活動動画 公開中!

スタッフBLOG トリトン・アーツ・ネットワークの公演活動やコミュニティ活動の最新情報をスタッフがお届けします。

今年も「晴れオケ」の季節がやってきました! その4
首席チェロ山本裕康が語る「トリトン晴れた海のオーケストラ」の魅力

2017年10月16日

第一生命ホールを拠点とする「トリトン晴れた海のオーケストラ(晴れオケ)」が誕生してから3年。先日、初の室内楽の演奏会を行いましたが......

首席奏者が集まっての小さなオーケストラのようなベートーヴェンの七重奏曲と、

_0KU7937resized.jpg

シューベルト晩年の深遠なる五重奏曲(ゲスト:原田禎夫)は、今思い出してもため息が出てしまうほどすばらしいものでした(自画自賛です。すみません)。終演後に、このシューベルトの第2楽章を思い出すだけで1週間は幸せな余韻の中で生きていける......と思ったのですが、1週間が経過した今、さらに2、3週間くらいは生きていけそうです。

_0KU8541resized.jpg

さて、そんな余韻が続いているなか、いよいよ11月11日は、「晴れオケ」本番、オーケストラの演奏会です。室内楽にもご出演いただいたチェロ首席奏者の山本裕康さんに、この「晴れオケ」の魅力を語っていただきましたので、何回かに分けてご紹介しましょう。

_MG_8098.jpg指揮者なしのオーケストラとは

「晴れオケ」メンバーは、都響はじめ、東フィル、神奈川フィル、新日フィル、N響など、様々なオーケストラに属している人が多いので、普段は指揮者が望んだことを具現化しています。でも「晴れオケ」は指揮者なしでどこまでできるんだろう、という思いがありますね。

リハーサルはコンサートマスターの矢部さんがリーダーになって進めていきますが、「晴れオケ」には、「そこはこうした方がいいのでは」と言う人もちゃんといます。ひとりひとりの意見は興味深いし、意見を言って進めていくので、室内楽的になっていると感じます。一番大きいのは「呼吸」ですね。弦楽器は息を吸っていても音が出せますが、管楽器は息をはいている時しか音が出せないわけで。編成が小さいので、舞台では僕のすぐ後ろに管楽器がいて、指揮者がいない分、自分の耳が開く感じがします。

チェロやコントラバスは、モーツァルトなどの古典では、「きざみ」といって同じ音をド・ド・ド・ド...と弾いていることが多いのですが、管楽器がひとつの音をずーっと伸ばしている時にも、(音楽的に)前に行っているかで、僕たちのきざみも変わるのです。ですからリハーサルでは、例えば「(ここでは)前に行きたいか」といったことを管楽器メンバーに確認します。

「きざみ」も奥深くて、ソ・ソ・ソ・ソ...とやっていても、例えば、ソシレの和音の中のソなのか、ソドミの和音のソなのかで同じソでも違うわけですね。その上に載っているハーモニーを知らないと弾けないのです。チェロやコントラバスといった低音から聴こえてくるオーケストラはすばらしいと思います。低音がきちんとしていると、ヴァイオリンなどのメロディーが気持ちよく歌えるのです。そういうオーケストラでありたいですね。

次回は、山本裕康さんが語る「晴れオケ」のキーパーソンについて。お楽しみに。

写真はすべて(C)大窪道治

2017年10月7日「晴れオケメンバーによる室内楽」より

(たな)

トリトン晴れた海のオーケストラ第3回演奏会


■日時:2017年11月11日(土) 14:00開演
■出演: トリトン晴れた海のオーケストラ
【オーボエ】広田智之※
【コンサートマスター】矢部達哉
【ヴァイオリン】双紙正哉 会田莉凡 景澤恵子 塩田脩 戸上眞里 
直江智沙子 福崎雄也* 松浦奈々 三原久遠 渡邉ゆづき 
【ヴィオラ】篠﨑友美 瀧本麻衣子* 福田道子* 村田恵子
【チェロ】山本裕康 清水詩織 森山涼介 【コントラバス】池松宏 佐野央子
【フルート】小池郁江 斎藤光晴 【オーボエ】池田昭子 大島弥州夫
【クラリネット】三界秀実 糸井裕美子 【ファゴット】岡本正之 岩佐雅美
【ホルン】西條貴人 和田博史 【トランペット】高橋敦 中山隆崇
【ティンパニ】岡田 全弘
■演奏プログラム <オール・モーツァルト・プログラム>
歌劇「フィガロの結婚」序曲 K492
オーボエ協奏曲 ハ長調 K314 ※独奏:広田智之(オーボエ)
セレナータ・ノットゥルナ ニ長調 K239
交響曲第39番 変ホ長調 K543
■S席¥6,000 A席¥5,500 B席¥3,500 ヤング¥1,500(小学生以上、25歳以下)

公演情報はこちら

アーティスト・インタビューはこちら

タグ