライブルグ音楽大学にてカール・ライスター氏(元ベルリンフィル首席奏者)のマスタークラスを受講し、修了演奏会に出演。2007年1月にはカールゼーマンプライスで2位に入賞。同年ドイツのシュトゥットガルトで催された第55回ドイツ国内音楽大学コンクールに学校代表として選出される。2008年4月完全帰国。2009年2月、サロン・テッセラにて帰国リサイタルを開催し、好評を博す。現在は後進の指導にも力を入れながら、オーケストラ、ソロ、アンサンブルをなどで幅広く活動中。これまでにクラリネットを鈴木良昭氏、イェルク・ヴィトマン氏、ソーニャ・ウ゛ィルフォート氏に師事。その他、アルフレード・プリンツ氏(元ウィーンフィル首席奏者),ギュイ・ドュプリュ氏(元パリ国立高等音楽院教授)、リシャール・ヴィェイユ氏(パリ市立音楽院教授)、ロマン・ギュィヨ氏(ソリスト、元パリオペラ座首席奏者)等のマスタークラスを受講。また、室内楽を二宮和子氏、蠣崎耕三氏、猶井正幸氏、故・ゴールドベルグ・山根美代子氏、ニコラウス・チュマチェンコ氏、イェルク・ヴィドマン氏、ハンス・エルホルスト氏、ブルーノ・シュナイダー氏、クラウス・シルデ氏に師事。

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