活動動画 公開中!

スタッフBLOG トリトン・アーツ・ネットワークの公演活動やコミュニティ活動の最新情報をスタッフがお届けします。

ブーレーズとの共同作業で「弦楽四重奏のための書」を改訂
ディオティマ弦楽四重奏団でクァルテット・ウィークエンド幕開け

2016年7月29日
いよいよ梅雨も明けて、夏本番ですね。夏は比較的公演が少ないトリトンアーツですが、夏が過ぎると芸術の秋、クァルテットのシーズンが開幕します。
今年の「クァルテット・ウィークエンド(SQW)」シリーズのトップバッターは、フランス、パリを拠点とするディオティマ弦楽四重奏団(以下ディオティマQ)です。
ディオティマQが披露するのは、彼らがヨーロッパのさまざまな都市で、すでに演奏し話題となっているBSB(ベートーヴェン‐シェーンベルク‐ブーレーズ)プログラム。中でも、今年1月に惜しくも亡くなった指揮者であり作曲家ピエール・ブーレーズの「弦楽四重奏のための書」は、60年以上も前に作曲されながら、あまりの難曲ゆえに演奏される機会が少なかったものを、ディオティマQがブーレーズにコンタクトを取って共同作業を行い、改訂版を創り上げた話題の作品です。
SQWシーズンを前に、この、ディオティマQとブーレーズの共同作業による改訂版「弦楽四重奏のための書」について、何回かに分けてブログでお届けします。

Diotima_BoulezI.jpg
ディオティマQから送られてきたこの写真は、2012年、ブッフ・デュ・ノール劇場(フランス)で、このBSBチクルスを初演した時に撮られたものです。花束を持っているのが、ピエール・ブーレーズ氏。(*第2ヴァイオリンはメンバー交代前)
創設の1996年当時から、「弦楽四重奏のための書」を演奏するのが夢だったというディオティマQ。ただ、1923年に作曲された時には小節線もなく、指揮者が必要とも言われたこの難曲の譜面を見ても、当時は疑問符だらけで、師事していた先生にもこの作品に立ち向かうには少し時間を置いた方がいいと言われ、時期が熟するまで待つことにしたのだそうです。
「来るべき時」がついにやってきたのは、2011年。4回に分けて、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲4曲、シェーンベルクの弦楽四重奏曲全4曲、ブーレーズ「弦楽のための書」を組み合わせたチクルスを考えた時に、このプロジェクトにはやはりブーレーズ氏本人の立会いが不可欠と感じたディオティマQがプレゼンをしたところ、忙しいスケジュール、そして当時86歳という年齢にも関わらず、このプロジェクトを気に入り「弦楽四重奏のための書」を新たに生まれ変わらせることに意欲を燃やしてくれたのだそうです。
ブーレーズ氏の住むバーデン・バーデンで、ディオティマQとともに、1日4時間、2日間にわたる共同作業を経て、新たな命を与えられた「弦楽四重奏のための書」。本来は6章から成り、ディオティマQもブッフ・デュ・ノール劇場では、4日間かけて、Ia&Ib, II, III, V, VI(IVは未出版)を演奏していますが、9月3日に第一生命ホールで聴けるのは、Ia&Ibです。
聞くところによると、今回のディオティマQの公演は、都内のとあるホール公演ではすでにチケットが完売だとか。クァルテットに最適な響きを持つ、第一生命ホールでの演奏をどうぞお聴き逃しなく。
参考:ディオティマQ「弦楽四重奏のための書」を出版したメガディスク・クラシックスHPよりディオティマQインタビュー
〈クァルテット・ウィークエンド〉
ディオティマ弦楽四重奏団
2016年9月3日(土)14:00開演
【出演】ディオティマ弦楽四重奏団
[ユン・ペン・ヂァオ/コンスタンス・ロンザッティ(ヴァイオリン) フランク・シュヴァリエ(ヴィオラ)  ピエール・モルレ(チェロ)]
【演奏プログラム】
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調 Op.131
ブーレーズ:「弦楽四重奏のための書」より1a・1b(改訂版)
シェーンベルク:弦楽四重奏曲 第1番 ニ短調 Op.7
【料金】
一般¥5,000 シニア¥4,500(60歳以上) ヤング¥1,500(小学生以上、25歳以下)
*クァルテット・ウィークエンド全5公演セット券も発売中
【チケットのご予約・お問い合わせ】
トリトンアーツ・チケットデスク
TEL:03-3532-5702(平日11:00~18:00)
公演詳細は こちら
ディオティマ弦楽四重奏団のインタビューは こちら
タグ