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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 2011年11月11日(金)
出演 カルミナ四重奏団(弦楽四重奏)
概要 中央区立佃島小学校 4年生 95名(3クラス)
助成・後援:中央区文化・国際交流振興協会
補助:文化庁 優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業

レポート

 第一生命ホールの「クァルテット・ウィークエンド」シリーズに出演するため、スイスから来日した「カルミナ弦楽四重奏団」によるアウトリーチを実施しました。
今回は本公演でのプログラムを中心に、小学生のためのアウトリーチプログラムを特別に考えてきてくれました。弦楽四重奏では、どうしても第一ヴァイオリンがメロディを受け持つことが多く目立つ存在ですが、第二ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのそれぞれが目立つような曲を選曲し、演奏の前に楽器の紹介や聴きどころを話してくれたので、子どもたちも各楽器や演奏に興味を持って聴くことができた様子でした。

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まずは、ドヴォルザークの「アメリカ」ではヴィオラがメインに、次にいつもは第二ヴァイオリンのスーザンがヴィヴァルディの『四季』から「春」よりでソロヴァイオリンを演奏し、ボロディンの「ノットゥルノ」ではチェロのシュテファンが重厚な響きを聴かせてくれました。ボッケリーニの「ファンダンゴ」やジミ・ヘンドリックスの「パープル・ヘイズ」などタンゴやロックの曲も取り入れ、子どもたちは自然と音楽の世界に惹き込まれていきました。質問コーナーでは、元気な男の子の「チェロはどのくらい重いんですか?」という質問にシュテファンが自分のチェロを持たせてあげる一幕も。
最後は佃島小学校の校歌をカルミナが演奏し、初めは全員で演奏を聴き、次に演奏に合わせて歌を歌いました。
カルミナ弦楽四重奏団の「音楽が大好き」という気持ちが子どもたちに伝染していくような素敵なアウトリーチでした。

プロフィール

カルミナ弦楽四重奏団  Carmina Quartet
マティーアス・エンデルレ(ヴァイオリン) Matthias Enderle, violin
スザンヌ・フランク(ヴァイオリン) Susanne Frank, violin
ウェンディ・チャンプニー(ヴィオラ) Wendy Champney, viola
シュテファン・ゲルナー(チェロ) Stephan Goerner, cello

カルミナ弦楽四重奏団は25年もの間世界各地のコンサートステージを巡り、バラエティに富んだレパートリーと確固たる音楽性に裏付けされた国際的な名声を欲しいままにしている。濃厚な感情表現、軽々と見せる完璧な演奏、そして様式への誠実性が、1984年にスイスで結成されたこの弦楽四重奏団の相変わらずの特性である。結成早々に数々の国際コンクールで入賞を重ね、各国の紙面の見出しを飾ったことから国際的な活動が始まり、ファイナンシャル・タイムズ紙に“将来は約束された”と書かれた通り、世界トップクラスの弦楽四重奏団としての地位を確固たるものにしている。

シャンドル・ヴェーグ、アマデウス弦楽四重奏団とラサール弦楽四重奏団メンバー、そして古楽器奏法への強い関心を育ませたニコラウス・アーノンクールに師事。幅広い弦楽四重奏のレパートリーのほか、内田光子、エマニュエル・パユ、トゥルルス・モンク、ザビーネとヴォルフガング・マイヤー、アントニオ・メネセス、ヴェロニカ・ハーゲン、オラフ・ベーア、ヴォルフガング・ホルツマイアーやグザヴィエ・ドゥ・メストレといったアーティストたちとも共演している。

これまでにDENONから数々のCDをリリースしており、それらの多くはグラモフォン賞、ディアパソン誌賞、ドイツ・レコード大賞を受賞、またグラミー賞にノミネートされるなど話題を集めた。最新CDには、ソニーから2010年にリリースされたモーツァルトとブラームスのクラリネット五重奏曲(共演:ヴォルフガング&ザビーネ・マイヤー)、ボッケリーニのギター五重奏曲(共演:ロルフ・リズレヴァント)、そしてDENONからリリースされたバルトークの弦楽四重奏曲第1番、第2番と、シューマンのピアノ五重奏曲とシューベルトのピアノ五重奏曲「ます」(共演:田部京子)がある。田部京子との共演のシューマンとシューベルトのCDは、日本の2008年レコード・アカデミー賞を受賞している。引き続き、田部京子との共演でDENONからブラームスのピアノを含む室内楽作品集をリリースする予定である。

チューリッヒ芸術大学のレジデント・クァルテットとして、豊かな経験と芸術性を次世代の音楽家たちに伝授するべく後進の指導にあたっている。

カルミナ四重奏団オフィシャルホームページ (独・仏語のみ)
©Christian Lanz