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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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アーティスト・インタビュー

© 山野雄大

戸田弥生

子どもを連れてクラシック
~子育て支援コンサート『モチモチの木』

親子で生演奏の感動を!
スクリーンに投影した絵本を生演奏と朗読とともにおおくりします

大人気企画《子どもを連れてクラシック~子育て支援コンサート~》は「親子で生演奏の感動を!」という願いをかなえるひととき。

「私も子どもがおりますので、コンサートになかなかいらっしゃれない親御さん、お子さんをはじめ、たくさんの方に聴いていただけるこの企画を知って、本当に感激しました」と、ご出演の名ヴァイオリニスト、戸田弥生さん。

前半、4~6歳のお子さんはスタジオで音楽体験、小学生~大人のみなさんはコンサートでヴァイオリンの美しさをたっぷりと...ドビュッシーやクライスラーの小品をはじめ、イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第6番は「楽器の華やかさと民族的な匂いと...しかもテクニック的にとてもむずかしい。自分に対する挑戦でもあります」と究極へ挑み続ける戸田さんの真摯からこそ生まれる素晴らしい響きも楽しみです。
 
そして後半は親子ごいっしょに! 《音楽と絵本》コーナーでは、スクリーンで見る絵本に合わせて生演奏を。戸田さんが選ばれたのは名作『モチモチの木』(作:斎藤隆介/絵:滝平二郎/岩崎書店)。「私の読んできた絵本でも一番印象に残っている作品なんです。じさまの豆太に対する愛情の純粋さも素晴らしいですよね! 大人になっても、絵本を見ているととても純粋な気持ちに立ち返ることのできるものです」。

この名作に合わせる生演奏は、シューベルトの〈弦楽五重奏曲〉。「『モチモチの木』で、じさまはもう歳をとって死を意識していますが、豆太は人生これからという子ども。その設定がシューベルト最晩年の精神的な作品と、ぱっと重なったんですよ。私と旧知の仲で、音楽への気持ちが相通じるものがある人たちとの共演でお聴きいただきます」と、作品への深い敬愛をこめて創り出す舞台へ思いもひとしお。「音楽って生きていく上でなくてはならないもの。お子さんも大変な時に自分の力としていけるはず。こういうものに触れたことがある、という経験が豊かな宝になると思います!」。

[取材・文:山野雄大]