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江東区立有明小学校でのアウトリーチレポート

2017年8月30日

0628Ariake_P6280042.JPGさる6月28日、江東区立有明小学校に「Meet The 和楽器」と題したアウトリーチに伺いました。

4年生の約120名に、お箏の体験とミニコンサートを鑑賞してもらいました。どんな様子だったのかをご紹介します!!

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有明小学校、陽の光が一面にふりそそぐ広々とした5階のランチルームで「Meet the 和楽器」と題したお箏体験と邦楽ミニコンサートが行われました。

参加者は4年生のこどもたち約120名。クラスごとに分かれてそれぞれ45分間のお箏体験、午後にはお箏と尺八の貴重な演奏を聴くという、触れて、演奏して、聴いて、そして邦楽の歴史をも学ぶという総合体験の一日になりました。0628Ariake_P6280007.JPG

子供たちを迎えたのは、スペース一面に並んだ美しい20面のお箏。ワクワクの時間を予感させます。

自分の指にあう爪を装着した子供たちは、まず、お琴の中心となる7番の弦をはじきます。「ボーン」と力強い音を出す子供、「ボヨヨヨヨン」とおそるおそるはじく子供。ほとんどの子が、初めて触れる箏に興味深く、真剣に取り組みます。弾くコツの解説を聞いたり、モニターでもみながら、だんだん芯のある音をだせるようになってきます。熊沢さん(お箏)と米澤さん(尺八)の指導で、20台の子供たちがはじくお箏から紡ぎだされる音が、だんだんまとまりをみせて一体感がでてきました。そして、楽譜の読み方の説明を聞き、さあ今度は、曲の演奏にトライ。日本なら誰もが知る「さくら」の曲をフレーズごとに交互に弾いてみます。2人ずつペアでひとつのお箏に向かい、隣のお友達が弾いている間は、一緒に楽譜を読みながら演奏の補佐をしてあげる子供、正座がつらいと、足をのばして休憩に徹する子供、お箏の響きに熱心に耳をかたむける子供など伸び伸びとその時間を楽しむ様子が見られました。けれども、どの子も自分の弾く番になると姿勢を正して、美しい音をだすことに集中。はじめてお箏に触れてから曲を奏でられるようになるまで、あっという間の45分間でした。担任の先生も一緒にお箏を触れていた際、「先生!そこ音(弦が)違う!」と生徒からゲキが飛ぶなど、微笑ましい一面もみられ、子供たちの吸収力と学習力の高さを改めて示すものとなりました。同じ内容で、1クラスは約40名、全3クラスでそれぞれ同じ内容が行われましたが、みんなで「さくら」の曲をリレー形式で合奏する場面では、全員の息遣いがぴったり合う瞬間があり、それぞれのクラスの子供たちの個性が演奏に反映されていました。子供たちも耳と肌で感じながら心ひとつにして全員で曲をつくりあげる貴重な体験をしたようです。

0628Ariake_P6280060.JPG午後は、邦楽の歴史をまじえながら、お箏と尺八の貴重な演奏を聴きます。

すでに、触った楽器ですから、熊沢さんのお箏の演奏にも食い入るように聴き入り、華麗な演奏技法にも目と耳を総動員して鑑賞していました。日ごろ慣れ親しんだ音楽とはまた違う邦楽の演奏はやもすると、異質すぎて、その世界にはいっていけないことがありますが、米澤さん(尺八)は丁寧に邦楽の歴史について話してくださいます、その子供と対話する優しい語り口は、まるでお寺などの日本古来の歴史的建造物の中で演奏を聴いているような気分にさせてくれました。

お箏や尺八を通して、子供たちが、日本古来の音楽や、それに付随した歴史・宗教(仏教)にも興味をもつ機会を提供した素晴らしい時間になりました。

(サポーター・宮本稔子)

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