2017.9.29
訃報:スザンヌ・フランクさん(カルミナ四重奏団 第2ヴァイオリン奏者)
カルミナ四重奏団(スイス)の第2ヴァイオリン奏者スザンヌ・フランクさんが、9月29日朝チューリッヒにて、肺感染症のためお亡くなりになりました。享年54歳でした。
第一生命ホールでは、2009年、2011年、2013年、2015年にカルミナ四重奏団として演奏してくださいました。日本と日本のファンのことが大好きで、コンサートの後は、いつもファンに囲まれて最後までうれしそうにおしゃべりをしているのがスザンヌでした。
2015年の日本ツアーの際は、すでに癌を発病していましたが、ツアー中も厳しい治療を続けながら決してそれを見せることなく、笑顔で東京、大阪、名古屋、新潟、海老名、横浜において全力で演奏し、また東京では日本の若い弦楽四重奏団に向けてマスタークラスも行いました。
この時の東京、大阪、名古屋、新潟でのプログラムは、モーツァルトの「レクイエム」の弦楽四重奏版でした。モーツァルトの同時代人であるリヒテンタールが編曲した版に合唱パートも加えた、カルミナ四重奏団として改訂を重ねたもので、もともとこの曲をカルミナ四重奏団で演奏しようと言い出したのが、スザンヌだったと聞いています。これが日本での最後の演奏になってしまったことが、本当に残念でなりません。
カルミナ四重奏団の第2ヴァイオリンとして強い責任感を持っていたスザンヌは、病気が発覚し治療を続けながらも、今年の5月まで、カルミナ四重奏団として演奏を続けていたということです。
私たちもまだ信じられない残念な想いでいっぱいです。
スザンヌ・フランクさんのご冥福を心よりお祈りいたします。
2017年9月29日
認定NPO法人トリトン・アーツ・ネットワーク